佐藤大樹、山本舞香の座長ぶりに感銘『Sister』の撮影を振り返る【連載PERSON】

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人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON~人生を変えたテレビ番組」。今回は、山本舞香さんと瀧本美織さんがW主演を務め、溝端淳平さんと共演するプラチナイト木曜ドラマ『Sister』(読売テレビ・日本テレビ系、毎週木曜23:59~)で羽瀬昊汰(はせ・こうた)を演じる佐藤大樹EXILEFANTASTICS from EXILE TRIBE)さんです。

佐藤さんは、高校1年からダンスを始め、2011年 からGENERATIONSのサポートメンバーとして始動。2014年に『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』に合格してEXILEに加入し、2016年からFANTASTICSのメンバーとして活動しています。俳優としてもドラマ『シュガーレス』の田中ヒラオリ役でドラマデビューを飾り、その後は橋本環奈さんとのW主演が話題となった映画『小説の神様 君としか描けない物語』など様々なドラマ、映画に出演しています。

原作:あやぱん・漫画:蜆ツバサの人気電子コミックをドラマ化した『Sister』では、山本さんと瀧本さんが演じる仲良し姉妹の妹・三好凪沙と姉・三好沙帆、そして凪沙の高校時代の初恋相手で、現在は沙帆の婚約者である麻倉陽佑(溝端)の間で重要な立ち回りを演じる羽瀬昊汰役に抜擢。“秘密”と“裏切り”の連鎖で、登場人物たちの“裏の顔”が次々に暴かれるという、衝撃の展開の中、佐藤さん演じる昊汰の動向に注目が集まります。

今回、佐藤さんにドラマの見どころや、撮影の様子、本作への意気込みなどを聞きました。

原作を読んでゾクゾク!羽瀬昊汰は「いつかやってみたいと思っていた役」

――『Sister』の撮影が始まっていますが、改めてこの『Sister』は佐藤さんにとってどんな作品になりそうですか?

今までやらせていただいたいろいろな役の美味しいところをミックスしたような役だなと個人的には思っています。今回「裏の顔」というのがドラマのテーマの一つになっていて、狂気の部分も出していかないといけないですし、これまでのいろいろな作品で培ったものをさまざまな場面で活かせるのではないかと思っています。集大成というにはまだ自分のキャリアは浅いですが、自分のいい部分がたくさん出せる作品になるのではと考えています。

――撮影前に原作を読まれた時はどんな印象を持ったのですか?

ゾクゾクしましたね。よくこういうストーリーを思いつくなってシンプルに凄いなと思ったのと、これを実写化した時に、昊汰という人物はすごく演じ甲斐のある役だなと思いました。個人的には物語の重要な鍵を握る、昊汰のような存在の役をいつかやってみたいと思っていたんです。

――昊汰を演じるにあたって、何か撮影前に準備したことはありますか?

それは特にないです。このシーンは自分が今までにやってきた役のここだなとか、そういうことは考えましたけど、参考に何かを見るとかはなかったです。そもそも自分は、台本を読んで、ここはこうして、こう動こうというのは決めてやらないんです。自分1人では作れないと思っているので。現場で役者さんと、現場での空気を見ながら、自分の体がどう動くかっていうことを大切にして演技をしています。事前に何かを作っていくというよりかは、現場で作っていくという方がいいと思っています。

――登場人物はそれぞれ秘密を抱えているという面白い設定になっています。このあたりはどんな風に意識を持って演じているんですか?

2話以降は視聴者の皆さんが僕を見る目がガラッと変わるような仕掛けになっているんです。いかに前半の話の中で、昊汰が魅力的でいいやつだなと思わせるか、そこを意識して演じようと思っています。逆に後半からは視聴者をどれだけ裏切れるかが重要だと思っているんです。表と裏の顔があるというのを最初から意識しながら撮影しています。

――凪沙を演じる山本舞香さんの現場での印象はどうですか?

