世界最高峰MFのイニエスタがサッカー日本代表に助言!グループリーグ突破のカギは“ボール保持力”

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元スペイン代表のアンドレス・イニエスタが、10月15日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)にゲスト出演。自身の手掛けたスポーツブランドや約1か月後に迫ったカタールW杯などについて語った。

この日、国立競技場で行われていたのは、イニエスタによる新スポーツブランドの発表イベント。番組MCでもある勝村政信は、イベントのMCも担当しており、イベント後には初となる対談が実現した。

12歳でFCバルセロナの下部組織に入り、18歳でトップチームデビューを果たしたイニエスタは、以来32タイトルを獲得し、リオネル・メッシやシャビ・エルナンデスといった名プレーヤーたちと共に黄金期を築き上げた。

そして、2018年にはJリーグのヴィッセル神戸に移籍。来日5年目となるイニエスタは「Jリーグで実際にプレーをしてみて、非常に競争が激しいリーグだと感じました」と当初の印象を語り、「バルセロナを離れた後、私が望んでいたのは、このようなリーグでした。とても気に入ったし、今でもそう思っています」と続けた。

日本サッカーについては全体的にレベルが上がってきているといい、勝村の「どうしたらイニエスタ選手みたいなすごい選手が生まれますか?」という質問には「海外からも良い選手がたくさん入ってきているので、その環境の中で自分を信じて成長していけば、これからもっと良くなると思います」とアドバイス。特にジュニア世代には期待を寄せているようで、その世代がプレーにおいて“足裏”を使うことになったことに触れつつ、「子どもたちを見て良いプレーをするなと、とてもおもしろいと感じています」と明かした。

日本サッカーへの思いは、イニエスタの立ち上げたスポーツブランド名の「CAPITTEN(キャピテン)」にも込められている。ブランド名はスペイン語の「キャプテン」を由来としているが、スペルは本来、CAPITTENではなく、CAPITANが正解。イニエスタは「CAPITTENの“EN”は、日本語の“縁”から取っています。日本に来たことも“縁”だと思っていますし、チームの皆と一緒にプレーができることも“縁”だと思っています。個人ではなく、チームでプレーする重要性を込めて、“EN”と付けました」と説明した。

また、ブランドの目玉となるスパイクへのこだわりも明かす。自身の経験や思いを詰め込んだというスパイクは、アシックスやアスレタで25年以上スパイク作りに携わってきた熟練の職人・フットウェアクリエイターの井上晋平と共に作り上げたもの。軽さよりもバランスや足を守るためのホールド性を重視しているという。そこには、若い選手に怪我をしてほしくないというイニエスタの願いがあった。

スパイクには人工芝とも相性の良い円柱型スタッドを採用。イニエスタは自身が開発に携わったスパイクについて、「最終的には履き心地や足馴染みなど全体のバランスを考えることが重要です。それは今回私たちがスパイクを作るために続けてきた作業でもあります」と胸を張った。

そして、話題は間近に迫ったカタールW杯についても展開。日本はグループリーグでドイツやスペインといった強豪と対戦する。かつてスペイン代表として世界の頂点に輝いたイニエスタは、この組み合わせに「日本代表の選手の何人かは知っているし、スペイン代表の選手もほとんど知っています。私が唯一プレーした2か国なので、試合を共にした選手同士が戦うことは、非常に面白い組み合わせだと思います」と笑顔を見せ、「良い試合を見せてくれると思っています」と期待を寄せた。

しかし、過去最高のベスト8以上を求められ、プレッシャーもかかる森保ジャパン。勝村の「イニエスタさんが監督だとして、日本がドイツやスペインと戦う時にはどんな戦略を立てますか?」という質問には、「私が日本の監督になるにはもっと知識が必要ですが」と前置きしながら、「日本が対戦していくにあたって必要なのは、ボール保持力を上げて、ボールで攻める試合をすることだと思います。その中で点を狙うことで、試合に勝つチャンスを得ることができるのです」と指摘した。

ここで勝村が「今回の大会でどこが優勝すると思います?」と切り込むと、イニエスタは「どこが勝つかはわからないけど、スペインが勝つといいなと思っています」と返答。さらに勝村が「僕も日本が勝てばいいなと思っているんですけど」と突っ込むと、イニエスタは「じゃあ、決勝戦はスペインと日本で」と返して、勝村の笑いを誘う。

プロサッカー選手としてのキャリアを重ねて20年。今なお現役でピッチに立ち続けるイニエスタは、その原動力を「サッカーへの情熱」だと言い切る。「スタジアムで歓声を浴びてプレーするときも、“この場所にまた立ちたい”という情熱が原動力を保ち続けています。それが“もっとやれるはずだ”という気持ちにさせてくれます」と語った。

最後に、勝村から今後の夢を聞かれると、「人生最大の夢はサッカー選手になることでした。それが叶った今は、長くサッカーを続けることです。そして、サッカーを楽しみ、家族と楽しい時間を過ごすこと。これ以上の幸せはありません」と対談を締めくくった。

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