広瀬アリス、初ラブストーリーでイメージ脱却「どんどん変えていかなきゃ」

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広瀬アリスさんが主演を務めるドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ・フジテレビ系、毎週月曜22:00~)の第2話が、4月25日に放送されます。

本作は、恋に本気になれない6人の男女が織りなす群像ラブストーリー。広瀬さん演じるこじらせ女子・桜沢純が、松村北斗さん(SixTONES)演じる“来る者拒まず去る者追わず”主義の危険なイケメン男子・長峰柊磨と出会うことで物語が動き出します。

プライム帯連ドラ初主演、そして恋愛ドラマ初挑戦となった本作に、広瀬さんはどのような思いで臨んだのでしょうか。そして、約9年ぶりの共演となる松村さんとの撮影エピソードについても聞きました。

初のラブストーリーに挑む広瀬アリス
初のラブストーリーに挑む広瀬アリス

――初めてのラブストーリーだそうですね。

これまでこんなにがっつりしたラブストーリーは経験がなかったので、苦手意識がすごくありました。初めは大丈夫かなと思ったんですけど、あとから柊磨役が北斗くんになったと聞いて、知らない人と「はじめまして」でやるよりは、少し気持ちが楽なのかなと思いました。

――今の年齢とキャリアで、恋愛ドラマに初挑戦という心境はいかがですか?

年齢を重ねると役が広がりもしますけど、今までやってきた役ができなくなったり、狭まったりする部分もあります。なので、自分の幅を広げるためにも、まずはやってみようと。それに女優としてのイメージは、私の意思とは関係なく見ている方が持つものなので、「どんどん変えていかなきゃな」という思いもありました。“広瀬アリスはこういうイメージだ”というものをあまり作りたくないんです。今はコメディの印象が強いと思うので、だからこそ真逆の役をやるのはいいなと思いました。

“裸の心”でのぶつかり合うとても人間臭いドラマ

――作品の印象についても聞かせてください。

いい大人たちが本気の恋に落ちていくストーリーは、私の年齢からすると少し恥ずかしいこと。ですが、この作品は“裸の心”でのぶつかり合うというか、とても人間臭いドラマだと思いました。前向きに生きようとするけれど、時には立ち止まって後ろを向いて、少し落ち込んだりもして。それでも、「不器用ながらも生きていく人間っていいじゃん!」と背中を押してくれるようなメッセージが込められていると感じました。

――恋愛だけに寄っているストーリーではない、というわけですね。

そうですね。もちろん恋愛が軸にはなりますが、仕事にもフォーカスを当てていますし、成長物語でもあると捉えています。

初めてのラブストーリーはハグの仕方で試行錯誤

――初めての恋愛ドラマということで、ふだんの撮影との違う部分がありますか?

あります! ハグの仕方とかどうしたらいいのかわからなくて、メイクさんに「私だったらこうする」と実際にレクチャーしてもらいました(笑)。できないというより、どうやったら綺麗に見せられるか。見え方ってすごく大事だと思うので、いろいろと試行錯誤しながらやっていました。

――クランクアップする頃には慣れましたか?

まったく慣れず……しかも、最後は西野七瀬ちゃんと飯豊まりえちゃんとの女子会シーンの撮影だったので、あまり「恋愛したぜー!」という感じで終わることもなかったです(笑)。

――(笑)。演じる純は“こじらせ女子”というキャラクターですが、最初にご自身がイメージされた純から、演じる中で変化はありましたか?

単純に第1話はすごく勝ち気というか、強くて自立している女性だと思いました。ただ、柊磨と出会うことで丸くなっていったり、いろいろな表情が見えてきたり。その変化を大きく見せていきたいなと思っていました。だから第1話だけを見たら、あまり好かれないキャラクターかもしれないです(笑)。続きを見ていただけたら、純の魅力が伝わると思います。

役作りで意識したこととは?
役作りで意識したこととは?

――役作りについて、ふだんと変えたような点はありましたか?

新しく変えるようなことはなかったです。いつも通り、役と向き合って、自分の中で自分と会話しながら。とりあえず私ができることは終わったから、あとは現場で完成させよう、といった感じでした。

――ご自身の中で、ある程度キャラクターを作ってから現場に臨んだということですか?

4割くらいで、雰囲気だけです。固めていくと、本当にそれ以外できなくなってしまうので。言葉は覚えるけど、台詞として感情まではガッチリ決めないようにしています。

――今回は広瀬さん演じる“恋なんて人生のムダ”という純、西野さん演じる“情熱より安定”という清宮響子、飯豊さん演じる“愛もお金ももらう側がいい”という真山アリサという、タイプが違う3人の女性が描かれますが、広瀬さんご自身は誰に一番共感できますか?

