「サッカー代理人」と「塾講師」という異色の二刀流!若い才能を輝かせるための3つのキーワード

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「サッカー代理人」と「塾講師」という異色の二刀流!若い才能を輝かせるための3つのキーワード

3月25日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)は、サッカー選手の代理人と進学塾の代表を兼務する富永雄輔をゲストに迎え、若手の育成方法についてトークを繰り広げた。

一般的にサッカー選手の代理人といえば、移籍交渉が主な仕事だと思われがちだが、富永によれば移籍は年に数回しかないため、それ以外の時間は選手との信頼関係を築くための時間に充てているのだとか。特に若手選手を担当する際は、日々コミュニケーションを取りながら、ときには監督のような立ち位置で接することもあると話す。

富永は「育てるというと生意気ですが」と前置きしながら、「選手の年齢が若くなればなるほど、感覚的にはそういうものも持ってないといけないと思います」と説明。選手がステップアップするためには、移籍交渉をまとめるだけではなく、人間力を育てることも欠かせないという。

都内に4校ある小学生を対象とした進学塾の代表でもある富永は、子どもたちに教えながら、電話でサッカー選手の指導やメンタルケアを行うことも。番組の収録日も「今日この後、授業です」と明かして、MCの勝村政信や解説の坪井慶介を驚かせた。

代理人と塾の代表という一見するとかけ離れた2つの職業だが、富永は子どもたちのテストの採点をしながら「子どもたちもサッカー選手も、親から期待されたり、自らが夢を持ってその世界に入ったりするという意味では変わらないと思っていて。鉛筆とノートがボールに変わっただけという感覚」と打ち明ける。その上で、「僕の仕事は生徒や選手がどういうふうにステップを刻んでいくのかを示す、山登りの案内人みたいなものです」と例えた。

そんな富永が普段から実践している取り組みの一つが、「ルートの設定」だという。目標までの道のりや手段が昔よりも複雑化している現代においては、子どもや選手の価値観や性格などを細かく汲み取り、ルートの設定をしてあげることが大切になってくる。富永は「昔よりもやらなきゃいけない努力の量は増えている気がしますが、方法論も増えているので、その量をこなすために工夫して、一緒に考えてあげるのが大事だと思います」と語った。

ルートは3か月単位で設定し、常に改善点をチューニングしながら、最終的な目標へ正しく導くのが富永の役割。サッカー選手であれば、欧州リーグや日本代表を目標にする選手は多いが、そこまでの細かいルートを刻める選手は極わずか。富永は「高い目標が見えやすくなった分、逆にそこまでの道の作り方が複雑になってきている」と分析した。

また、才能の覚醒には「自己肯定感の高さ」も大切な要素の一つ。富永は「子どもたちもサッカー選手も、今どきの世代は小さい頃から競争をしているので、無意識に自信を持てる機会が減っている」とし、「伸ばせる鼻はどんどん伸ばしてあげた方がいい」と説く。自己を肯定し続ければ、それが自信となり結果につながる。この富永の考え方には、坪井や勝村も共感していた。

しかし、すべての若者が自信を持てるわけではないのも事実。そんなときは、大人側は我慢をしなければならないという。富永は「できないものには目をつぶる勇気が必要」だとし、「最後に受かればいい、最後に良いチームに行ければいい。ならばその間は犠牲にしてもいいという勇気が持てるかどうか。胆力を持つというか、我慢をすることが大人には必要です」と補足した。

富永は大人に“我慢”を求める一方、子どもには“鈍感力”を求める。鈍感力とは大人の言うことを気にせず、割り切るための力のこと。富永は「言い方は悪いですけど、大人の言うことはちょっと小馬鹿にするくらいの気持ちでいいんじゃないかなと思うんです」と主張した。

そして、目標のルート設定と自己肯定感を高めることに加え、もう一つ大事な心構えがある。それは「常に対等」であるということ。塾の生徒に教えるときも、選手と接するときも、同じ目線に立つのが富永流。富永は「上から目線で言うと、どんどん言うことをきかなくなってくる。共通の話題を持つようにして、何でも言える関係を作るのが今の指導者にとっても大事なこと」と持論を展開した。

この意見には坪井も共鳴したようで、サッカーの普及活動で幼稚園児と触れ合った際のエピソードを披露する。坪井は「やっぱり僕が目線を下げて、アンパンマンや戦隊モノの話をすると、急に子どもたちの表情が変わって、話しかけてくる」と振り返り、「子どもたちから、アンパンマンみたいってよく言われるんですけど、僕アンパンマンじゃないよ、コゲパンマンだよって言うんです」と、自身の顔をネタにして笑わせた。

富永は、年齢差があったとしても、円滑なコミュニケーションを図るためには、目線を同じにすることが何よりも大切だと繰り返し、「選手が対等に話せずに自分の気持ちが言えなくなってしまったら、僕らの仕事もやりづらいと思うんです。人の思いを代弁するのが僕らの仕事なので、向こう側に心を開いてもらわないといけない」と苦労を吐露。代理人として選手に心を開いてもらうためには、目線を合わせたり、間口を広げたりといった努力が必要だと強調した。

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