船越英一郎、山村紅葉、西村まさ彦、高島礼子、名取裕子、内藤剛志と、サスペンスドラマ界のレジェンドたちが夢の競演を果たす、超豪華な刑事ドラマが誕生。
秋元康が企画・原作を手掛けるドラマプレミア23「警視庁考察一課」(毎週月曜夜11時6分)を放送中!
現場の状況から妄想を膨らませ、事件のあらましを勝手に考察するのが彼らの仕事。被害者は誰に、なぜ殺されたのか? そして彼らはどんな考察を話すのか!?
個性豊かなクセの強いベテラン刑事たちの考察が時にぶつかり、時に二転三転していく...。果たして最後に見えてくる真実とは...?
レジェンドたちが出演した"名作ドラマのパロディ要素"も見どころのひとつだ。
「テレ東プラス」では、10月24日(月)に放送された第2話「生配信!学習塾立てこもり事件」の内容をプレイバックする。
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大東京警察署・考察一課...それは、現場へ行かずに捜査する考察専門部署。
ある日のランチタイム、考察一課では考察官の山村楓(山村紅葉)、西村まさ雄(西村まさ彦)、高島誠子(高島礼子)、新人考察官の藤井龍(藤井流星)がそれぞれ昼食を食べている。
西村がカレーとご飯の配分に頭を悩ませていると、藤井が「ご飯を先に片付けるように、カレーのルーを少なめにしたらどうです?」と提案。しかし西村は、「少ないおかずで白米を食べているようで、貧乏くさい」となおも考え続けている。
「昼ごはんももっと考察しながら食べろってことですね」
「何でも結びつけるな」
「そんなことより、例の顔面タトゥー連続殺人事件なんだけど。過去の犯罪をあたってみたところ、一つ興味深い事件があった」
やりとりを遮るように、高島がテーブルに資料を置く。"顔面タトゥー連続殺人事件"とは、ここのところ考察一課が追い続けている未解決事件。殺された被害者の額に、三角、四角、丸のタトゥーが彫られた怪奇事件だ。
「8年前の深夜、帰宅途中の中年のサラリーマンが、路上で何者かにバールのようなもので殴られ、死亡した未解決事件があった」
その事件現場の写真を見せる高島。遺体の脇に、チョークで三角、四角、丸が描かれていると説明すると、「チョークって何ですか?」と藤井。
「そうかあ。藤井くんたちの世代は、もう黒板じゃないのね」
「ホワイトボードにホワイトボードマーカーだもんね」
「はい」
「つまりだ。顔面タトゥー連続殺人事件の犯人にせよ模倣犯にせよ、この三角、四角、丸の殺人に関わった犯人は、ある一定の層より上の世代ってことだ」
「チョークを使えるくらいのね」
「となると、やはり誰かへのメッセージ?」
そこに考察官の名取悠(名取裕子)が「ごめ〜ん、仕事が押しちゃって」と入ってくる。
「刑事ドラマの監修をしたご縁で、今度、京都を舞台にした検事のドラマに出ないか? って...」とうれしそうに話す名取に、「おいおい、うちの課だって人手が足りないんだぜ」と返す西村。
「まあ、考察だったら京都にいてもできるしね」
「ただでさえ、京都には内藤さんがいるんだ。京都キャラは2人もいらないだろ~」
今度は捜査一課長の柳沢慎三(柳沢慎吾)が部屋に飛び込んできた。考察一課と捜査一課は犬猿の仲。柳沢は部屋の中を見回すが、考察一課長の船越慶一郎(船越英一郎)が見当たらず、「船越はどうした」と尋ねる。
「崖巡りじゃないですか?」
「もう...日本中の崖に行ったって、追い詰めるホシなんかいないんだよ。そういう情緒あふれるヤマもなくなっちまったんだよ」
「事件ですか?」
「ああ、ホシの意図がわからないんだ。至急考察してくれ」
「被害者は?」
「まだ出ていない。だからその前に、犯人が何を考えているのか考察してほしい」
捜査一課が煮詰まっているという事件は、"受験の神様"として人気のNewtuber"しのしの"こと篠宮倫太郎(才川コージ)が、現在進行形で起こしている立てこもり事件。
篠宮は、東京・代々木にある学習塾「エイガク」で全国模試トップ10の小学生を相手に特別授業の生配信を行っていたが、その小学生を人質に立てこもり、子どもたちの両親に、生配信を通して総額10億円の身代金を要求しているらしい。
「一人頭、1億ってことか」
「Newtuberなのに、やってることが昭和の事件っぽいわよね」
「身代金なんて言葉、久々に聞いたわ」
「それもわざわざ現金って...」
「あれ!?」
事件の中継を見ていた高島が、何かに気づいてテレビに駆け寄る。
「これ、船越さんじゃない?」
「規制線のこっち側にいるよ。あれじゃ野次馬の一人だよ...」
「規制線を越えようとして、警察官に怒られてますよ」
「よっぽど現場に行きたかったのね...」
「やだ、あのコート...いつも崖で着ていたコートじゃない?」
テレビ画面に哀れみの目を向ける一同。柳沢は「捜査一課長の俺がここにいて、考察一課長の船越が現場にいるってどういうことなんだよ!」と動揺する。
「禁断症状...あるのよね、たまに。現場に出ていた頃の自分がフラッシュバックするらしい」
「......」
「柳沢さんが仰ってた『犯人の意図がわからない』っていうのは?」
気を取り直して、事件の話に戻る高島。
「普通の人質立てこもり事件なら、犯人の要求の中には、必ず車とかヘリコプターとか、逃走経路に関するものがあるだろ?」
「しかしこの犯人は、10億円の要求しかない」
「篠宮は、人質の子どもたちと今も一緒にいるんだよ。その周りは警察が包囲している。いったいこいつは、どうやって脱出するんだ?」
「共犯者がいるね...」
最初に生配信が行われたのは20分前。篠宮は、指定された時間内に受け渡しができなかった場合、『生徒たちを殺す』と宣言して教室に籠城。まだ犠牲者は出ていないが、警察が不審な動きをしたらすぐに人質を殺すと言っているため、手を出せない状況だ。
そこに、考察一課の管理官・徳永りえ(徳永えり)が書類を持ってやってきた。
「お待たせしました! エイガクが入っているビルの見取り図と、周辺の地図です」
「ドローンは?」
「スタンバイはしていますが、被疑者に感づかれる恐れがあるので、上層部の指示待ちです」
「特殊急襲部隊、SATは?」
「所定の位置につきました。上層部の指示待ちです」
柳沢はイライラしながら「何でもかんでも、上層部の指示を待たなきゃいけねぇのかよ! 一刻を争う事件なんだよ。現場の判断で行動しちゃいけないのか!?」と吠える。
しかし、徳永が平然と「現場の判断で行動してはいけないか、上層部の指示を仰ぎますか?」と答えたため、カッとなった柳沢は「俺はこれからトイレに行く。しかも"大"の方だ! 上層部の指示なんか待てるか」と宣言し、部屋を出て行った。
「事態は一刻を争います。被疑者の狙いを考察して、最悪の事態を未然に防ぎましょう」
一同が考察の準備に入る中、思いつめた様子の藤井。
「子どもたちの命がかかってると思うと...」
「いいか藤井くん。これだけは覚えておけ」
颯爽とジャンパーを羽織る西村。
「犯罪はあやとりだ。犯人が作ったあやとりを刑事がどう取るか? だ!」
と、謎の決めゼリフを言ってみせる西村だった。