淵上泰史、長かった下積み時代...原動力になったのは「いつか見返したい。周りの声に負けたくない」という思い

公開: 更新: テレ東プラス

7月7日(木)からは、ドラマ「復讐の未亡人」(主演:松本若菜 毎週木曜深夜2時35分)、7月8日(金)からは、ドラマ24「雪女と蟹を食う」(主演:重岡大毅 ジャニーズWEST 毎週金曜深夜0時12分)がスタート!

愛する夫の自殺の真相を探るため、次々とターゲットたちに"甘美でSexyな復讐"を仕掛ける主人公・密(松本)の復讐劇を描く「復讐の未亡人」。
冤罪によって人生が狂い、自殺を決意した男(重岡)と、時に雪女を彷彿とさせる謎多きセレブ妻(入山法子)の奇妙な二人旅を描く「雪女と蟹を食う」。

今クール、この二作に登場するのは、数々の作品に出演し、注目を集める淵上泰史さん。「復讐の未亡人」では、密の義弟で探偵の鈴木陽史役を、「雪女と蟹を食う」では、ドラマオリジナルキャラクターである一騎の担当編集者・巡健人役を演じています。

「テレ東プラス」は、両作で存在感を放つ淵上さんをインタビュー。作品や役についてはもちろん、下積み時代、仕事への思い、ご自身のプライベートに至るまで、たくさんお話を伺いました。

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「復讐の未亡人」の作品テーマの一つに、"陽史の一途で成就しない恋物語"がある

――まずは、「復讐の未亡人」で演じた鈴木陽史役について教えてください。演じるにあたり、どんなことを心がけましたか?

「僕が演じる陽史は、松本さん演じる密の義弟で従兄弟でもあります。過労自殺した双子の兄・優吾(平岡祐太)と、その復讐を誓う密に挟まれる役どころなので、悩ましい感じや少し寂しそうな雰囲気が出せたら良いかなと思いながら、芝居の中で"笑顔は無し"と言う事もひとつ準備しました。
細かいところで言うと、声のトーンや話すテンポを落とし込めればと意識しました。陽史には自分のリズムがあると感じていましたし、兄の優吾とは真逆にしたかったんです。優吾が"光"、陽史が"影"という風に捉え、陽史は影だけど、芝居をしていく中でどこか光に向かっていく感じを常に意識しました。
探偵の陽史は、正義のためというか、依頼人を明るい方に導く存在でもあるので、演じていく中で、光と影、どちらも持ち合わせているような感じがしました。復讐サスペンスなので緊張感はありましたが、明るくていい現場でしたね」

fuchikami_20220706_01.jpg▲「復讐の未亡人」より

――「切ない役」とも仰っていましたが...。

「陽史は密と共闘し、復讐していきますが、密に対しての恋心が見える瞬間があります。一方で、彼は子供の頃からの密との微妙な距離感を縮めることなく、そのまま大人になったという感じがしたので、その距離感を大切に芝居をしていきました。
僕が思う作品のテーマの一つに、"陽史の一途で成就しない恋物語"があるような気がしたので、一生成就しない、一生片想いだけど、その気持ちをなるべく見せない...そんな切なさを出せたらいいなと思いました」

――「雪女と蟹を食う」で演じる巡健人は、原作には登場しないドラマオリジナルのキャラクターですね。

「そうですね...原作にない分、ある程度自由に芝居をしていたと思いますが、『巡はいったい何を考えているんだろう』という思いはずっとありました(笑)。入山さんが演じる彩女を誘惑するようなシーンもありますが、彩女は自分が担当している作家・一騎(勝村政信)の妻。巡は一番危険なキャラクターであり、時に衝動的に大胆な行動をする不思議な人物、賛否両論ありそうな役どころだと思います」

――「雪女と蟹を食う」の内田英治監督(「ミッドナイトスワン」「全裸監督」)とは、映画「ダブルミンツ」以来、約5年ぶりとのことですが、現場ではどんなお話をされましたか?

「内田監督のドラマに出演するのは今回が初めてだったので、楽しみな気持ちもありつつ、緊張しました。内田監督は、いつもテストなしで本番を撮るんです。その感じは久々だったので、"あぁ、内田組だな"と実感しました。
今回、現場で話し合うことは特にありませんでしたが、『淵上くん、声が変わった?』みたいなことは仰っていましたね。『低くなっていいんじゃない?』と(笑)」

――5年前の淵上さんの声を覚えていらっしゃったのですね!

「そんなことを言われるとは思っていなかったので、正直驚きました。『ダブルミンツ』の時は、わりと声のトーンを抑えていましたが、あの頃とまた少し違った声のトーンに気付いたのかなと...まぁホントのところ分かりませんけどね(笑)」