モンテディオ山形が学生によるマーケティング部を発足!斬新な企画に福田正博も感心「おじさんにはない発想」

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モンテディオ山形が学生によるマーケティング部を発足!斬新な企画に福田正博も感心「おじさんにはない発想」

6月3日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)は、モンテディオ山形の社長・相田健太郎と、同クラブが創設したU-23マーケティング部のメンバー・吉田朱里がゲスト出演。モンテディオ山形が取り組んでいる新しい施策について、MCの勝村政信や解説の福田正博らとトークを繰り広げた。

大学生以下のメンバー合計40名で構成されているU-23マーケティング部は、モンテディオ山形の新規ファンの獲得をミッションとして、今年の1月に発足。部は広報・チケット・イベント・グッズの4部門から成り立っており、学生たちが企画を立て、クラブの予算を使って実行してもらうのが趣旨なのだという。

メンバーの吉田は「もともとサッカーを見るのが好きで、サポーターとしてサッカーに関わってきたんですけど、今回はその運営に興味を持ったのが大きかったです」と、参加のきっかけを明かした。

番組では、そんなU-23マーケティング部の取り組みを取材。東北ダービー「奥羽本戦」として5月に開催されたモンテディオ山形とブラウブリッツ秋田の一戦では、試合を盛り上げるために、あるイベントが行われていた。U-23マーケティング部が行ったのは、両クラブにちなみ、サポーターが山形県と秋田県のお米を食べ比べて当てるという利き米の企画。イベントブースには試合開始の4時間前から長蛇の列ができるなど、イベントは大成功を収めていた。

東北のお米のPRと地産地消を狙ったこの企画も、全て学生たちのアイデアによるもので、勝村は「素晴らしいですね。若者たちは才能とエネルギーに満ちあふれてますね」と絶賛。相田は「基本的に(学生たちを)労働力として見ているわけではなくて、彼らがサークルみたいな形でこの場を使ってくれればいいっていうのが一番の思い。実際に、部を使って何かやりたいですっていう熱い思いを持っている人を40人集めた感じです」と、部に対する考えを語った。

さらに、学生たちのアイデアを実行するための仕組みについても説明する。U-23マーケティング部で行われる学生たちによる企画のプレゼン時には、裁量権を持つ各部の部長なども参加し、その場で企画の採否を判断。スピーディーなフィードバックや意見交換を可能にしており、実際に“利き米イベント”も企画の発案からわずか1ヵ月で実現させている。

相田は「結局、“これ預かります”となってしまうと、本当にやれるのかどうかわからないときが出てくる。その場でやろうと決めたら、プレゼンにも熱が入りますし、決めてもらった子たちも一生懸命がんばれると思うので」と、その場で決めることの利点を語り、福田も「やりがいがありますよね。自分の言ったアイデアがすぐ形になるとモチベーションも上がるし、積極的に参加しようとなる」と賛同した。

東北ダービー「奥羽本戦」では、ダービー限定の記念グッズとして、学生たちのアイデアから生まれたフェイスタオルやトートバッグ、アクリルスタンドなども販売。商品の選定やデザインは、U-23マーケティング部のメンバーが行っていた。

実は去年、U-23マーケティング部の発足前にも、モンテディオ山形では女性ファン層を獲得するためのグッズをサポーターの大学生や高校生たちと考案。アイドルの“推し活”に着想を得たうちわなどのグッズは、全て完売するほどの好評を博していた。その若いチカラに魅せられたモンテディオ山形が、今年に入って本格的にU-23マーケティング部を発足させたという経緯がある。

これまでにない斬新なグッズに、勝村は「選手もうれしいもんね。スタジアムの観客席で自分のうちわを振ってくれたら見えるもんね」と笑顔を見せ、福田も「絶対におじさんじゃ、そういう発想にならない。絶対におじさんにはできないデザイン」と強調した。

グッズの販売については、個数や値段設定、実務作業まで、全てをU-23マーケティング部に一任。モンテディオ山形がそこまでするのには、地域で活躍できる人材を育成するという意図もあるのだとか。

山形県の人口減少率は全国でも4番目に高く、多くの若者が県外へ流出している。相田は「地方にもっとチャンスがあれば、外に出て行かなくてもよくなる。それが地域の活力になる」と指摘し、続けて「地域の未来を背負うのは彼ら。周りにいる方たちが諦めずに後押ししてくれたりだとか、若い子たちが積極的に参加してくれたりだとか、本当に積み重ねだと思うので、しっかりやってきたい」と決意を口にした。

番組では他にも、名古屋グランパスエイトのアカデミー選手が地元農家と行っている野菜を使用したレトルトカレーの製造・販売や、ジェフユナイテッド市原・千葉による未来のフィジカルコーチ育成のためのインターン制度なども紹介。勝村はこうした若いチカラが、既存の選手やスタッフに大きな影響を与えるとし、「若い人のエネルギーとアイデア。僕らは経験。そういうものをうまく橋渡しができれば、Jリーグやサッカーだけではなく、日本中の様々な問題がちょっとずつクリアできるのかなと思います」と締めくくった。

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