朝ドラでも注目の俳優・醍醐虎汰朗が連ドラ初主演!学生時代は意外にもスカしてた!?

公開: 更新: テレ東プラス

 

歪な青春の衝動を描く、ドラマ24「シガテラ」(毎週金曜深夜24時12分)。「行け!稲中卓球部」「ヒミズ」「ヒメアノ~ル」などで知られる古谷実氏のベストセラー漫画をドラマ化。いじめられっ子の高校生・荻野優介を演じる醍醐虎汰朗さんにインタビュー。学生時代は、意外にも!?

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もっと大恋愛しておけば…


――クラスメイトにいじめられ地獄のような日々を送っていた主人公・荻野に、ある日突然幸せが訪れたものの、実はその陰で…という青春サスペンス。原作や脚本を読んで感じた作品の魅力は?

「最初に監督がおっしゃったテーマ“コメディ・エロ・バイオレンス”に、荻野の彼女になる南雲さんの圧倒的なヒロイン像が加わって、面白い世界観が出来ていると感じました。誰しもが経験したことのある初恋のうぶな感じなど青春ドラマっぽさもあって。初めて彼女ができて動揺しまくっている様子や、初めてのキスにドキドキして平常心ではいられないところなど、『わかるっ!』と共感してもらえるんじゃないかと思います。

でも、好転したと思った人生がどんどん良くない方向に転び、後半の“バイオレンス”要素に繋がっていきます。非情な現実を突きつけられるような展開ですが、そこもまたこの作品の面白さだと思います」

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――荻野役は「自分とはかけ離れたキャラクターで戸惑った」とおっしゃっていましたが、どんなところに戸惑いを?

「ほぼ全部なんですが(笑)。まず、僕はイジメを黙って受け入れるタイプではなく、何かしらの反撃をすると思うので、最初は荻野にもどかしさを感じました。でも、演じるために理解しようとする中で、合点がいく部分があって。荻野はイジメをただ受け入れているわけではなくて、反抗しても変わらないなら受け流して他に楽しみを見出そうとしているんじゃないかな、と思ったんです。

嫌なことから“どう抜け出すか”ではなく、“抜け出せないなら別に楽しみを”という発想に、なるほどなと感心しました。正解は人それぞれだと思いますが、荻野みたいな発想もあるんだな、と。イジメっ子は軽い気持ちでやっていると思うけど、やられている方はどんな思いなのか…このドラマを観ることで、それに気づくきっかけになれたらうれしいです」

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――現在22歳の醍醐さんにとって、荻野の言動はどう映っていますか?

「“まだまだ若いな”と達観できるほどではないですが、自分の周りで起こっていることが“この世のすべて”という感覚になるのは学生時代ならではだと思いました。大人になって社会人になると他にやるべきこと、考えることが増えてきて、自分中心の世界ではいられない。自分の中で帳尻を合わせて、周りの人とうまく付き合っていくことが求められます。荻野たちのように自分のことだけに一生懸命でいられるのは、うらやましさもあります。僕も、あの頃、変にひねくれたりスカしたりしないで、素直になって大恋愛しておきたかったなと思いました(笑)」

――ひねくれたりスカたりしていたんですか?(笑)

「そうなんですよ。男友達とは『ウェ~イ!』と楽しくやっていたけど、女子に話しかけられても『あ、別にいいんじゃない』みたいにそっけない返事をしていました。男ならみんな少なからずあると思うけど、とにかくモテたかったんですよね(笑)。でも話しかけ方もわからないし、話しかけられてもどう返事していいかわからない。でもかっこつけたい。

憧れていたGACKTさんのマネをして、ピチピチのTシャツに超細身のジーパン、先のとがった靴で、サングラスをかけて、ゆっくり歩いて、ゆっくり話していました(笑)。それが僕にとっての“かっこいい男像”だったんです。その結果、友達からは『GACKT』って言われてました」

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――結果、モテましたか?

「残念なことに、それほどでした。GACKTさんファッションのおかげで多少大人っぽく見られたので、話しかけてくれる子もいたんですが、気の利いた返しができないんですよ。“『おぅ』しか言わないやつ”みたいになっていました(笑)。GACKTさんだからかっこいいのであって僕には合っていないんだと、だんだん気づいてきて。今はさっさと歩くし、さっさと話します(笑)」

全裸シーンも体当たり


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――古谷実先生ワールドの独特な言い回しだったり、異様なテンションだったり、荻野を演じる上で、いつもとは違うお芝居も求められそうですよね。

「そうしたセリフが独特な世界観を表現しているので、そこは大事に演じようと思っています。クランクインして3日目くらいまでは、監督も含め“本当にこのテンションでいいんだろうか…”と試行錯誤していましたが、きれいにハマった瞬間があって。それ以降は違和感なくテンションを爆発させています。ゾーンに入ると迷いなくいけますね」

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――あとモノローグも多いですよね。

「そうなんですよ、台本だとセリフよりモノローグの方が多いくらいで。現場で撮影しながら『実際に口に出して言っちゃおう』となることもありますね。そこにもコメディの勢いを感じます。モノローグも含めるとセリフ量が多くて、日々セリフとの戦いです」

――テーマが“コメディ・エロ・バイオレンス”なので、高校生らしい“エロ”も出てきますよね。そんなシーンの撮影前には、どんな準備を?