4人の中では一番若いんですけど、座長という立場での撮影で、背負っているものが違うなと感じます。現場を明るく盛り上げてくれたり、スタッフさんに対しても、一人ひとり名前を覚えて、その人をあえていじってみたりだとか。みんなが楽しくやれるような雰囲気作りをしてくれていて、僕らもすごく助かっています。しっかりしているし、頼りになる人だなって思います。

――“気遣いの人”という感じなんですか?

すごく気遣いの方です。瀧本さんも溝端さんもそうです。だから、すごくやりやすいです。

――瀧本さんはどんな方ですか?

沙帆という役を演じる時は、カメラ前にたつと急に沙帆が降りてくる。どう見ても沙帆にしか見えなくなるんです。でも、カメラが回っていないところではものすごくおしとやかで天然で、すごく可愛くて、素敵な人だなと思います。

――溝端さんとは、役柄的には微妙な立ち位置の関係だと思います。現場であえて距離をとったりという工夫をしたりはするのですか?

今回、親友で同い年という設定なんです。実際には、溝端さんと僕は実年齢も少し離れているし、「同い年に見えるか」というのをお互い心配してはいたんです。でも、そこは溝端さんが常にリードしてくれて、「ここはもうちょっと、こういう距離感の方が昊汰と陽佑の関係性に見えるんじゃないか」ってアドバイスをくれたりします。逆に僕から提案した時も溝端さんがそれを受け入れてくれたりして、いろいろ話し合いながら2人の関係性を一緒に作っています。

――凪沙と沙帆の姉妹関係がすごく面白い作品であると思いました。2人の関係性を佐藤さんはどんな風に見ているんですか?

とにかく歪みまくってしまった姉妹という感じです(笑)。実際にこういう関係性の姉妹はいないと思うのですが……、でも、もしかしたら中には同じ人を好きになってしまった姉妹もいるかもしれないですよね。とにかくこの世で一番怖いのは女性だなって、台本を読んで思いました。自分がもしこの物語のような世界に巻き込まれたらと考えるだけで震えます(笑)。絶対に嫌だなって。僕なら真っ先に身を引くだろうなって思います。

――4人で撮影する中で、面白い現場エピソードはありますか?

山本さんが自分のフィルムカメラを持っていて、それでお互いの写真を撮りあっていて、グループメールのアルバムが毎日更新されていくんです。今日、現場で何があったかをグループメールでやりとりしてくれるおかげで、撮影がない時もほっこりできたりします。僕も一匹狼というよりは、みんなといろいろ話していろいろなことをやっていきたいと思うタイプの人間なんです。だから山本さんのそういう部分はすごくいいなって思います。

――このドラマは回を進めるごとに登場人物の変化や変貌に目がいくように作られています。どんな点に注目して見ていけば良いですか?

僕が演じる昊汰に関していえば、ドラマの紹介の部分で「物語の鍵を握る人物」とうたっているので、昊汰の一つひとつの表情や行動などに注目して見てほしいです。あと、沙帆が今後どれだけ豹変していくかにも注目してください。

座右の銘は「ONE PIECE」ゾロの名言

――ここからは、佐藤さんとテレビとの関わりについてお聞きしたいです。佐藤さんがこれまで見てきたテレビの番組の中で、影響を受けた番組はありますか?

僕は小さい頃からテレビしか見てこなかったんです。いろいろあるんですけど、ドラマでいえば、『人にやさしく』だと思います。同い年の須賀健太さんが子役の時に出演したドラマでもあるんですけど、脚本を鈴木おさむさんが書いていて、これを見て、僕は俳優を仕事にしてみたいなって思った作品でもあるんです。まだ小学生だったんですけど、DVDボックスも買って、今でも見返すくらい好きなドラマです。何も考えずに生きていたのに、同い年の方がこれだけテレビで演技をして、泣いて……。きっとクラスではヒーローなんだろうなって思ったりとか。いつか感動するドラマに出るような役者さんになってみたいなと当時思っていました。

――EXILEに入るきっかけになった番組はあるんですか?

