北川景子、山田裕貴の芝居にドハマリの日々「本当におもしろい!」

公開:

北川景子さんが主演を務め、山田裕貴さんと共演するドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』(読み:テミスのきょうしつ/フジテレビ系、毎週月曜21:00~)が1月9日より30分拡大SPでスタートします。

今作は、未来の法曹界を担う若者たちが通うロースクール(法科大学院)を舞台に、実務家教員として派遣されてきた裁判官と、彼女を取り巻く人々が自身の価値観をぶつけ合いながら、法曹界のあり方を問うリーガル&ロースクールエンターテインメント。

北川さんは「法」だけでなく「人」を学ぶことを大切にする人間味あふれる主人公・柊木雫役、一方山田さんは、無愛想で他人のことにはまったく興味がない、柊木とは性格も指導方法も真逆の藍井仁役を演じます。

劇中では正反対のキャラクターに扮するおふたりですが、インタビューを通じて見えてきたのは、お互いへの強い信頼感。クランクインから1か月が経ち(取材当時)、毎日楽しく撮影しているという北川さんと山田さんに、作品への思いと撮影秘話を聞きました。

――実際に撮影がスタートして、作品の印象はいかがですか?

北川:オリジナルの作品でもありますし、台本上はガチガチにキャラクター設定が決まっていたわけではなく、演じる役者に幅を持たせてくださっているようなかたちだったので、現場で細かい特徴を詰めていかなきゃいけないのかな、と心配なところもありました。でも実際現場に入って、衣装や眼鏡が決まったり、生徒の方々とお芝居したりする中で自然に生まれたものによって、徐々にキャラクターとして成り立ってきている感じがしています。

山田:台本を読んで、想像して、「どういうキャラになればこの作品がおもしろくなるのか」ということだけを考えて衣装合わせに臨んだら、ビッチビチにかっこつけられるスーツから和服まで並んでいて、「どうします?」と。当時は金髪だったんですけど、僕は見た目からおもしろいほうがいいかなと思っていたので、金髪活かしで“どこの金持ちやねん”みたいなイヤな感じでいくという方向性もありつつ(笑)、いろいろと話し合った結果、ボサボサの髪に和服の羽織に、僕がふだん履いている雪駄がいいね、ということになりました。

僕も本当に撮影しながら、ようやく何か掴めてきたかなという感じです。今の視聴者のみなさんには、お芝居臭いものはきっと嫌われていくと思うので、キャラクターを守りつつ、「こんなヤツいねぇよ」という中にリアルさを模索していくことがすごく大事だなと思っています。

――演じるキャラクターについて聞かせてください。

北川:柊木は基本的に明るくて、前向きです。生徒たちには熱血すぎて鬱陶しいと思われるようなキャラクターなので、とにかく真っ直ぐに作っていけたらいいなと思っています。

山田:藍井は頭の回転が速くて、一瞬で物事を判断できるし、学生たちが考えていることの“その先の答え”まで感じられる。しかも自分の中にデータがあって、基準が“俺”。「俺レベルまで引き上げたら司法試験に受かる」という絶対的なロジックがあるので、合格者を生むために厳しくするんです。単なる嫌な感じではなくて、「じゃないと、ここに来てる意味がない」というような愛情のあるキャラクターです。

――役柄に共感できる点はありますか?

北川:私は思い悩んだ時や落ち込んだ時には、食べないと元気にならないし、いい考えが浮かばないと思うタイプなんですけど、柊木も結構よく食べる設定で。私は食べることも好きなので、撮影が楽しみですし、嬉しくもあります。あとは嘘をつかないというか、わりとまっすぐに人と向き合うようなキャラクターだと思っていて。私もどちらかと言うと0か100か、はっきり人と向き合いたいタイプなので、その辺は似通ってるかなと思います。

山田:僕も、物事を深く考えたり、先のことを考えたりするのがすごく好きなんですよ。そこまで頭は良くないし、頭も切れないかもしれないけど(笑)、「人が(この先)どうなっていくんだろう」と考える職業でもあるし、その点では似てるのかな。でも、ここまで冷酷ではないとは思います(笑)。

――お互いに、共演が決まったときのお気持ちは?

北川:いろいろな作品も拝見しているし、バラエティでお話されているところを見て「本当に頭のいい方なんだな」と思っていました。絶対にいつかご一緒したかったので、今回名前が挙がったときにはすごく嬉しかったです。まずは私1人のシーンや学生たちとのシーンを撮っていたんですけど、途中から山田さんが入られて、グッと現場が締まりました。学生たち相手に1人でやっているときは、「自分が引っ張っていかなきゃ」とか「若い子たちにもちゃんと気を配らなきゃ」とガチガチだったんですけど、山田さんが入ってきて楽になりましたね。年齢も思ったより近くて、一緒にいるとすごく楽しいです。役柄は反目していますけど、今一番頼りにしてるし、心強いです。

山田:本当に今でもこんな感覚でダメだなと思うんですけど、「うわ、すげぇ。まじで昔からテレビで見てる人だ!」っていう(笑)。本当に第一線で活躍され続けている方なので、「僕はどういうふうに思われるんだろう」とか「ちゃんと力になれるように隣にいなきゃ」とずっと思っていて。緊張はしないけど、逆に緊張させる雰囲気を持ってないことにまた戸惑いを覚えて……。

