淵上泰史、長かった下積み時代...原動力になったのは「いつか見返したい。周りの声に負けたくない」という思い

公開: 更新: テレ東プラス

――淵上さんは下積みのご経験が長かったそうですが、俳優を志す中で、大変だったことは?

「役者としていつまで生活していけるか…先が見えないことが一番つらかったですね。仕事が無い時、周りから『早く売れろ』と言われたり…まぁ今も言われますけど(笑)。叱咤激励だと受け止めつつも、自分の中では勝手に窮屈に感じてしまって。『早く売れなきゃ』という気持ちと共に、親に対しての申し訳なさはずっとありました。
でも、今は何とか生活できていますが、この仕事って、来年またどうなるか分からない。何がきっかけでブレイクするかも分からないし、芝居がうまいという定義も、あるのかないのかよく分からない。人にはそれぞれ違った感性がありますから、例えば一人が『この人、芝居うまいよね』と言っても、もう一人は『僕はそう思わない』と言う事もあります。まぁそんな事、全く気にする事でもないですが…総じて本当に色々難しい世界だと感じています」

――それでも、ここまで俳優を続けてこられた…その原動力は?

「大きな挫折をしたという事が、一理、あるかもしれません。僕は小さい頃からずっとサッカーをやっていて、『プロになりたい』と思い、15歳で親元を離れ、一人暮らしをしながらガンバ大阪ユースに入りました。でも、結果プロにはなれず…。絶望と言えば大げさですが、役者をしていく上で教訓になったことはたくさんあります。
役者を目指したのは大学生の時でしたが、3年生くらいになるとみんな就活をしますよね。そんな中、僕は『役者になる! 映画に出たい』と考えるようになり、養成所に入りましたが、やはり誰も僕に期待しないわけですよ。養成所時代は、僕だけ事務所に所属していませんでしたし、所属するまで7~8年かかったので、いろいろ言われたこともありました。でも、その時の『いつか見返したい、周りの声に負けたくない』という思いが、原動力というかエネルギーになったのかなと思います。
ただ、自分よりもつらく苦しんでいる方は世の中にたくさんいますからね。そういう方たちと出会った時、『自分のつらさなんて…』と思います」

――最後に、淵上さんがプライベートでハマっていることを教えてください。

「昔から音楽が好きで、まだ数は少ないんですけど、趣味でレコードを集めています。特に山下達郎さんが好きで、毎日のように聴いています。今ではシティポップと言われ、海外でも達郎さんの音楽は人気なんです」

――山下さんを好きになったきっかけは?

「叔父に連れられ、17歳の頃、ライブを観に行った事がキッカケです。『これはスゴイ!』と思いました。『Let's Dance Baby』という曲で、“♪心臓に~♪”の直後、観客が一斉にクラッカーを鳴らすのが恒例行事なんですが、僕は山下達郎さんのライブは初めてだったので、突然爆発音が鳴ったように感じて驚いたんですよ(笑)。何事かと思って周りを見たら、みんながクラッカーを鳴らしていて…何だか乗り遅れた気がして、あの時は悔しかったですね(笑)。
クラッカーは達郎さんのライブでの楽しみの一つでもあって、何より話も面白い。ライブはだいたい3時間を超えるんですよ。大阪で一人暮らししていた時も、達郎さんの音楽を聴くことでとても前向きな気持ちになりました。今も変わらず、達郎さんから刺激をもらっています」

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――淵上さん、素敵なお話をありがとうございました。淵上さんが出演するドラマ「復讐の未亡人」は、7月7日(木)深夜2時35分、ドラマ24「雪女と蟹を食う」は、7月8日(金)深夜0時12分からスタートします! どうぞお楽しみに!

(取材・文/根津香菜子)

淵上泰史 プロフィール】
1984年4月30日生まれ。和歌山県出身。2011年、映画「軽蔑」で本格的に役者デビュー。主な出演作品に、ドラマ「S-最後の警官-」、「ダイイング・アイ」、映画「ダブルミンツ」、「燃えよ剣」など。「有り、触れた、未来」(2023年春公開予定)にも出演する。

「復讐の未亡人」第1話あらすじ

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IT企業に勤める有能な派遣プログラマー・鈴木密(松本若菜)。密が働くのは、夫・鈴木優吾(平岡祐太)が自殺した元職場だった。開発部課長・橋本雅也(松尾諭)の怒号が響きチームリーダーの斎藤真言(桐山漣)がなだめるもパワハラは止まないひどいブラック企業だ。夫を追い詰めた同僚に復讐を誓い密と作業員に扮した優吾の弟・陽史(淵上泰史)も潜入し、ターゲットに近づく。密は巧みに誘惑し甘い口づけを交わし…!

「雪女と蟹を食う」第1話あらすじ
ある夏の日―。金も行き場もない男・北(重岡大毅)は命を絶とうとするが、どうしてもあと一歩が踏み出せずにいた。
そんな時、テレビのグルメ番組を観て、人生で蟹を食べたことがないと思いだした北は、「北海道で蟹を食べてから死ぬ」と決意する。しかし、北海道で蟹を食べるのに十分な金がない北は、図書館で出会った高級住宅街に住む人妻(入山法子)に狙いを定め、家に押し入った。そして人妻に金を要求するが、彼女の行動は全く予期せぬものだった...。
「冤罪により人生が狂った男」×「謎多きセレブな人妻」のミステリアスな2人旅が始まる。

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