若手のエース・町野修斗、カタールW杯で見た川島永嗣の涙に感銘「チームが一体となった」

公開:

湘南ベルマーレの町野修斗が、2月11日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)にゲスト出演。Jリーグの新シーズンに向けて、決意を語った。

昨シーズンのJリーグで得点ランキング2位、日本人トップの13ゴールをマークした町野は、高さとスピードを兼ね備えた万能型ストライカーとしてチームを牽引。三重県伊賀市の出身ということもあり、ゴール後の忍者ポーズでも話題をさらった。

昨年7月のE-1選手権で代表に初選出されると、得点王にも輝き、カタールW杯では追加メンバーとして招集。町野は「すべり込みで入りましたけど、本当に行けてよかったです」と代表入りには喜びつつも、「ただ試合には出たかったので、悔しい大会になりました」とW杯を振り返った。

それでも得たものは大きかったようで、町野は特にベテラン選手たちの献身ぶりに感銘。GKの川島永嗣については「スペイン戦の前に、永嗣さんが選手ミーティングで“ここまでみんなでやってきて、こんな短いにW杯で終わるのはないぞ。今までやってきたことを思い出して戦おう”と泣きながら言ってくれて、それは本当にチームが一体となりました」と、熱いエピソードを披露した。

ベテランから若手へ世代交代が進む中、来年のパリ五輪や2026年の北中米W杯では、次世代の起用が重要になる。そこで番組では、町野に森保一監督率いる新生・日本代表について質問。森保監督の続投について、町野はポジティブに捉えているようで、「僕を日本代表に初めて選んでくれたのは森保さんですし、求められることをプレーで表現できればチャンスかなと自分では思っています」と、代表入りに期待を寄せた。

さらに町野はカタール大会で主軸となった海外組にも言及。共に戦う中、国内組とのレベルの差を肌で感じたそうで、「自己主張がとてもしっかりしていて、いろんな意見を出し合える」と海外組の強みを分析し、「“お前も海外来いよ”ってみんな揃って言ってくれました」と誘われたことを打ち明ける。MCの勝村政信から「どこの国に興味があります?」と尋ねられた町野は「ドイツか、プレミアもそうですし、小さい頃からの夢なので、ヨーロッパで活躍したい」と告白。具体的なクラブとしては、ドルトムントを挙げていた。

一方で、2月17日から開幕するJリーグにも意欲を燃やす。30周年のメモリアルイヤーとなる今シーズン、町野はどんな活躍を見せるのか。また、町野以外にも次世代のスター候補たちの躍進が期待されており、番組では鹿島アントラーズの荒木遼太郎、横浜F・マリノスの藤田譲瑠チマ、FC東京の松木玖生、浦和レッズの鈴木彩艶の4人に注目した。

去年から鹿島の10番を背負い、A代表にも召集された荒木は「(自分は)攻撃の選手なんで、常にゴールを意識して、自分でゴールだったり、アシストだったり、結果を出すっていうところを意識してやっています」と、プレーのこだわりを吐露。日本サッカーへの思いも強く、「パリ世代の選手が活躍して、自分自身も良い結果を出していけば、Jリーグ自体が盛り上がっていくのかなって思っています」と続けた。

パリ世代の中盤の要として期待される藤田は、守備力が持ち味の20歳。昨シーズンはリーグ戦29試合に出場して、チームの優勝に貢献した。藤田は、すでに2026年のW杯を見据えており、この3年間が重要だと強調。「まずはしっかり自分のレベルを上げていくことを意識できたらいいなと思います」と意気込んだ。

青森山田高校を日本一に導き、ルーキーイヤーにレギュラーの座をつかんだ松木は、中村俊輔もその才能を絶賛。「世界との戦う時のメンバーとして、代表にすごく合っている」と中村に言われ、海外からも熱視線を送られている。しかし、本人はいたって冷静。過信することなく、「フィジカル的なところは通用しましたけど、やっぱり数字を残すというところ。得点アシストは取れなかったので、ピッチ上でしっかり結果を残して、もっと注目を浴びることができればいいなと思います」と静かに闘志を燃やしていた。

規格外のポテンシャルを秘めた浦和のGKである鈴木は、すでに4度の世界大会を経験している注目株。今年を勝負の年だと位置づける鈴木は、照準をパリ五輪やW杯に合わせながらも、「目の前のこのチームで試合に出ることが、A代表やオリンピックに繋がっていく。まずはこのチームのためにやってきたいと思います」と宣言した。

若き才能が数多く渦巻くJリーグは、今年も混戦が予想される。しかし、すべてのクラブが優勝を狙えるわけではないようで、「今シーズンの湘南ベルマーレは優勝を狙える?」という質問に、町野は「NO」を突きつける。その真意について「全員がそこを目指せるチームではまだないと思っていますし、まずは5位以内に必ず入るっていうことを目標にしています」と町野が話すと、解説の福田正博も「そんなに簡単には優勝って言えないってことだよね」と同調。だからこそ、得点力のある町野が求められていると指摘した。

町野は今シーズンについて、W杯に行った経験が生きてくるシーズンになると予想。「日本代表を背負ってプレーしないといけないっていうのもあるので。そのプレッシャーは大きいですけど、プレッシャーを力に変えるのも僕の特徴なので、いけるんじゃないかなと思っています」と言葉に力を込めた。

多くの次世代選手が“結果”を意識しており、町野も「一番大事なのは結果」と断言。得点王の期待もかかる中で、具体的な目標として「僕、背番号18番なんですけど18ゴールは超えたいと思っています」と宣言し、「もっともっと自分を出して、(次世代の)先頭に立てればなと思っています」と思い描いているビジョンを明かした。

画像ギャラリー

PICK UP