桐谷健太×佐野玲於×森田剛の演技に鳥肌『インフォーマ』がドラマ界に与える“刺激”

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桐谷健太の覚醒の作品になったと自負しております」。

1月19日にスタートする新ドラマ『インフォーマ』(カンテレ、毎週木曜24:25~ ※関西ローカル)制作発表記者会見で、桐谷健太はこう語った。

沖田臥竜​​の同名小説をドラマ化した本作は、元ヤクザのカリスマ情報屋・木原慶次郎(桐谷)とゴシップ誌「週刊タイムズ」の記者・三島寛治(佐野玲於GENERATIONS from EXILE TRIBE)が、謎の連続殺人事件を追うクライムサスペンスだ。

なぜ主役を演じる桐谷が自信を持って「覚醒の作品」だと述べたのか――。それは、大風呂敷を広げても、期待を裏切らない“魅力”がこのドラマには詰まっているからだろう。第1話を試写会で見てそう確信した。

桐谷演じる木原は、元2代目西宮会の若頭補佐で、あらゆる分野に精通する​​人物。人をぞんざいに扱い、激しい言葉も使うが、視聴者としてはどこか憎みきれないところがある。むしろ、彼には見る人を魅了する吸引力があって、あっという間に木原を好きになってしまう。関西弁で繰り出される台詞も小気味よく「このキャラクターは、桐谷にしか演じられない」と感じるほどだ。

第1話シーンカット
第1話シーンカット

そんな木原と三島の出会いは突然だった。編集長の長澤あすか(MEGUMI)の指示で木原に会いに行った三島は、彼に“ポンコツ”とあだ名をつけられ、運転手に指名される。そのまま「5年ぶりだ」という東京へ木原を運ぶことに。そこで事件に巻き込まれて……。

言わば、この物語の世界に場違いな三島がいることで、いい意味での息抜きになるし、ドラマを俯瞰で見られるのもいい。木原とのクスッと笑える掛け合いも最高だ。佐野の「とんでもないところに足を踏み入れてしまった」という胸中が垣間見える表情や、おどおどしながら台詞を述べる“巻き込まれ”演技は、ファンならずとも必見である。

第1話シーンカット
第1話シーンカット

2人の物語と並行して描かれるのが、木原が東京に来た理由であり、因縁の相手でもある謎の男(森田剛)の動向。彼は次々にターゲットを襲う謎の集団のリーダーで、素性は一切不明。男が何を企んでいるのか、木原とはどんな関係なのか……。口数少なく、表情も変わらないため、それを窺い知ることができない。40代に突入し、円熟味を増す俳優・森田剛の虚ろな目、狂気をはらんだオーラなど、“言葉だけではない”鳥肌ものの演技に注目してほしい。

この謎がうごめく物語のメガホンをとったのは、映画『新聞記者』(2019年)、ドラマ『アバランチ』(2021年)で知られる藤井道人だ。本作では、もはやドラマファンにはおなじみとなった“藤井演出”が散りばめられており、目を覆いたくなる衝撃的なシーンも多々ある。彼の創り出す“リアルでエモい”映像の中で、役者たちが気持ち良く踊っているのは見ていて楽しい。

第1話シーンカット
第1話シーンカット

桐谷は『インフォーマ』について自らの「覚醒の作品」だと評したが、それはドラマ界全体にも言えることではないだろうか。視聴者が「令和の時代に、こんなドラマが地上波でできるのだ」と再認識するきっかけとなり、今後のドラマ作品に影響を与えるのは確実だ。

1月19日深夜、新たな歴史が幕を開ける――。

(文:浜瀬将樹)​​

<第1話あらすじ>
三島寛治(佐野)は、主にゴシップ記事を扱う「週刊タイムズ」の記者。熱い思いを持って入社したものの、有名人のスキャンダルばかりを追いかける日々に、どこか虚しさや違和感を覚えていた。そんなある日、三島は編集長の長澤あすか(MEGUMI)の指示で、尼崎まである人物を迎えに行く。長澤は、「普通に生きていたら見られない世界を見たい」という、三島のかつての願いを叶えるチャンスだと送り出すが、待っていたのは、どうみてもカタギではない男・木原慶次郎(桐谷)。元2代目西宮会の若頭補佐で、現在は裏社会、政治、芸能、あらゆる分野に精通し、情報屋の中でも都市伝説的な存在“インフォーマ”として、その名を知られる人物だった。

同じ頃、都内のホテルでは、謎の男(森田)が、秘書らしき人物と商談をしている。多額の報酬を提示された男は、「3日で終わらせる」と成功を約束して……。

木原は三島を“ポンコツ”と呼び、自らの運転手に指名。東京へ来るのは5年ぶりだと言う。歌舞伎町のキャバクラへ足を運ぶと、そこでは顔見知りのホステス・ナナ(北香那)が木原を出迎える。ナナは、三島が“ポンコツ”と名付けられたことを知ると、「二代目ポンコツ君、死んじゃだめだよ」と何やら意味深な言葉を投げかける。その理由を三島が尋ねようとした次の瞬間、スマホが鳴り、木原の表情が一変する。

それは、前代未聞とも言える第一の殺人事件の知らせだった……。

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