竹財輝之助 SNSが炎上してもいい?“クズ夫”を演じる覚悟

公開: 更新: テレ東プラス

長年、別の女性ともう一つの家庭を築いていた夫…そしてついに、不倫相手が妊娠!
松本まりか演じるサレ妻・みのりの復讐劇を描くドラマプレミア23「夫の家庭を壊すまで」(毎週月曜夜11時6分)。

第1話の見逃し配信再生回数が200万回超え、第2話の見逃し配信再生数(放送後1週間)が”テレ東歴代1位”を記録したこの夏一番の話題作だ。

「テレ東プラス」は、みのりを裏切り、何食わぬ顔で二重生活を続ける夫・勇大役の竹財輝之助にインタビュー! “クズ夫”を演じる思いから貴重なプライベートまで、話を聞いた。

【動画】竹財輝之助出演!「夫の家庭を壊すまで」最新話

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勇大はバイタリティーのあるクズ男


――竹財さんはクランクインする前に「メンタルが大変なことになりそう」という公式コメントを出していましたが、撮影が進んでみての感想は?

「実はつい最近、メンタルが壊れかけました(笑)。久しぶりに現場から逃げたくなりました。みのりが妄想の中で勇大を責めるシーンは本当に怖かった…。でも、僕より、みのりを演じる松本さんの方が大変なんですけど」

記事画像▲第3話より

――15年もの間、みのりと不倫相手の理子(野波麻帆)の間で二重生活を続けている勇大を、竹財さんはどのように捉えていますか?

「バイタリティーのある人間じゃないとできないことなので、ある意味すごいなとは思います。でも、やっていることはクズですからね。最初は抵抗があったかもしれないけど、彼は二重生活がおかしいとも思っていないので、罪悪感なく2つの家庭を行き来して、うまく回しているつもりでいる。松本さん、野波さんが助けていただきながら、平然と2つの家庭を行き来する勇大を演じています。でも、正直共感はできないですね。意味が分からないです(笑)」

――みのりの前で嘘がバレそうになるシーンもありますが、その時のリアクションで意識していることは?

「基本的には、勇大の内面を表に出さないようにしています。ドラマなので、ある程度は勇大の動揺を見せた方がいいんでしょうけど、実際は出さないものだと思うんですよ。その辺りのバランスは監督に委ねていて、少し出した方がいいというオーダーがあれば、調整しています」

――この先、勇大が本当の思いをぶちまけることがあるのでしょうか?

「勇大がこうなってしまった原因は明かされますが、共感はしてもらえないんじゃないかな? ただ彼にとって、すごく重要なことではあります」

記事画像▲第4話より

嫌われるのは、役者として本望


――みのりを演じる松本まりかさんの印象をお聞かせください。

「役者として尊敬しています。緻密で丁寧に感情を積み上げていきますし、本番での集中力がすごい方です。大変なシーンだと、カットがかかった後、みのりの感情が残っているなと感じることはありますが、普段はとてもフラットな方。どうやって切り替えるのか、聞いてみたいですね。精神的に追い詰められる厳しい役なので、演じるのは大変だと思います。原因は、僕なんですけどね(笑)」

――勇大のような“クズ夫”を演じると、視聴者に嫌われてしまう怖さもあるのかなと想像します。

「僕は、勇大を演じていて楽しいですよ。視聴者の方に嫌われるくらい役を全うできたら本望ですし、そこまで入り込んで見てもらえることがありがたいです。僕のXが炎上するくらいはいいのかな? と…いや、やっぱり叩かれるのは嫌だな(笑)」

――このドラマは不倫を題材にした復讐劇で、登場人物の感情や欲望が生々しく描かれています。俳優としてそうした過剰な感情を演じることは、やりがいや面白さにつながるのでしょうか?

「演じている瞬間は本当につらかったり、逃げたくなったり、殺してくれとか(笑)思う瞬間もあるんですけど、不思議な高揚感があって、終わった後にまたやりたくなるんですよね。筋トレと同じなのかな? 自分自身を追い込んで、後に残ったものが良ければ、またやりたいと思う…そういう魅力はあります」

――精神的にも肉体的にもハードな撮影期間中、竹財さんはどのように気分転換していますか?

