土屋太鳳、原作者からの“指名”に歓喜「愛を込めて向き合いたい」『やんごとなき一族』インタビュー

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土屋太鳳さんが主演する木曜劇場『やんごとなき一族』(フジテレビ系、毎週木曜22:00~)が、4月21日に初回15分拡大SPでスタートします。

原作は、「Kiss」(講談社)で連載中のこやまゆかりさんによる同名コミック。庶民の家庭から上流社会の一族に嫁ぐことになった、土屋さん演じる篠原佐都が、理不尽な一族のしきたりや親族内の複雑な人間関係に翻弄されながらも、松下洸平さん演じる夫・深山健太とともに真正面から立ち向かい奮闘するアフター・シンデレラ・ストーリー。土屋さんに演じるキャラクターへの思いや、新たな環境に飛び込む際の心がけについて聞きました。

――原作を読んでどのような感想を持ちましたか?

すごくパワフルでありながら、とても繊細な作品だと思いました。佐都が置かれる環境と自分の環境は一見かけ離れているように見えますが、“家族の話”として突き詰めると、すごく共感できる話だと思いました。どんなにお金があっても裏切られたら悲しいし、寂しいし、信じることができなかったら苦しいし……。「こんなことありえないよ」と思うような場面もありますが、そんな場面ほど、普遍的な切なさを感じて引き込まれました。

脚本を読んで「すごく愛に溢れている」

――脚本の印象についてはいかがでしょうか?

すごく愛に溢れている作品だと感じました。作品に対する愛、出演する演者に対する愛、見てくださる方々への愛が詰まっている、溢れている作品だと思うので、脚本から感じた愛情を損なわないように視聴者の方にお伝えしたいと思っています。

演じる佐都と似ている部分は?
演じる佐都と似ている部分は?

――土屋さんご自身が、佐都に似ていると思う部分を教えて下さい。

佐都ちゃんは天真爛漫な雰囲気を持っていますが、私はおそらく天真爛漫というより幼稚な性格で(苦笑)。それに佐都ちゃんは前向きですが、私の場合は前のめりになってしまうタイプなので、似ているようで似ていないんです。私としては、佐都ちゃんは友達になりたい憧れの存在なので、少しでも近づけたらいいなと思いますし、そういう佐都ちゃんを描いたこやまゆかり先生が「実写化するなら」と私の名前を挙げてくださったことが嬉しくて。それに恥じないように、愛を込めて向き合っていけたらと思っています。

――佐都を演じる上で難しそうだなと思っているところ、楽しそうだなと思っているところはありますか?

難しそうなのは、描かれていない佐都の過去をどう自分で作っていくか、というところですね。このドラマはアフター・シンデレラ・ストーリーなので、それ以前に、庶民的ながらも佐都にとっては“シンデレラの瞬間”があったと思うんです。その瞬間だったり、馴れ初めだったりをしっかり意識していかないといけないなと思っています。

楽しそうなのは、大衆食堂のシーンです。その場面と、深山家の場面の対比がおもしろいのではないかと思っています。色々な人たちが出てきて、色々な感情をぶつけ合う。それを見られることが、佐都としても土屋太鳳としてもワクワクしています。

夫・健太を演じる松下洸平の印象は?
夫・健太を演じる松下洸平の印象は?

――佐都の夫・健太役を演じる松下さんとは初共演です。

共演することがわかってからは、先入観を持たないように松下さんが出演しているバラエティもドラマも見ないようにしていたので、とてもフラットな状態でお会いしました。まだビジュアル撮影の時に少しお話させていただいただけなのですが、空気をしっかり読む方なのかなと感じました(※インタビュー時はクランクイン前)。

――土屋さんのインタビューを拝読すると、いつも共演者の方から受けた刺激について真摯にお話されている印象があるのですが、普段から「共演者の方から何か吸収したい」といった姿勢で臨んでいるということはありますか?

