見上愛×青木柚、ドラマ『往生際の意味を知れ!』はこれまでに見たことのない作品「物語に“捕まって”ほしい」

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見上愛さんと青木柚さんがW主演を務めるドラマイズム『往生際の意味を知れ!』(MBS、毎週火曜24:59~/TBS、毎週火曜25:28~ ※両局とも第1話と第2話のみ5分押し)が、3月7日より放送開始となります。

本作は、2020年2月から「週刊ビックコミックスピリッツ」で連載をスタートし、「次にくるマンガ大賞2021」ノミネートや、『アメトーーク!』の「マンガ大好き芸人」での紹介が話題を呼び、緊急重版が相次ぐ米代恭による同名マンガが原作。7年前に失踪した元カノ・日下部日和を信仰的なまでに愛し、今でも囚われ続けるサラリーマン・市松海路を主人公に描く“やり直し”ラブストーリーです。

この度、日和役の見上さんと市松役の青木さんにインタビュー。過激でアンモラルな本作に抱く印象や、映像化する上で意識した点、また市松が日和に執着することで展開していく物語にちなみ、2人がずっと情熱を燃やし続けていることなどを伺いました。

青木柚
青木柚

今作で3度目の共演!お互いの印象は?

――原作または脚本を読んだ感想を聞かせてください。

青木:斬新な展開の連続と、それが猛スピードでスリリングになっていく様に惹きこまれながら読みました。登場人物たちが執着し合っているシリアスな面と、滑稽でおかしな面のバランスが一周回って愛らしいお話だと感じました。

見上:私は原作が発表された当初から読んでいるのですが、「次はきっとこうなるだろうな」と予想していても、毎話必ずそれが裏切られるんですよ。推理要素も含んでいる物語が、すごく面白いと思いながら読んでいました。原作は市松目線で展開しているのですが、脚本は日和の気持ちもわかりやすく提示してくれているんです。突飛な女の子に見えるけれど、ただ真っ直ぐに自分のものを守ろうとしている子なんだという部分が見えて、原作と脚本の違いも面白いと思いました。

――市松と日和を演じる上で工夫していることはありますか?

青木:これまで僕が関わってきた作品・役柄では、リアリティのある“生感”を大事にしながら演じていました。しかし、市松は説明的、マンガ的な話し方をするんです。何かに固執しているオタク気質な面というか、日和に執着しているからこそそういった口調になっているのが市松の個性だと思ったので、その個性とリアルのバランスを大事にして演じました。

見上:私が原作を読んで思った、日和に対する「え、なに?」という気持ちを、映像で見たときに感じてほしいと思いました。なので、青木さんと同じくマンガっぽさ残して、それに加えて一緒の世界に生きている感じがしない温度感、しゃべり方、声のトーン、動きなどを意識しました。逆に、後半にいくにつれて日和の本心が漏れ出てくるシーンが多くなるので、そこでは躊躇せずにしっかり人間味を出しました。その差に注目していただければ。

見上愛、青木柚
見上愛、青木柚

――日和が「市松くんの精子がほしい」と言う場面など、映像化する上でどうなるのか気になるシーンもたくさんあります。

見上:あのシーンは、どのくらいマンガ感を残して、どのくらいリアルな感じを出すのか探り探り演じました。

青木:見ていた印象で言うと、完璧でしたね。見上さんと日和のビジュアルがかなり似ているので、演じなくとも“日和”として存在していられる強さをそもそも持っているんです。なので、ありえないようなシーンも成立させる説得力がありました。

――おふたりは今作で3度目の共演となります。お互いの印象を聞かせてください。

見上:青木さんは信頼できます。

青木:ありがとうございます!

見上:どんな設定の役でも疑わなくて良いというか、「それはそういうもの」と思えるんですよね。そういう力を持っていると尊敬できるのですが、同時に怖くもあって。私がなんとなく演じたら「なんとなくでやってるな」と全部見透かされて、信頼されなくなるのではないかと……。なので、一緒に演じる安心感もあれば、怖さもある人だという印象を持っています。

青木:それはこちらも同じです。見放されてガッカリされたくないという思いもあります。

見上愛
見上愛

――印象に残っている撮影中のエピソードはありますか?