北川:逆に怖い、みたいな?(笑)。

山田:(笑)。すごく親近感があって、気さくに話しかけてくれてたのでめちゃくちゃ楽になりました。今みたいに思ってくれていたと聞くと、より安心できますね。自分のお芝居が小さくならないようにちゃんとぶつけていこうと思っていたんですけど、実際、信頼しきってその場に立っていられるので、僕も安心して自分のキャラクターを思いっきり出せるような感覚です。

北川:私はよく芝居中に「ハッ」と鼻で笑われるんですけど、あれが本当に好きなんですよ。

山田:北川さんはすごく笑ってくださるんですけど、お客さんにハマらなかったらどうしようかと心配です(笑)。北川さんにハマっているだけなのに、調子に乗ってやり過ぎて、あまり良い効果を生んでなかったらどうしようって。

北川:いや、本当におもしろい! 台本に書いてないのに、グミをいっぱい食べていたり、吸うタイプのゼリーを飲んでいたり、椅子の上にしゃがんでいたり。今日も山田くんはどんなことするのかなってすごく楽しみだし、(撮影中は)どんどん無視してほしい(笑)。今は全然目線を送ってくれないんですけど、「どうやったら目が合うかな」と貪欲に入っていこうと思ってます。

山田:目がちゃんと合うようになったら、たぶん心を開いたときですね。

北川:きっと何話かであると思うんですよね。スケジュールを見て、「明日、藍井先生いるのかな」と、すごく楽しみにしてます。

――もしおふたりがロースクールの生徒だったら、どちらの先生のもとで学びたいですか?

2人:(すぐにお互いを手で指しながら)えっ!?

北川:何回も考えたんですけど、藍井先生のクラスを取ります。藍井先生の言うことだけをやっていれば、絶対に成績が上がるじゃないですか。だって司法試験に受からないと、その先ないんですよ!?

山田:確かに。でも、司法試験に受かるためにはすごく追い込まれるわけだから、どっちがいいんだろうって……。

北川:いやでも、たぶん私の授業では司法試験は受からないと思うんですよね。

山田:いやいや柊木先生が来てから、このロースクールが変わったっていうお話ですからね? たぶんそうなるでしょうし、そうじゃなきゃいけないから(笑)。

北川:そうか、変わるんですよね(笑)。でも私は、藍井先生がはっきり「お前はできてない」とか「できてる」と言ってくれるのは優しさだと思っていて。結局、最後は孤独で自分との戦いになるから、慣れあってても仕方ないんだぞ、ということを早いうちから教えてくれているような感じがするんですよ。一緒にお芝居していると、台本よりもすごい人間らしくなっていて、「それはメシアって言われるよね」と思います。

山田:僕は完全に柊木先生です。

北川:落ちるよ?(笑)。

山田:いやいや、わからないですよ? 僕は人に教えてもらったことは頭に入って来づらくて、自分で気づいて学んでいくタイプなんです。楽しくなってくると、人は関心や追求心がより芽生えるし、吸収率も上がると思うので、「こんな奴いたら絶対イヤだ」と思いながら藍井をやっています。やっぱりハートって大事じゃないですか(笑)。心を温かく拾い上げてくれる方のほうが絶対的に好きなので、僕は柊木先生で合格します! 結局、合格するかしないかは、自分の努力次第ですから……っていうところは、藍井先生の考え方に近いのかもしれないですね(笑)。

(取材・文:nakamura omame)

<1月9日放送 第1話あらすじ>
「人を知らなければいい法律家にはなれない」をモットーにする東京地方裁判所の裁判官、柊木雫(北川)は、一つひとつの案件に時間をかけすぎて、日々の仕事を効率よくこなせないでいた。そんなある日、柊木は、裁判所所長からロースクールへ派遣教員として突然の勤務辞令を受ける。柊木は裁判官との兼務と思ったのだが、まさかの専任。それでも彼女はめげることなく、青南大学法科大学院、通称“青南ロー”へと赴いた。

教務主任の里崎健一郎(小堺一機)に案内され、学生たちに、「刑事訴訟法基礎」を担当することになったと紹介された柊木は、早速、前期期末の答案を返却する。しかし、一人ひとりの名前を呼んで返却する柊木は学生たちにいきなり不評。さらに、正解の答案にも赤字でびっしりとコメントを連ねていた柊木は、学生の照井雪乃(南沙良)や真中信太郎(高橋文哉)たちから、司法試験の対策には関係ないと言われてしまう。続いて行った講義でも、効率の悪い実務の話題に終始した柊木は、すっかり学生たちの反感を買ってしまった。

“青南ロー”で学生たちに人気の教員は藍井仁(山田)。柊木は学院長の守宮清正(及川光博)から、「彼は自主ゼミで司法試験合格者を輩出するエース教員だ」と知らされる。柊木は藍井の授業を見学するのだが、徹底的に無駄を省き、できの悪い学生は置いて行くような授業に疑問を持つ。そんな中、柊木は守宮に“歓迎会”に誘われる。しかしその場には、藍井の姿もあった。守宮は2人で実務演習を受け持ってもらいたいと告げる。だが、教育方針の違う2人は言い争いに。守宮は、実務演習で弁護側と検察側に分かれて、学生たちと模擬裁判をやってもらうので、そこでお互いに理想の教育をぶつけあってみては、と柊木と藍井に提案した。

PICK UP