高橋恭平、佐々木蔵之介は「優しいお父さんって感じ」芝居に悩んだ時のフォローも「さすが!」『マイホームヒーロー』

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高橋恭平、佐々木蔵之介は「優しいお父さんって感じ」芝居に悩んだ時のフォローも「さすが!」『マイホームヒーロー』

佐々木蔵之介さんが主演を務めるドラマイズム『マイホームヒーロー』(MBS、毎週火曜24:59~/TBS、毎週火曜25:28~)が、10月24日より放送スタートします。

原作は、「ヤングマガジン」で現在大人気連載中の同名漫画(原作:山川直輝/漫画:朝基まさし)。推理小説好きの平凡なサラリーマンが、家族を守るために半グレ組織と攻防を繰り広げるクライムサスペンス。愛する一人娘に危害を加える彼氏を殺害してしまった主人公が、拭えぬ罪を抱えながら、ミステリー小説を読むことと書くことという唯一の趣味で培った頭脳と家族愛を武器に、社会の闇と戦っていきます。ドラマ化を経て、2024年春には劇場版の公開も決定しています。

この度、主人公・鳥栖哲雄役の佐々木蔵之介さん、半グレ集団のリーダー格・間島恭一役の高橋恭平さん(なにわ男子)にインタビュー。作品の印象のほか、タイトルにちなんで2人にとっての「ヒーロー的存在」も聞いてみました。

高橋恭平、初共演の佐々木蔵之介に「人見知り」アピール

――本作の出演が決まった際の印象を聞かせてください。

佐々木:まず、役者としてありがたいと思いました。殺人犯でありながらヒーローでもあり、そして普通のサラリーマンという役を演じる機会なんてなかなかないじゃないですか。僕の演じる鳥栖哲雄の行動には、家族への愛情溢れる行為や、ある意味狂気を孕んだ行動などいろいろな要素があるんです。それに一筋縄では行かないストーリーの“うねり”も加わるので、非常に多面的な役だと思いました。こんな役を演じられるのは嬉しいです。

高橋:僕も率直にすごく嬉しかったです。こういったジャンルの作品は大好きでよく見ていたので、こういう役柄を演じられることにも嬉しくなりました。僕の演じる間島恭一は、知れば知るほど面白いキャラクター。悪いやつなのに、その中に優しさがあったり、夢を持っていたりと、演じていてもすごく楽しかったです。

高橋恭平演じる間島恭一の一場面
高橋恭平演じる間島恭一の一場面

――ストーリーに関しては、どう感じましたか?

佐々木:哲雄のスーパーマンっぷりと言いますか、(隠ぺい工作を)淡々とやりこなしていく姿、それに彼の推理小説好きが関係していることなど詳細すべてが丁寧に描かれていて、そこを読むのがすごく面白かったです。これがどこまで映像化できるのかと楽しみにもなりました。

高橋:僕は原作はもちろん、アニメも見ました。話も斬新だし、サラリーマン(鳥栖)と半グレ(恭一)の掛け合いも面白いし、読む手が止まりませんでした。(原作での)恭一の鋭い視線や底知れない怖さをどう表現しようかと考えると、撮影が楽しみで仕方なかったです。

――本作で初共演となりますが、初めて会った時の印象はいかがでしたか?

佐々木:初めて会ったのは本読みの時かな? そんなに話す時間もなかったよね。

高橋:挨拶させてもらっただけですね。

佐々木:あ、でも印象に残っているのは、現場入りしてから「僕、人見知りなんです」と自己申告してきたことですね(笑)。

高橋:前もって言っておくって大事じゃないですか!(笑)。

佐々木:それで高橋くんは人見知りなんだと理解できました(笑)。現場での高橋くんは、こういった役をやったことがないということで、すごく悩み考えている姿をずっと見ていた気がします。

高橋:本当にそうですね。「ここはできたけど、ここはできなかった」って。反省と勉強の日々でした。

佐々木:あと、基本が優しい性格だから、暴力シーンの撮影でもすごいソフトタッチでした(笑)。

高橋:初めてだから、加減がわからないんですよ(笑)。

佐々木:確かに、先輩に対しての暴力シーンは難しいよね。でも、後半はこなれてきていましたよ。

高橋:ありがとうございます! 自分でも、後半に慣れてきた感じはありました。僕の蔵之介さんに対する印象は、カメラが回っていないところでポロッとこぼす言葉が面白い。やはり関西出身だからでしょうか。芝居に関しても、僕が悩んでいたら話しかけてくれて、「さすが蔵之介さんやなぁ!」と。僕にとっても優しいお父さんって感じでした(笑)。