青木:話数通りの順番で撮影できるわけではなかったので、ジェットコースターのように展開するストーリーの中を行ったり来たりするのは、やはり大変でした。僕は前半に重いシーンの撮影が多かったのですが、日和は全てのシーンが山場なので……本当に大変だったと思います。

見上:大変だったね~(笑)。日和と市松の2人のシーンはどこも重たいシーンが多く、どんどん心が追い詰められていったのですが、同世代の方々と撮影が重なった時のほのぼのした雰囲気には救われました。典ちゃん(八幡典子役・樋口日奈)が天使のような空気でいてくれたので「いるだけで癒される!」と助けられました(笑)。

「アトラクションに乗る気持ちで」矛盾した愛が描かれるドラマ

――市松は7年前から日和への情熱的な思いを持ち続けています。おふたりが昔から今でも変わらず情熱を燃やし続けていることはありますか?

見上:私は中学2年生の頃に観劇にハマり、今では立派な“観劇オタク”になりました。

青木:僕はダンス&ボーカルグループに熱中しています。割と詳しい方なんじゃないかな?

見上:割とじゃなくて、すごく詳しいと思う!(笑)。

――青木さんは同じ男性として、一人の女性を思い続ける市松に共感できますか?

青木:僕はあまり何かを長く続けることができないタイプなので、市松のことはすごいと思います。変わらぬ熱量で愛し続けるって、相当ですよね。まぁ、その真っ直ぐさを“異常”と捉えることもできるのですが……。だけど、一つのものをずっと愛せる市松は尊敬できます。

――では、見上さんはずっと思われ続けることについてどう思いますか?

見上:自分もその人のことを好きだったら嬉しいですけど、好きではない人からの好意は怖いですよね。ホラーですよ!「ファンとして」という気持ちならわかります。ですが、恋愛感情をこの熱量で向けられたら、怖いです。

見上愛、青木柚
見上愛、青木柚

――第1話の見どころを教えてください。

見上:第1話は、本当にわけがわからないと思います。しかし、その気持ちを抱えたまま2話以降を見てください。必ず物語に惹きこまれると思うので、疑問を恐れずに抱いてほしいです。

青木:見上さんの言う通り、一度物語に“捕まって”みてほしいです。この作品の手を掴んだら、振り回されることもありますが、これまで見たことない面白い感覚が得られると思います。

――最後に、放送を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

青木:純粋なのか歪んでいるのかわからない、矛盾した愛情が描かれた作品です。こういう愛もあるんだという目線を持って、アトラクションに乗る気持ちで楽しんでください。

見上:登場人物それぞれに大事にしているものがあって、そのために手段をいとわない人たちが集結し、そのせいで物語が複雑に絡み合って余計にややこしいことになる……という物語です(笑)。面白い作品に仕上がっていますので、是非身を委ねて見てほしいです。

(取材・文:米田果織)

■見上愛
ヘアメイク:豊田健治(資生堂) スタイリスト:下山さつき(クジラ)
トップス/¥44,000 パンツ/¥33,000/1、2共にグリードインターナショナル
チョーカー/¥50,600/プリュイ
その他スタイリスト私物

グリードインターナショナル トウキョウストア
TEL:03-6721-1310
SNS:@greed_tokyo

プリュイ トウキョウ
TEL:03-6450-5777
SNS:@pluiehair

■青木柚
ヘアメイク:Toyoda Yousuke(ROOSTER) スタイリスト:小笠原吉恵(CEKAI)
カーディガン/¥28,000 プルオーバー/¥27,000 シューズ/¥19,000 すべてzucca(A-net Inc. 03-5624-2626)
パンツ¥28,600/DISCOVERED(03-3463-3082)

<第1話あらすじ>
「元カノと結婚したい――」と公言する、市役所勤務の市松海路(青木)の前に7年前に別れた元カノ・日下部日和(見上)が突如現れた。

出会いは8年前……大学時代、映画監督をしていた海路は、後輩・榊田正史(三山凌輝)と参加したあるパーティーで、日和と出会う。ひと目見た瞬間から熱烈に惹かれた海路と晴れて恋人同士となるも……付き合って1か月経ったある日、突如別れを切り出されてしまう。

そして……7年経った今でも日和を忘れられず、恋焦がれ……いつか戻ってくるのではないかと、引っ越しもしていなかった海路だったがある日、落雷により自宅が全焼。日和との思い出の品はすべてが灰になり……生きる希望を失った海路は、自殺を試みるが、まさにその時! 日和から電話が来ることで、人生が大きく変わり……!?

久々に会った日和から言われたのは、「市松くんの精子が欲しい」という衝撃の一言だった! 日和が現れた本当の目的とは?

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