『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』危機一髪のバスジャック事件!明かされる二宮和也“誠司”の過去

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『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』危機一髪のバスジャック事件!明かされる二宮和也“誠司”の過去

舞台は犯罪組織でもレストランでもテレビ局でもなく、バスの中? 11月27日放送の『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系、毎週月曜21:00~)第8話は、クリスマスイブの15時37分から16時43分までの物語。勝呂寺誠司(二宮和也)、立葵時生(大沢たかお)、倉内桔梗(中谷美紀)は運命のめぐり合わせで、まだ同じ場所に集結していた。

誠司は警察官!判明する本当の姿

コスモワールドのクリスマスツリー前で合流した誠司と蜜谷満作(江口洋介)。人混みを指定したのはアネモネの幹部たちが手を出しづらいという判断だったが、すでに追手はきている。警察官もまちなかにたくさんいるなかで、二人はたまたま通りかかった横浜新港バスに乗車。このバスが今回のメイン舞台となる。

バスならゆっくり話を聞けると思ったら、アネモネ幹部の一人も乗車してきたことで、万事休す。しかもそこには、亡くなった妻の墓参りに行く時生の姿も。まさか1日で3回、逃亡犯に遭遇なんて!

真礼(佐藤浩市)が突然飛び出してきた際の急停車で、よろけた幹部を誠司が羽交い締めにし、なんとか事なきを得た……と思ったら、一難去ってまた一難。今度はバイクに乗った笛花ミズキ(中川大志)が追ってきた。ミズキは自分を殺すつもりで来たと察知した誠司は、急きょバスジャックを仕立て上げることを思いつく。

競技場で停車したバスはすでに警察に取り囲まれていた。これでアネモネのメンバーは近づけないけど、誠司ここからどうする? これはこれでピンチだ。ハイジャック制圧のためにSISが到着まで10分程度。その間に誠司は自分の過去を蜜谷から聞くのだった。

一方、待ち合わせ場所に一人取り残された桔梗は、立葵査子(福本莉子)がする竹本梅雨美(桜井ユキ)へのインタビューを音声で聞いていた。蜜谷と梅雨美の語りから、誠司こと“天樹勇太”の過去が明らかになってきたのでまとめておく。

かつては東京・国分寺で警察官をしていた“天樹勇太”。しかし6年前に警察幹部の汚職を偶然見つけ、正義感から公にしようとしたところ、上層部からの圧力で汚職に関わった張本人にされてしまう。そこで蜜谷は、警視庁内にあった彼の情報をすべて消し“勝呂寺誠司”として5年前にアネモネに潜入させる。目的はアネモネを壊滅させること。当初は1〜2年で済むと思われていたので、勇太(誠司)は5年前のクリスマスイブに梅雨美に「2年待ってほしい」と告げたのだろう。しかし、警察内部にも内通者がいたことで潜入捜査は難航。すでに5年が経ってしまったというわけ。今夜の取引は捜査が始まって以来の大チャンスだったが、昨夜の事件(第1話冒頭)が起き、誠司は記憶を失っていた。

警察内の裏切り者としてあやしいのは、警察サイドのシーンでたびたび抜かれる場面が多い、一課長(遠山俊也)。『警視庁・捜査一課長』の内藤剛志なら熱く「被害者(とご遺族)の無念を晴らすためにも、必ず、犯人(ホシ)を挙げる!」と言ってくれているところだけど、こちらの一課長はどうやらその器ではないらしい。

誠司、バスジャック犯のまま緊急搬送?

バスジャックの情報を得て、ジャーナリズム魂で現場へと向かう桔梗。そしてバスジャック犯になってしまっている誠司に、いつものごとく能弁を垂れる時生。<逃走編><レストラン編><地方テレビ局編>それぞれで発揮していた人物の特徴が、同じ舞台に集結してもなお生かされているのはおもしろい。これまでの設定がちゃんと効いている。

現場で桔梗が現場VTRを回していると、目の前には狩宮カレン(松本若菜)の姿が。テレビ局のキャスターと警察官。報道という意味では協力関係にありながら、それぞれに守秘義務がある二人。お互い自分の仕事に情熱を注いでいる点で、出会い方が違えばきっといいコンビになっていそうだ。それにしても中谷美紀とバチバチに対峙しても引けを取らない、松本若菜の存在感はすごい。ナイスキャスティングだ!

報道は他局のクルーに先を越されても、なお撮影し続ける桔梗。素材を撮っておき、報道特別番組向けに編集することを諦めていないことがよくわかる。横浜テレビはミュージックフェスティバルではなく、ぜひこちらを放送してほしい。

そして桔梗の言葉と蜜谷の言葉で、自分が何を信じるべきかがわかってきたカレン。蜜谷からの連絡で、ある頼みを受けることに。バス車内では人質が解放され、蜜谷は誠司に向かって銃を発砲。誠司と蜜谷はアネモネ壊滅に向けてこの行動を起こしているので、考えがあってのことだろう。時生が持っていたケチャップを血のり代わりにうまく使い、誠司はカレンとともに救急搬送されていった。

時刻は16時43分、すでにクリスマスイブの日の入りを迎えている。これから夜になることで、物語にはどんな変化が訪れるのだろうか。

(文:綿貫大介)