領域や騒音”ご近所トラブル”の相談はどこにするべき?NG行動とは?

公開: 更新: テレ東プラス

「隣の家の木の枝が庭に侵入し、大量の花びらが...」「近所に住む大学生のオンラインゲームの絶叫で夜も眠れない」「アパートの隣人がゴミを片付けないため、自分の部屋にGが出る」など、ご近所トラブルに遭遇したことがある人は全体の何割? 人間関係が希薄になった今、近隣トラブルで悩まされている方もいるのでは?

「テレ東プラス」は、Yahoo!ニュースを通じて、全国の10〜60代以上の男女2000人に「ご近所トラブル」に関するアンケートを実施(2023年1月13日)。結果を受け、「ベリーベスト法律事務所」杉山大介弁護士にアドバイスをもらった。

「ご近所トラブルに遭遇したことはありますか?」との設問に対し「はい」と答えた方は42.9%。「はい」と回答した方に「どんなトラブルだったか」を調査すると以下の結果に。「騒音」「ペット」「領域」問題が上位を占めたが、自由回答では「駐車場」におけるトラブルも多く見られた。

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「どんな対応をしたか」という問いに「直接話した」と答えた方は17.7%、「町内会に相談した」「警察に相談した」と答えた方は共に5.9%。「弁護士に相談した」と答えた方はわずか1%にとどまった。

「ご近所トラブルにより、ご自身やご家族に何か変化はありましたか?」との問いに「はい」と答えた方は19.9%と想像以上の割合に。

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さらに上記のグラフの通り、「健康被害があった」と答えた方は13.6%、「引っ越しをした」という方は5%にもの上る結果となった。

当事者同士が接触してしまうと、トラブルがさらに深刻化する場合も

――今回のアンケート調査で「ご近所トラブルに遭遇したことがある」という方は42.9%でした。「直接話してしまった」という例が多く見受けられましたが、このような方法は問題ないのでしょうか。

「アンケートを拝見し、これはちょっと気をつけた方がいいなと感じました。ご近所トラブルに限らずですが、やはり当事者同士で接触してしまうと、トラブルがさらに深刻化するというケースは十分考えられます。感情的な対立が進み、今までのさまざまな不満が噴出してしまうと、これはもう収拾がつかない。こんがらがった糸のような状況に陥る可能性があるので、当事者同士でぶつかり合うのは大変危険。あまりおすすめできません」

――もしも直接話し合いをする場合、「これは絶対にやってはいけない」というNG行動はありますか?

「相手に近づきすぎないことですね。"直接話してうっかり手が触れた"となると、警察沙汰になってしまうことも。あとは、絶対に1人で行かないこと。証拠提供の際に協力してくれそうな方を同伴して、話し合うことをおすすめします。会話を録音することも問題ないですよ」

gokinjo_20230223_03.jpgPIXTA

――当事者同士の話し合いはあまりおすすめできないとなると、やはり弁護士や管理事務所に相談することが一つの手段になりますよね。アンケートでは警察に相談した方もいました。

「そうですね。管理事務所や大家さんは管理する立場にあるので、居住者同士の揉め事に関して相談するのは一つの選択肢ではありますが、結局やれることは、人を通しての話し合いなんですよ。警察に関してはそもそも範疇外なので、相談しても無駄に終わることが多いと思います」

――実際、法律事務所に相談するというケースは多いのでしょうか。

「ご近所トラブルに関して、弁護士として事件化する案件というのは、意外と少ないと思います。解決に至るまでの費用を支払うとなると、依頼者にとってかなり負担が大きくなってしまうからです。とはいえ、どのような状況でどの程度の対応が望ましいかは相談していただかないと分からないので、まずは弁護士に相談してみても良いと思います」