澤穂希ら優勝メンバーが女子W杯に挑むなでしこジャパンを激励!新旧ボランチ対談では課題も浮き彫りに

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澤穂希ら優勝メンバーが女子W杯に挑むなでしこジャパンを激励!新旧ボランチ対談では課題も浮き彫りに

7月22日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)では、2週連続企画の後半戦として、なでしこジャパンの新旧ボランチ対談が実現。女子サッカー界のレジェンド・澤穂希が、なでしこジャパンの“心臓”でもある長谷川唯長野風花の2人に話を聞いた。

現在開催中のFIFA女子ワールドカップで、日本の要となる長谷川と長野の両ボランチ。大会前のパナマ戦では2人が攻守に渡り躍動し、今大会での活躍を期待させた。MCの勝村政信は「日本はよいボランチを輩出してますね。しかも2人ともイングランドでプレーしているわけじゃないですか」と指摘。長谷川はマンチェスター・シティWFC、長野はリヴァプールFCウィメンに所属しており、フィジカルの強い海外選手とも渡り合っている。

澤も「今の子たちってすごくうまいよね。私は不器用だったから周りの選手に助けてもらうことが多かったけど、今の子たちは個の力でできることが多い」と高く評価した。そんな2人の理想のボランチ像について尋ねると、長野はチャンスを作れて、大事なところで守れる選手と回答。一方の長谷川は、前線に関わり、点を取れる選手と答えていた。

パナマ戦では2ゴール1アシストを決め、自身の理想とするボランチ像を体現してみせた長谷川だったが、実は「攻撃より守備のほうが好き」と告白。スタジオで対談を見守っていた丸山桂里奈は「攻撃的な選手って基本的に守備嫌いじゃないですか」と長谷川の発言に驚き、「守備が好きと言える選手ってすごく強いと思う」と感心していた。

攻守の役割を明確にした上で、お互いがうまく機能している長谷川と長野。しかし、チーム全体としては状況判断が甘いという課題を抱えているという。澤から「どこで(守備の)スイッチ入れてるの?」と聞かれた長谷川は「基本声をかけるのは自分たち。でも、やっぱりまだうまく噛み合っていない」と明かす。

今大会のグループリーグでは、パスサッカーを得意とする強豪のスペインとも戦うことになるが、ボール支配率で圧倒された場合、日本はどのようにゴールを守るべきなのか。ボランチとして世界で戦ってきた澤は、2人がボールの奪うタイミングを決めて、センターバックと連携することが大切だと説いた。

丸山と同様にスタジオで対談を見守っていた阪口夢穂は、澤とダブルボランチを組んでいた2011年大会について、「私たちが捨て身でボールを奪うというスタイルだったんですよ。ボランチが声をかけて誘導して、無理でも絶対にセンターバッグが来ている。そういうのは徹底していましたね」と述懐。フォワードだった丸山もボランチからの指示が多かったと振り返り、「とにかく澤さんに“声だけ聞いて!”って言われてたんですよ。私、守備は苦手なんですけど、しっかり声を出してくれると、私でもコースを限定できたりとかできていたので」と、“声出し”の重要性を強調した。

今のなでしこジャパンは、強く指示を出せる選手が限られており、長谷川と長野もそこを課題に感じているという。プロデューサーという立場で今回の企画に携わっていた宮間あやは「もっと感情的になってよさそう」と助言し、澤も「自分は口下手であまり上手に伝えられないことも多かったから、プレーで見せていた。そうすると選手はついてくる」とアドバイスを送っていた。

さらに澤はチームメイトにどれだけ頼れるかが大事だと主張。自身がキャプテンだった2011年大会を振り返りながら、世界の強豪を打ち破るには苦しい時にこそ、安心して仲間に寄りかかれる関係性を築くことが重要だと語った。

澤と宮間の思いを受け止めた2人に、今大会でどのようなチームにしたいのかも質問。長谷川は「仲良しこよしとは思われたくない。言い合いだったり、ぶつかり合いだったりした上で、絆があるチームになりたい」と打ち明け、長野も「そういうのを乗り越えたチームになりたいという気持ちがすごくある」と、同意していた。

チーム全体のことを考えながら今大会に挑もうとする2人に、澤は「悔しかったら泣いて、怒ってもいいと思う。この場所に立てるって、本当に限られた人だから。とにかく楽しくやれば、みんなついてくる」と激励。「怪我をしないことをまずは考えて、行ってきてほしいなと思います」と送り出していた。

そして、前回の放送で澤と新旧キャプテン対談を繰り広げた熊谷紗希は「正直、準々決勝(ベスト8進出)ぐらいからしか見てもらえないと思うんです。自分たちの結果がやっぱり今後の女子サッカーの発展と成長につながることは間違いない。その責任をしっかり持って戦うべきなのもわかっている」と覚悟を口にする。

女子サッカーの発展に必要なのは試合に勝つこと。宮間は、自分たちの思いが下の世代に継承されていることについて、「若い選手に紗希がその覚悟を背負っているのを知らせなきゃいけないし、知ってもらいたい。紗希の今の言葉って、めちゃくちゃうれしかった。ちゃんと伝わってたんだなって思った」と喜んだ。

スタジオでは丸山が「勝たないと見てくれないというのは選手たちも思っている。いろいろなものを背負うけど、ピッチに立ったら、そういう責任を出し切って戦ってほしい」と鼓舞。阪口も「みんな悔いなく、何も残さないように戦ってきてほしい。結果は後からついてくるので、楽しんでほしいと思います」と声援を送った。

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