冨安健洋がプレミアリーグに向いている日本人選手を告白「いずれ来るだろうな」

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冨安健洋がプレミアリーグに向いている日本人選手を告白「いずれ来るだろうな」

イングランド・プレミアリーグでプレーするサッカー日本代表の冨安健洋が、8月5日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)にゲスト出演。MCの勝村政信と共に、日本代表と日本サッカーの未来について語り合った。

夏休み2週連続企画の2週目となる今回は、まず昨年のカタールW杯についてトークが展開。初出場ながら日本の守備の要として活躍が期待された冨安だったが、大会のおよそ2週間前に怪我をしてしまい、万全とは言えない状態でドイツ戦に臨むことになる。ピッチに立ったのは、日本劣勢の中で迎えた後半。「行くしかない」という思いだったという冨安は、「後半になってよりリスクを冒して相手陣内でプレーする時間が増えたと思うので。それがうまく結果につながったのかなって思いますね」と、勝利に至った理由を分析した。

ドイツに続いてスペインも撃破した日本代表だったが、悲願のベスト8の壁を越えることは叶わず、涙をのんだ。勝村から日本がベスト8の壁を越えるために必要なものを聞かれた冨安は「できるだけレベルの高いリーグ、レベルの高いチームでプレーすることしかない」と断言。高いレベルの戦いを日常にすることの重要性を語る冨安自身も世界最高峰と言われるプレミアリーグで世界のアタッカー陣としのぎを削りながら、プレーを磨いている。

冨安の武器といえば、人の動きを誰よりも先に見極める卓越した予測能力。相手選手の動きを予測することで、ボールを奪い、ときにはゴールへの起点にもなっている。本人もその能力の高さは自覚しており、「逆に僕は予測の部分がなくなると、本当何もできなくなる。僕ってスライディングとかほとんどしないですよね。だからスライディングとかを僕がしているときは、予測できてないんだなと。大袈裟に言うと1秒遅れているからスライディングしないといけないところまで追い詰められているんだなっていう見方もできる」と打ち明けた。

予測能力は頭で考えるよりも、体が先に動く無意識下で発揮されるのが理想だという。勝村は無意識でいることの難しさについて、「演劇のメソッドの本があって、世界的に一番有名なものなんだけど、やっぱり無意識の演技が一番いいって昔から言われていて。でも最終的に、やっぱり意識してしまうと、その無意識を殺してしまう」と説明。この例えには、冨安も「無意識を意識している時点で意識しちゃってるじゃないですか。勝手に(無意識下に)入るものであって。難しいなと思いますね」と同意していた。

こうした予測能力や無意識での反応を少しでも速く動作に移すために、冨安がこだわっているのがスパイクなのだとか。今年のはじめにアシックスジャパンとアドバイザリースタッフ契約を結んだ冨安は、スパイクを着用するだけではなく、製品開発などにも協力。オフシーズンの帰国中にはアシックスのスポーツ工学研究所を訪れ、データ収集のための計測などを行った。

冨安がよりパフォーマンスを発揮するために改良が重ねられたスパイクは、つま先の屈曲感がポイント。スタジオで実際にスパイクを履かせてもらった勝村は「フィットしますね、優しいけど、しっかり包んでくれる感覚があります」と感心していた。

世界で戦うために、スパイクの細部にまでこだわる冨安に、勝村は「日本人選手の中で“こいつプレミアリーグに向いているな”って思った選手とかいます?」と質問。これに冨安は日本代表のチームメイトである鎌田大地の名前を挙げた。鎌田といえば、ドイツのアイントラハト・フランクフルトをヨーロッパリーグ制覇に導いた立役者の1人。昨シーズンのチャンピオンズリーグでは、クラブ史上初の決勝トーナメント進出に貢献した。

冨安は「実際に大地くんと話しているときもプレミアリーグっていう話題は出ていました」としながら、「あと、滉くんとか律とかはいずれ来るだろうなっていうふうには思いますね」と、ドイツで活躍する板倉滉堂安律の名前を続けて挙げた。カタールW杯では攻守に躍動した板倉と、ドイツとスペイン相手に値千金のゴールを決めた堂安。冨安は「彼らもプレミアリーグでプレーするっていうのは夢の一つだと思いますし、彼らがそう言っている以上、目指すべき場所であると思う」と語った。

世界最高峰の舞台で冨安をはじめとした選手たちがぶつかり合うのもそう遠い話ではないのかもしれない。そんな可能性に満ちたタレントが揃う日本代表。冨安にとっては、次のW杯こそが、ベストなタイミングで迎えられる大会ということもあり、「自分たちに期待して欲しいですし、それまでにできる限り1人1人がレベルアップした状態で臨めるようにしたい」と意気込んだ。

次の大会は2026年。カナダ・メキシコ・アメリカ合衆国の3か国共同で開催される。3年後に向けて、冨安は「逆算して3年間を過ごしたいなと思いますし、まずは代表のユニフォームを着てピッチに立てていないんで、そこの場所に戻る」と目標を口にする。さらに、「カタールW杯が終わって、サポーターの人たちが泣いて悔しがっている姿を見て、本当に一緒に戦ってくれていたんだなっていうのを感じて。そういった人たちのために僕らはやっぱりピッチ上で結果出すしかないんで、お返ししたいなと思っています」と意欲を燃やしていた。

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