共感だけでいうと、やっぱり自分が演じた純かな。ただ、似てるかと言われたら全然似てないです(笑)。純は合理的な子で、自分の機嫌は自分で取るし、ムダのない人生を送っている子。私もわりとムダが苦手なので共感できるんですけど、“人生のムダ”という話になると、私にはまだそこの区別がついていなくて(笑)。なので、純の言ってることは理想ですね。長台詞を言いながら、「わかるわぁ」と思っていました。

――松村さんとは『黒の女教師』(TBS系)以来、約9年ぶりの共演です。

私と北斗くんは地元が一緒で、本当に地元の先輩・後輩みたいな関係性なんです。第1話の柊磨がテリーヌを切ってお皿の上に置くシーンは一見簡単そうなんですけど、テリーヌが意外とベタついて、うまく外すのが大変で。(顔は映らない)手元の寄りのシーンとはいえ実際に北斗くんが全部やっていたので、本番に一発で決めて「おっ」と顔を見合わせたときに、「よくやったな」「うぃっす」みたいな“先輩・後輩感”が出ていたと言われました(笑)。

台本を読んだときから「北斗くんは柊磨だな」

――松村さんの俳優としての魅力についても教えてください。

ご本人はそう思っていないかもしれないですけど、きちんと力を抜くことができる方だし、一瞬で空気がガラッと変わるというか……巻き込んでくれる方です。変えるのではなくて、巻き込む。台本を読んだときから「北斗くんは柊磨だな」と思っていましたが、本読みのときに「本当に柊磨がそこにいる!」と素直に思いました。現場ではふざけ合いもしたけれど、本番直前になると柊磨の空気をスッと持ってきてくれるので、北斗くん任せで1クールやらせていただきました。

――具体的に助けられたシーンはありましたか?

第1話でセンチメンタルになっている純が、たまたま柊磨に会って、初めて自分の過去や思いを話すシーンは印象的でした。とてもハードなスケジュールの中での朝一の撮影だったので、自分の中でいろいろと限界だったんです。でも、その限界を良い緊張感に変えてくれたのが北斗くんでした。

――改めて、お相手が松村さんで良かったということでしょうか。

本当に良かったです。安心して撮影ができました。

――では、最後に視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。

恋愛は、人の雰囲気や空気感を変える一番のエッセンスだと私は思っています。なんとなく気持ちが晴れないときも、「恋愛も悪くないな」と前向きになれるドラマだと思うので、憂鬱な月曜日の楽しみになれば嬉しいです。

(取材・撮影・文:nakamura omame)

<第2話あらすじ>
失恋した桜沢純(広瀬)は、「泣いていいよ」という長峰柊磨(松村)の胸で激しく泣きじゃくるが、翌日になると、やさしい言葉にほだされて弱みを見せた自分が急激に恥ずかしくなる。そのうえ、偶然にも同僚たちと「サリュー」でランチをすることになり、純は柊磨の顔をまともに見ることができない。

その夜、真山アリサ(飯豊)と清宮響子(西野)を呼び出し、柊磨に抱きしめられ部屋に誘われたことを報告していると、高校時代のラクロス部の元チームメイト・大津浩志(戸塚純貴)から電話がかかってくる。今は地元・福岡のホテルで働いていて出張で東京に来ていると話す大津と合流した一同は、久々の再会に盛り上がる。なかでも純と大津は昔から妙に気が合い、純にとっては居心地のいい相手。恋愛の可能性を全く感じさせない“安心安全男子”としてみんなに親しまれていた大津だったが、実は純に対して秘めた思いがあるようで……。

一方、アリサはパパ活相手の田辺良和(アキラ100%)に約束をドタキャンされ、イライラしていた。いつも立ち寄るコンビニの店員・内村克巳(岡山天音)が自分に好意を寄せていると気付いたアリサは、田辺に「おわびに」ともらった万札を突き出し、「今夜私につきあって」と家に誘う。

純は大津の頼みで、近々開かれる同窓会の幹事を手伝うことになり、会場となる「サリュー」を訪れる。そこでもあくまで「恋愛なんていらない」と主張する純に、柊磨は失恋の傷を癒すために自分と“お試しの恋”をしないかと持ちかける。話を聞いたアリサは、初体験を済ませるためにも渡りに船だと大賛成。「アイツだけはダメ!」と拒否する純に、だったら大津はどうかと響子が提案する。

そんな波乱含みの同窓会の場で、響子は偶然、シェフの岩橋要(藤木直人)と2人きりになる。

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