「僕の場合は料理です。おいしいものや食べたいものを食べたい時に食べる。これが一番の気分転換かもしれないですね」

――竹財さんは、料理上手なことでも知られています。

「休みの日は、基本的に僕が家族のご飯を作ります。家族は褒めてくれるんですけど、単純に僕の自己満足、リラックスできるからやっているだけなんですよ。ちなみに昨日は、カニを11杯さばきました。カニが2㎏届いたので、3時間かけてカニの身をひたすらほじりました(笑)」

――11杯も! 大変でしたね。

「楽しかったですよ。料理以外では写経もやります。細かい作業で無心になる状態が好きなのかもしれないですね。料理も、簡単なものは作らないんですよ。カレーも3日かけて作りますし、ラーメンも、食材を仕入れて鶏ガラを洗って、スープ作りから始めます。我ながら“面倒くさいことやっているな”とは思いますが、集中できるからいいんですよね。家族に作る時は、何を食べたいか聞いてから仕込みますが、『おいしい』と言ってもらえると、やっぱりうれしいですね」

「こんな役をやらせたら面白そうだな」と想像してもらえる役者であり続けたい

――竹財さんは2004年に俳優デビュー、今年で20周年を迎えましたが、ご自身で節目を意識されることは?

「今の僕にとっては通過点でしかなくて、役者としてはまだまだですし、“たった20年”だなと思っています」

記事画像▲第4話より

――お芝居の魅力をどこに感じていますか?

「飽きないんですよね。演じることに変わりはないけど、仕事の場所も違うし、一緒に仕事をする人も違う。若い役者さんも出てくるし、先輩方は年齢を重ねて芝居が変わっていく。そういう変化を見ていると楽しくて」

――次々と役が決まり、2つの作品が同時進行する場合もあると思いますが、膨大なセリフを覚えるのは大変ですよね。

「むしろ、作品が続いている時の方がセリフの入りがいいんですよ。年を取ってきている証なのか、1カ月ぐらい空いて次の作品に入る時ってセリフが全然入らなくて。作品が続いてずっとセリフを覚えていると、脳も働き続けているから、覚えやすいのかもしれないですね」

――作品ごとの切り替えはどうしていますか?

「そんなに苦労していないかもしれません。事前の役作りはガチガチに固めないタイプなので、現場に入る時はフラットな状態なんですよ。現場でスタッフさんや共演者の方が助けてくれて役が出来上がっていくので、そこに甘えさせてもらっています」

――今後、やってみたい作品や役柄はありますか?

「最近、少し変わった役を演じさせてもらいましたが、これからも沢山、いろいろな役を演じたいです。自分で言うのも何ですけど、イケメンと呼ばれる部類だとは思うので(笑)、そこを崩すことで、楽しんでもらえたらうれしいです」

――現在44歳、50代に向けて意識することは?

「基本的に演じることが好きですし、どんな役でも仕事は断らないので、そのスタンスは今後も変わらないでしょうね。でも、50代になった時に体力が落ちていたら怖いので、今から体を動かしておかないと(笑)。『こんな役を演じさせたら面白そうだな』と想像してもらえるような役者であり続けたいですね」

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【竹財輝之助 プロフィール】
1980年4月7日生まれ。熊本県出身。「仮面ライダー剣」(2004年)で俳優デビュー。主演作に「劇場版ポルノグラファー〜プレイバック〜」、ドラマイズム「年の差婚」など。「にぶんのいち夫婦」、「部長と社畜の恋はもどかしい」、「寂しい丘で狩りをする」、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」など、出演作多数。「そんな家族なら捨てちゃえば?」にも出演中。待機作に「Shrink-精神科医ヨワイ-」がある。

【第4話】
中間試験のご褒美としてデートをする渉(野村康太)とみのり(松本まりか)。渉を騙すことに罪悪感を持ちつつも、夫・勇大(竹財輝之助)の事を詳しく聞き出そうとする。なんと渉は自分の母親と勇大の不倫のことを知っていた。しかも「そんなに不倫ってダメなことですか」と語る。そんな渉に対しみのりは思わず、衝撃的な発言をぶつけてしまう…。一方、渉とみのりの接触に理子(野波麻帆)も危機感を募らせ、大胆な行動を起こす。

(取材・文/伊沢晶子)