塩野瑛久が語る、グルメドラマの苦労と“食”へのこだわり「最近よく作っているのは…」

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塩野瑛久が語る、グルメドラマの苦労と“食”へのこだわり「最近よく作っているのは…」

前田敦子さん、成海璃子さん、塩野瑛久さんが主人公を演じる『かしましめし』(テレビ東京系、毎週月曜23:06~)が、4月10日よりスタートします。

原作は、おかざき真里の同名コミック。美大を卒業後、同級生の自死をきっかけに再会したアラサー男女3人が、それぞれの人生に悩みながらも、みんなで賑やかな“おうちごはん”を囲み、やがて一緒に暮らしていく物語です。

このたび仲良し3人組のひとりで、自死した同級生の元カレ・英治役を務める塩野さんにインタビュー。関西弁でお芝居をする難しさや、グルメドラマならではの苦労、ご自身の得意料理などについて語ってもらいました。

――英治を演じる上で、監督からはどんなリクエストがありましたか?

「どこか愛すべき人になってほしい」と言っていただきました。千春(前田さん)とナカムラ(成海さん)も3人でいる時にはワイワイ、キャピキャピしてくれるんですけど、やっぱり英治は一番の盛り上げ役で、英治特有の関西弁で2人の緊張感や雰囲気を和らげたりする作用があるので、そういった部分は意識していきたいと話していました。

――英治とご自身に似ている部分はありますか?

意外と少ないかもしれないです。僕は英治のように明るい雰囲気の持ち主でもないですし、涙もろいかって言われたら、英治ほど感情が入りやすいわけでもないのかなと。ただ、不思議と気持ちはわかるというか、スッと入ってくるような人間性ではありますね。

――似ている部分が少ないとのことですが、毎回どのように英治のテンションに持っていくのでしょうか。

基本的に、英治のような自由が利く役はすごく好きなんです。でも今回は、全部の台詞を言い終わってからカットがかかるまでの“間”を潰すような時に、関西弁だとアドリブで話しにくいんですよね。標準語だったら“間”を埋める自信はわりとあるんですけど、関西弁にしなきゃいけないことで、一気に発言できなくなるっていう(笑)。アドリブで言った関西弁が間違っていて「もう1回」ということもありますし、難しいですね。ただ、一応やってはいるんですよ。やってはいるんですけど、いつもはその倍くらいやってます(笑)。

――たしかにふだんの言葉使いと違うと、萎縮してしまいそうです。それでも挑戦するのは、「役者として攻めていきたい!」みたいなところですか?

いや、そこまで大層なことではないです(笑)。でも、英治のキャラクターの魅力にも繋がりますし、その時の3人の雰囲気がすごく画に出ると思うんです。そういったことの積み重ねで関係値を築いていける気がしているので、遊び心は常に持っていたいなと思っています。あとは、単純に撮影を楽しみたい、というのもありますね。

――会話劇が中心となりますが、事前に前田さん、成海さんと「関係性をどう作っていくか」といったお話はされましたか?

いや、2人とそういう話は意外としていないです。ただ、「タメ口で話そう」と向こうから提案してくれたので、僕は「あっちゃん」「璃子ちゃん」と呼んでいて、すごくよくお話をしています。些細なことでも何でも。

――おふたりの印象に変化はありますか?

あっちゃんはバラエティでも見ていたので、いい意味で印象は変わらないです。お茶目な部分があったり、いろいろ質問してくれたり、優しい一面がたくさんあって。あっちゃんのおかげで楽しく撮影ができてるなっていう感覚はありますね。

璃子ちゃんは、僕はほとんどお芝居でしか見たことがなかったので、意外な一面がたくさんあります。何の話の延長かわからないですけど、3人でよく歌ったりするんですよ(笑)。「おジャ魔女カーニバル!!」とかを歌ってるんですけど、なんだかんだ一番テンションが上がってるのが璃子ちゃんだったりして。年上の先輩ですけど、かわいいなと思える一面ですね。

――塩野さんご自身が、現場にいる時に“こういうふうに居たいな”と心がけていることはありますか?

“こういうふうに居たいな”というのを極力失くすことです(笑)。本当に最近、ちょっと自分のことがわからなくて。あまり無理をして飾らないようにしたいなって。

――今までは気負って臨んでたところが大きかった?