『めちゃ×2イケてるッ!』ですね。そこでオカザイルを見て、EXILEを知ったんです。そこからライブに行くようになって、初めて行ったライブでもう「絶対EXILEになりたい!」って思ったので。『学校へ行こう!』とかバラエティ番組も好きでした。『笑う犬』とか。

――今だとどんな番組を見ているんですか?

水曜日のダウンタウン』とか『ダウンタウンDX』とか……基本的にダウンタウンさんが出ているバラエティが好きで、どの番組を見ても面白いですね。2人のコンビのバランスがいいんです。ダウンタウン世代というわけではないけどよく見ます。でも『水ダウ』なんて、世代関係なく、僕の周りはみんな見ていますよ。一週お休みになっただけでその週は気持ちが萎えたりするんです(笑)。ダウンタウン以外だと、『あちこちオードリー』『テレビ千鳥』などもよく見ます。バラエティは毎週録画して見ています。

――配信ものはどうですか?

FOD、Hulu、Amazonプライムビデオ……全部入っていると思います。配信もので好きなのはサスペンス、ドキュメンタリー、バラエティという感じです。映画もよく見ます。あと、TVerなら、自分の過去の出演したものを見るのも好きです。その時にダメだった自分を見てクスクスッて笑ってたり(笑)。お気に入り登録して見ているのは自分の出ている番組と、『ふるさとファンタ』という僕達FANTASTICSの冠番組です。

――役者として大切にしている軸や信念はありますか?

あんまり落ち込まないようにしています。よかったと思えることの方が少ないんですけど、「その時にしかできないことをできた」って思うようにしているんです。その時の監督さんが「OK」って言ったものがOKなんだって。自分が納得がいかなくても、監督さんにすべてゆだねようと。昔は「もっとこうできたな」とか、「あの人ならこうするんだろうな」って思ったりしましたけど、今は、もっと自分を肯定してあげた方がいいんじゃないかって思うようになったんです。自分の作品は見ないという人もいますけど、僕は結構見るのが好きで、昔のものも今のものも見ます。自分に対して、自分が一番のファンでいてあげようと思っています。

――芸能活動をする上で大切にしている言葉はありますか?

「苦難上等好むものなり修羅の道」っていう「ONE PIECE」のゾロの言葉がそうです。実は僕、「ONE PIECE」って(アニメを)見たことも(漫画を)読んだこともないんです(笑)。でもその言葉がすごく好きで、番組などで座右の銘を聞かれたらそれを言うようにしています。選択肢が二択あればあえて辛い方を選ぼうって。自分を追い込むのが好きな、ドM気質なんですかね(笑)。この歳になると、怒られないこともあるんですけど、自分で自分を追い込むということを大切にしています。

――役者としての今後の目標を教えてください。

朝ドラに出てみたいです。自分は意外と野心家なので、スケジュールは大変だと思うんですけど、いつかやってみたいです。

――今後、共演してみたい人はいますか?

妻夫木聡さんです。女性だと満島ひかりさん。満島さんは圧倒的な存在感で自分のジャンルを作っている感じがして、すごいなと思います。妻夫木さんはずっと好きで憧れの俳優さんです。将来歳をとったら妻夫木さんのような俳優になりたいと思います。あと、市原隼人さんとも共演してみたいです。市原さんが出演するドラマは必ず見るくらい好きなんです。昔、『ランナウェイ~愛する君のために』というドラマがあって、冤罪で刑務所から脱獄して逃げ回るという内容だったんですけど、それがすごく好きで。僕が初めてゴールデンのドラマに出た時に、プロデューサーさんに「君は若い頃の市原隼人さんの目をしている」って言われて。そこから意識するようになりました。熱い方ですし、いつか共演してみたいなって思います。

(取材・文:名鹿祥史、写真:フジタヒデ)

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