日本の問題はすべて「老害」。ひろゆき×藤野英人が”日本経済に足りないもの”を徹底討論

公開: 更新: テレ東プラス

株価を下げてでも売るという判断が政治家には出来ない。政権が倒れてしまうので、構造的に多分無理(ひろゆき)

成田「政府という壁は崩れる気配が全くないわけですよね? 大企業を守りたい日本という国の体質というものが変わる根拠はあるんですか?」

藤野「例えば、今回経産省が東芝に対してかなり寛容的なことをしていたと。要は、外国人株主に対して相当圧力をかけていたというような第三者委員会の報告書が出てきました。それを見ると、日本って変わってないなというところと、日本が持っている陰湿な体制が明るみになったなということがわかると思うんです。昔からそうだったんだけど、今回違うのは、それが"表沙汰"になったということ。
もう一つ、経産省や金融庁にしてもそうなんだけど、明らかに2種類いるんですよ、今。変えなきゃいけないという改革派と、守旧派の人たち。10~20年前は全部守旧派だった。全部市場を支えて、古い日本経済をそのまま支えればいいというような人達ばっかりだった。でも今は、金融庁にも改革派・市場派という人たちが結構いるし、経産省にもいる。明らかに大きな変化が出てきていると言えます」

ひろゆき「すごく悪い状態から良くなってるというのは、僕も同意します。ただ、それが完全に良くなってから株価が上がりますならいいんですけど、まだダメなのに?」

藤野「それは反対。株価というのは、完全に良くなっているという時にはもうすっ高値になっている。株価は良くなる兆しから上がっていくので、それは違うかもしれない」

井村「少しずつ宝の箱が、今開いてる状態なんですよ。バリュー株と言われている中に、たくさんキャッシュを抱え込んでいる日本株が数多くあるんですね。ガバナンスが効いてないから還元もしないし、キャッシュを貯めるだけでマーケットに流れてこないお金だったんですけど、アクティビストや経営側も"もっと能動的に価値を上げていかなきゃいかん"というムードが高まってきている。少しずつ宝箱が開いているような状態になっているので...」

藤野「僕は、ひろゆきさんと見ている世界は実はそんなに変わらなくて、評価のところが多少違うだけなんですよ。今いいのかというと、ダメですと。じゃあそのウエイトのところが、改革派が沢山かっていうと違います。この評価は、多分全然変わってない。
ただこれが、さらに開いてくのかっていうところに関して見ると、僕は開く方に賭けている。でも、そこはひろゆきさんが言う通り、開くスピードが、ある程度等比級数的に上がっていかないと、日本はオワコンのままなんですよ」

ひろゆき「僕はその宝箱を開ける野心のある人達がいるのはいいと思うんですけど、アメリカの年金財団やってますみたいな人達が日本でそれをやるかっていうと、『やっぱ日本は危ないよな』っていう風にしかならないと思うんですよ」

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ひろゆき「で、それを誰が決めているかっていうと、官邸が決めてますと。政府が決めてます、政治家が決めてますでいくと、先ほどの年金買いまくり問題とかって、じゃあもう年金が『株価買うのやめます』っていう判断ができる政権って、今後日本で成立するはずがないと思ってるんですよ。だってそれ言ったら、株価絶対下がるじゃないですか。年金が株価の買い支えやめますとか言ったら絶対下がるので、自分の政権のうちはそれ言わないっていうのをずっとやり続けているので、徐々に保有率が上がっていってるわけじゃないですか。これ政治で改善するの、僕は不可能だと思うんですよ」

井村「今、足元の日銀の買いっていうのはかなり減っていて、明確に。そこらへんは徐々に買う量は減らしていって、どこかで出口の議論がされるように、かなり誘導されていると自分は思いますね」

ひろゆき「出口の議論で、"俺がじゃあ出口で今度売ります"と言える政治家や首相が存在するかっていう話です。『減らさなきゃいけないよね、今株価が上がってるから買い支えを減らしましょう』は全然いいと思うんですよ。ただ、いつか手放さないといけないじゃないですか。手放すという判断をした政治家って、必ず株価が下がるのでバッシングされて、政権倒れるじゃないですか。構造的に多分無理だと思うんですよ、判断が」

井村「売るとしても株価にあまり影響が出ないようにウエイトを減らすという方法も多分あって...。実際、購入量とかは減らしているし変わってきてはいるので」

ひろゆき「減るのはいいんですよ、株価が維持できる中で減るのは誰しも判断できるんですよ。ただ、いつかは手放さなければ、最終的に"市場に出回っている株のほとんどが日銀と年金が持っています"になっちゃうじゃないですか。株価下げてでも売るという判断が、普通の政治家だったら出来ないよねっていう話なんですよ」

井村「今、『買うのを減らしています』というところまで来ていて、次に『買うのをやめます』まで多分どこかで来るんですよ。その後は『売ります』ってなると思うんですけど...」

ひろゆき「『売る』にはならない。自分の政権のうちに売るって判断ができる政治家がいない。だって、支持率は必ず下がりますよね」

藤野「でも、時価総額が上昇したら比率が下がるので...。本当に売らなきゃいけないのかっていうと、それは分からない」

井村「そもそも持っていていいんじゃないかという...」

藤野「僕が思うのは、さっきの東芝の件も、今までそういう働きかけをしてたってことが表に出なかったんです。でも今回、表に出たんですよ。それはめちゃくちゃ大きい話ですよね」

後編となる#4では、【ひろゆき×藤野英人】「日本よりアメリカに投資した方がよくないですか?」をおくる。「日本はもっとバカにされるような存在にならなければならない。先進国世界での"珍味"の濃度を高めるべき...」成田の発言の真意とは?

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#4が見たい方はコチラ

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