「荻野が全裸で廊下を走ったり体育座りをするシーンは、すでに撮影しました。やっぱり緊張しましたね。目の前の大勢のスタッフさんはプロだから普段通りなので、僕もプロとして平然とした顔をしていました。…が、内心は恥ずかしかったですね(笑)。

撮影はこれからなんですが、後半にはラブシーンもあります。よく俳優さんが“ラブシーンは普段の姿が出る”とおっしゃっているし、監督からも『手のつなぎ方が自然すぎる』『荻野にとっては初めてのキスだから、慣れてちゃダメだよ』なんてイジられたりしているので、いろんな意味での緊張がありますね(笑)。荻野にとっては1つ1つが初めての大事な出来事なので、そこを意識しながら演じたいと思います」

――全裸シーンの撮影前に体作りなどしましたか?

「逆パターンの体作りをしてます。実は腹筋バキバキなんですが、荻野のキャラクターには合ってないので、水を飲んでお腹をボヨンとさせるように努力をしています。物語が進むにつれて成果が出てくるはずなので、ぜひそこも注目してください(笑)」

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――新海誠監督の映画「天気の子」で主人公の声を演じられて以来、映画「カラダ探し」、舞台「千と千尋の神隠し」のハク役、朝ドラ「舞いあがれ!」など話題作の出演が続き、今回の「シガテラ」で連ドラ初主演。環境の変化や、ご自身の意識の変化などを感じることはありますか?

「環境の変化は大きいです。『天気の子』で名前を知ってもらえるようになったものの、コロナ禍の影響で1ヵ月以上お仕事が空く時もあって。今はありがたいことに継続して作品をやらせてもらえて、睡眠時間がゆっくりとれない生活を初めて経験しています。体力的にきつい時もありますが、“俳優として頑張りたいのに頑張れる場所がない”という気持ちを抱えていたしんどい時期を思えば、ありがたく幸せな状況です。

こうした環境の中で、自分に“プロ意識”が明確に芽生え始めたのも感じています。これまでは“好きだからお芝居をやる”という感覚でしたが、今は自分のポジションや役割を考えて現場での立ち振る舞いができるようになりました。同世代が多い現場だったらムードメーカーになれるよう鼓舞したり、少しでも現場の役に立てるよう意識するようになりました。まだまだ年齢もキャリアも浅く役割を果たせてない部分も多いと思いますが、今回は初めての連ドラの主演ということで、明るい現場作りを精一杯頑張りたいと思っています」

――頼もしい座長です! ドラマ楽しみにしています。


<衣装>
シースルーシャツ (fEEL)
アシンメトリーシャツ (Mizuid)
その他スタイリスト私物

ヘアメイク:カスヤユウスケ(ADDICT_CASE)
スタイリスト:MASAYA(ADDICT_CASE)

(撮影/uufoy 取材・文/伏見香織)

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ドラマ24「シガテラ」第1話は?

第1話
平凡で冴えない高校生・荻野優介(醍醐虎汰朗)は、友人の高井貴男とともに同学年の谷脇からいじめられていた。地獄のような高校生活だが、荻野は今、いじめなんてどうでもよくなるほどバイクに夢中で教習所に通っている。さらには、密かに想いを寄せている同じ教習所に通う南雲ゆみ(関水渚)とも急接近!南雲の友達・田島を通して連絡先をゲットする。一方、止まないいじめに耐えかねた高井は谷脇への復讐を着々と進めていた。

【プロフィール】
醍醐虎汰朗(だいご・こたろう)
2000年9月1日生まれ。東京都出身。2017年、舞台「弱虫ペダル」一般公募オーディションで主人公・小野田坂道役(3代目)に選ばれる。新海誠監督の長編アニメーション映画「天気の子」(2019年公開)のオーディションで2000人の中から主人公・森嶋帆高役に選ばれ、注目を集め、舞台「千と千尋の神隠し」ハク役、主演映画「野球部に花束を」(2022年公開)、「カラダ探し」(2022年公開)、連続テレビ小説「舞いあがれ!」(NHK)などに出演。「シガテラ」(テレビ東京系)で連ドラ初主演を務める。
Twitter:@daigokotaro
Instagram:@ daigo_kotaro

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