そんなつもりはないんですけど、きっと根付いてるんですよね。僕は自分のことをつまらない人間だと思っているので、自分では気づかないうちにどこかで“作ってる部分”があるのかなと。最近、自分のことを客観視して、そんなふうに感じるようになりました。

――今回はグルメドラマということで、食べながらのお芝居も難しそうです。

いやー、難しいというか大変ですね。たとえば、「もっと美味しそうに撮れるな」というカットがあって「もう1回」となった時に、そのもう1回をすぐに撮り直すことはできないので、料理が出来上がるのを待つ時間が結構あったり。あとは日常の中で起こる会話なので、直立で台詞を言って終わりではなく、食べながらだったり、足を崩しながらだったり、振り向きながらだったり……そういうお芝居がたくさんあります。それから、繋がりも大変ですね。長いシーンの中で(次のカットを撮る時に)「さっき俺、どんなポーズ取ってたっけ?」ということがたくさんあります(笑)。

ご飯に関しては、カットがかかっても、みんなずっと食べてます。すごく美味しいんですよ。「にんじんしりしり」なんて、あっちゃんがほとんど食べてたんじゃないかな。お皿にあったものをすべて食べて、おかわりして、さらにお昼ご飯も「にんじんしりしり」だけを食べるくらい(笑)。みんな食べてますし、僕も毎回ほぼ完食する勢いで食べてます。

――塩野さんの“食へのこだわり”があれば教えてください。

なるべく揚げ物を食べないようにするくらいですかね。食べる時は全然食べるし、特に昼ご飯は結構自由に食べます。ただ、自分で作る時だけは野菜を多めにしようかな、とは思っています。

――得意料理はありますか?

炒めものですね、チャンプルー系。あと最近よく作って便利だなと思うのは、サツマイモをスティック状に切って、バターで炒めてトリュフパウダーをかけて食べる。すごく簡単で美味しいです。

――それは絶対美味しいですね。お料理は好きなんですか?

好きな時もあれば、そうじゃない時もあります(笑)。でも、いろいろ試行錯誤して作ってみるのは楽しいです。

――ドラマには「朝から友達と食べるご飯が美味しい」という台詞がありますが、塩野さんは誰とどんな時に食べる食事が一番好きですか?

食事って、本当にいろいろなシチュエーションありますね。ただ、友達と食事をする時には近況報告をしながら、みたいなことが多いんですよ。僕はそんなに外食する方ではないので、「最近どう?」って他愛ない話をするのも楽しいですし、誰かが頑張っている話を聞いて、すごく勇気づけられることもあります。

――最後に、あらためてドラマを楽しみにしている視聴者にメッセージをお願いします。

毎週『かしましめし』を見ていただいて、美味しいご飯と、繊細に生きる人たちの機微に触れてもらえたら嬉しいです。少しでもみなさんの生活に彩りを与えられるような作品になればいいなと思っています!

(取材・撮影・文:nakamura omame)

<第1話あらすじ>
美大の同級生・トミオの突然の死をきっかけに再会した、千春(前田)、ナカムラ(成海)、英治(塩野)。千春はトミオの元カノ、ナカムラはトミオが所属していた部活のマネージャー、そして英治はトミオの元カレだった……。英治とトミオが付き合っていたことに驚きながらも学生時代と変わらない調子で何気ない会話をする3人。上司のパワハラで心が折れ、デザイナーの仕事を辞めたばかりの千春は、その時、久しぶりに笑うことができた。

一方、ナカムラは社内で付き合っていた婚約者との破談により社内で腫れ物扱いされている。そして、ゲイの英治は恋人とうまくいっておらず音信不通状態……。抱えるものが多い3人は、葬儀で再会して以来、度々千春の家に集まり、一緒にご飯を食べるようになった。この日も「今日行っていい?」という連絡が届く。そこで、千春が用意したのは“包まない餃子”。ホットプレートを囲み、思い思いの具を皮に乗せたアツアツの餃子を湯気の中で頬張る幸せ。それぞれに事情を抱えながらも美味しいご飯を分け合うことで3人は救われていく。そんな中、千春はナカムラと英治にある提案をして……。

スタイリスト:山本隆司(style³) ヘアメイク:礒野亜加梨

衣装:ジャケット ¥308,000-、ニット ¥232,000-、パンツ ¥209,000-、シューズ ¥143,000- 共にAMIRI
問い合わせ先:アミリ / スタッフ△インターナショナル△ジャパン△クライアントサービス Tel:0120-106-067

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