三浦知良らスター選手の言葉と共にJリーグの30年を振り返る!日本サッカー躍進の秘訣とは?

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1月7日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~※今回は24:40~)は、これまで番組にゲスト出演したブレインたちの提言と共に、今年30周年を迎えたJリーグの変遷と進化を振り返った。

昨年開催されたカタールW杯のグループステージでドイツとスペインを破り、日本中に歓喜をもたらした日本代表。番組MCの勝村政信は「素晴らしかったじゃないですか」と、その奮闘ぶりを絶賛しつつも、目標だったベスト8入りが果たせなかったことについて、「でも惜しかったじゃないですか。引き裂かれるような思いがしませんでした?」と、竹﨑由佳アナウンサーに問いかけた。

日本代表を率いる森保一監督の続投も決まり、目指すは2026年に開催される北中米W杯。そのためには、日本サッカーの礎とも言えるJリーグの進化が必要不可欠となる。Jリーグが開幕したのは1993年。当初はわずか10チームでのスタートだったが、年々とチーム数は増え続け、1999年にはJ2、2014年にはJ3が開幕。今では60チームが各カテゴリーでしのぎを削っている。

チームが増えるに従い、高い決定力を誇るストライカーから、鉄壁のセービングを見せる守護神まで、様々な才能を持つ選手が生まれてきた。30年前のJリーグ開幕戦にも出場し、今なお現役の三浦知良は、日本サッカーを代表する選手の一人。現役であり続けるには、いかにモチベーションを維持するかだと話す。三浦は「試合はある意味一番楽しいところでもあるし、ただ練習っていうのは、誰も見てないところでコツコツと積み重ねていく作業をやるわけですから。全力で常に取り組まなきゃいけないし、それを毎日同じモチベーションで高くやらなければ、やっぱり試合には出られませんから」と説いた。

同じくレジェンドの一人であり、通算出場672試合の記録を持つ遠藤保仁は、試合に出続ける秘訣として、「簡単に言ってしまえば、自分の力を証明しておけば大丈夫だと思います」と明言し、そのための自身のこだわりについて、「基本的にはトップスピードでボールを扱わない。いかに0.1秒でも早く動いて、いいポジションを確保しに行くかというのを意識しています」と明かした。

ゴールを決めるための術については、4試合連続ハットトリックの記録を持つ中山雅史と、J1通算得点王の大久保嘉人が解説。大久保はゴール前にいることを常に意識していたと言い、「本当はボールのところに行きたいんですけど、そこは誰かに行かせて、自分はゴール前で待っている」と打ち明ける。中山もシュート前のポジションのコントロールが重要だと断言。「一番蹴りやすいところにいて、ボールとキーパーの位置を見れば、どこが空いてるんだっていうのがわかるんです。そうしたら、思いっきり蹴らなくても、キーパーが届かないコースを蹴れば入るわけですよ」と言葉に力を込めた。

また、Jリーグの進化には、選手の海外移籍も欠かせない要素の一つ。海外でプレーしてきた長友佑都香川真司本田圭佑が海外と日本の違いを明かした。長友が「海外の本当にトップレベルの選手って、もう自分が行きたい方向があって、ボールを止める前にもイメージがある。だから自分が進みたいところ、パスを出したいところにボールを止める」と、海外のレベルの高さに触れると、香川と本田は日本におけるサッカーの指導方法に言及。香川は「もっと外国人選手を入れて競争意識をチームに与える必要がある」と主張し、本田は「チーム第一みたいなこと言うんじゃなくて、良いところをのびのびと伸ばしてあげるような器のでかい指導者が増えてくれば、とんでもない野生みたいなフォワードも出てくる」と期待を寄せた。

そして、世界のレジェンドたちも日本人が世界で戦うための方法をアドバイス。元日本代表監督のジーコは「日本人は技術とセンスは高いものがある」としながらも、「1点取られるとまるで違うチームのようになってしまいます」とメンタルが弱点だと指摘する。スペイン代表歴代最多得点のダビド・ビジャは「強いDFと戦う上で重要なのは、自分の強みと弱みを理解すること。DFと戦う場合、僕よりスピードがない選手が多かった。なので、フィジカルコンタクトを避け、スピードを活かせる状況を作り出す。それが屈強なDFと戦う重要なポイント」と、自身の経験をもとに、日本人が体格で及ばない海外選手と戦う際のヒントを伝えた。

さらに番組では、選手だけではなく、スタジアムの進化にも注目。各クラブが様々な工夫でJリーグを盛り上げようとしているが、大のサッカー好きとしても知られる日向坂46影山優佳は「スタジアムで初めて試合を見た人に基本ルールを教えてくれたりとか、そういう解説みたいなものがあったら、絶対ライトのファンも楽しめると思います」と、サッカー初心者に向けたアイデアを提案していた。

実は影山のこの意見が現実のものになっていた。2021年、スタジアム内限定の生実況が聞ける「チアホン」という音声サービスがガンバ大阪などで実施。サポーターにはうれしい情報が満載で好評だったという。

多様な進化を遂げるJリーグだが、世界的にはまだ道半ば。番組の初回ゲストだった中田英寿は、日本は模倣がうまい国だとしながら、「この後、自分たちのオリジナリティをどうやって出すのか。Jリーグも自分たちのさらなるアイデアで作っていくべき」と語っていた。

最後に、勝村は三笘薫ら新世代の台頭に声を弾ませつつも、「何が必要で、何が必要でないかっていうのを僕らが取捨選択しなきゃいけない時代になっている」と分析。その上で「Jリーグを応援していきましょう。代表も応援していきましょう!」と力強く呼びかけた。

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