佐々木蔵之介
佐々木蔵之介

――佐々木さんから見た、娘・零花役の齋藤飛鳥さん、妻・歌仙役の木村多江さんの印象も教えてほしいです。

佐々木:歌仙さんは、娘の彼氏を殺してしまった僕に寄り添ってサポートしてくれる妻。役もそうなのですが、撮影期間中、ボロボロになっていく僕の体調を多江さんご本人も心配してくれて、ありがたいと思いました。娘に関しては、僕が殺人を犯したことを知らないので、彼女との時間だけが穏やかなんですよね。なので、飛鳥ちゃんとのシーンは気が休まりました。飛鳥ちゃんとのシーンは本当に良かったなぁ。あとはずっときつかったです(笑)。

――恭一役を演じた高橋さんには、鳥栖家の家族の在り方はどう見えていましたか?

高橋:本当にいい家庭ですよね。家族を愛しているからこそ、隠ぺいを提案して夫を支える歌仙さん。家族が大好きなのに、素直になれない年頃の娘・零花。見ていてほのぼのした気持ちになりました。こんな事件に巻き込まれないで、3人、笑顔で過ごしてほしかったなぁ……(笑)。

――暴力的なシーンが多い本作。演じていて「嫌だな」「怖いな」と思ったシーンはありませんでしたか?

佐々木:シーンよりも先に、まず嫌だと思ったのは、現場でのメイクの最後に必ず血のりを付けられること(笑)。

高橋:(笑)。

佐々木:それが毎日ですよ! 休憩中にお弁当も食べづらいし、いろいろなことが制限されるので、本当に嫌でした。

高橋:それでも器用に食べてましたけどね(笑)。

佐々木:だんだん血のりに慣れちゃって、付けられなかった日は「あれ、今日ないの?」って物足りない気分になってしまいました(笑)。

高橋:僕は、やりたかったジャンルの作品/役ということで、撮影のすべてが楽しくて嫌なことはなかったです。こういう役をいただけるのはもっと先だと思っていたので、若い時にやらせてもらってよかったです。

高橋恭平演じる間島恭一の一場面
高橋恭平演じる間島恭一の一場面

佐々木蔵之介&高橋恭平にとってのヒーローは?

――タイトルにちなんで、ご自身にとってのヒーロー的存在を教えてください。

高橋:自分っすね!

佐々木:思いもしなかった回答がきたな(笑)。

高橋:僕、自分が大好きなんですよ。そんな自分を何があっても肯定してあげようと思い、気持ちがマイナスになった時も「自分はこれができるからかっけーや!」と、プラス思考に変えているので、そういう意味では自分がヒーローかなって。

佐々木:なるほどねぇ。

佐々木蔵之介
佐々木蔵之介

――佐々木さんはいかがですか?

佐々木:……自分っすね。

高橋:マジですか!?(笑)。

佐々木:高橋くんのを聞いていたら、自分かなって。頑張った日にはお酒飲んだりして、自分で自分を上げていかないとね。

高橋:まさかの答え被り(笑)。

――最後に、放送を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

高橋:僕を知っている方には、「こういう役もできるんだ!」とギャップを感じてもらえると思います。ずっとやりたかったジャンルの作品で、演じていて勉強と楽しいの応酬でした。しっかりと演じきれているかわからないのですが、精一杯頑張ったので是非見ていただきたいです。

佐々木:タイトルに「ヒーロー」とあるのですが、主人公は犯罪者です。何が正義で悪なのかが揺れ動くのですが、彼は深い“愛”を礎に行動します。それが視聴者の皆様にどう見てもらえるかわかりませんが、彼を応援してくれたら嬉しいです。

(取材・文:米田果織)

■佐々木蔵之介
ヘアメイク:晋一朗(IKEDAYA TOKYO)
スタイリスト:勝見宜人(Koa Hole inc.)・シャツ ¥36,300・ジャケット ¥132,000・パンツ ¥41,800/共に、コラム(エストネーション TEL 0120-503-971)

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