やはり自分は力不足ですし、皆さん素晴らしい方々ばかりなので、見習うというよりも「お芝居の仕方が素敵だな」などと、心に響くものが多いんです。たとえば今、私のインタビューを読んでくださったと聞いてすごく嬉しかったので、自分が誰かと話す時にも、「これを見たんですけど」と声をかけたら相手の方は嬉しいんだろうな、と思いました。そんなふうに何かを感じることがあった時には、自分もそうできたらいいな、というのが基本の姿勢です。

――佐都には他人と自分を比べてしまうようなところがありますが、土屋さんは自分と他人を比べて落ち込むようなことはありますか?

相当、落ち込んでいるのではないかと思います(笑)。このお仕事に向いてないのでは、と思いながら。それでも心が通じた時や、作品を見てくれた方が感想を伝えてくださった時に、「自分がやってきたことは間違いではなかったんだ」と思える瞬間はありますね。やはり役と向き合う時にも孤独な世界なので……もちろん嫌いではないですけど、ちゃんと落ち込んでいます(笑)。

――ちゃんと落ち込んで、ちゃんと復活しているということですか?

ちゃんと落ち込んで、ちゃんと復活します(笑)。そういう時には、たくさんの人の言葉を聞くようにしていますね。

――先ほどからお話をうかがってきて、土屋さんは“人”がお好きなのかなと感じました。

人を観察するのが好きなのかもしれないです。自分も喋るんですけど、大人数で集まると結構話を聞いていることが多くて。でも、それが楽しいんですよね。その上で、相手の方を知るために質問したり、会話をしたり。最近は、本当に1回しかない人生だから、体が動くうちに動かしておこうとか、物を覚えられるうちに覚えておこうとか、すごく思うんです。

――時間を有意義に使えますしね。

この先も色々なことがあるとは思うけど、負けずに自分にできることをやっていきたいです。あとは、ちゃんと自分の“憧れ”を目指していけたらいいなと思っています。

新たな道に進む人へメッセージ!

――佐都は上流社会という新たな世界に飛び込みますが、土屋さんご自身が何か新しいことを始めるときに意識していることはありますか? 新年度ということで、新たな道に進む方にもメッセージをお願いします。

私は最近、「人の意見を否定しないようにしよう」と思うようになりました。否定をしてしまうと前に進めないので、「そういう考え方もあるかも、見え方もあるかも」と考えることが大事だと思うようにしています。人の考えに対して反射的に「違うかも」と感じてしまうこともあるけれど、せっかく人と生きているんだから、逆に自分の考えを「これで合っているのか?」と疑うようにしたい。そうすることで、自分とも向き合えるじゃないですか。メッセージではないけれど、私が今、心がけていることをお伝えさせていただきました!

(取材・撮影・文:nakamura omame)

衣装:シューズ/148500円/クリスチャン ルブタン(クリスチャン ルブタン ジャパン)/03-6804-2855)、イヤリング/118800円/ヴァンドーム青山(ヴァンドームヤマダ/03-3470-4061)、リング/85800円/talkative(talkative・表参道/03-6416-0559)その他スタイリスト私物

スタイリスト
Finally(野村昌司、石川奈央)

ヘアメイク
市岡愛

<第1話あらすじ>
篠原佐都(土屋)は、母の良恵(石野真子)と2人で下町の大衆食堂「まんぷく屋」を切り盛りする女性。ある日、佐都はかねてより交際してきた深山健太(松下)にプロポーズされ、それを受け入れる。

佐都が健太の実家へ挨拶に行くことになった日、2人を迎えに、1台の高級リムジンが店の前に現れる。なんと健太は、江戸時代から400年以上続く名家で莫大な資産を有する一族・深山家の御曹司だったのだ。

健太の出自に驚き、彼の両親に気に入ってもらえるかと不安がる佐都に、健太はこれまで実家と距離をとってきた理由を正直に打ち明ける。そして、深山家当主である父の圭一(石橋凌)が佐都に会いたがっていることを伝えて安心させる。

その後、2人は深山家に到着するが、圭一から命令された健太の母・久美(木村多江)によって、佐都は門前払いを食らい呆然とする。圭一は、佐都が庶民であるという理由で2人の結婚を受け入れていなかった。上流社会の理不尽なしきたりや深山家内の複雑な人間関係に翻弄される佐都と健太。そしてここから、2人の奮闘の日々が幕を開ける!

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