仕事をやめたい...充実感がない...「50代以下の仕事の満足度」を徹底調査!専門家が説く”逆転の発想”

公開: 更新: テレ東プラス

コロナ禍でリモートワークが広がり、「通勤が減って仕事が楽になった」という声が多く聞かれる反面、「リモートワークだとコミュニケーションが取りづらい」「出社しないとモチベーションが保てない」などの声もあり、職種や個々の人間性によって、働き方に対する悩みは、さまざま。今、日本人の働き方は、大きな転換期を迎えていると言っても過言ではない。中には「コロナを機に、転職を考え始めた」という人も...。

manzokudo_20221010_01.jpgケイーゴ・K / PIXTA

そこで「テレ東プラス」は、Yahoo!を通じて、50代以下を対象に「仕事の満足度に関する調査」を実施(2022年8月1~2日)。アンケートの結果を踏まえ、専門家に話を聞いた。

「今の仕事を辞めない理由」を聞くと、「家計のため」「転職が面倒」などの声が多数

「あなたは仕事をしていますか?」との問いに「はい」と答えた方は84.7%。「今の仕事に満足していますか?」との問いでは、「はい」と「いいえ」が半々に近い形で分かれ、「コロナ禍を経て、仕事に対するモチベ―ジョンや価値観に変化はありましたか?」との問いに「はい」と答えた方は54.5%と半数以上を占めた。

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雇用形態は上記のグラフの通りで、正社員雇用の人は半分に満たない結果に。


「希望の職種に就けていますか?」との問いには45.6%の人が「はい」と回答。この設問に「いいえ」と答えた方に「それでも、今の仕事を続けている理由」を問うと、グラフのような結果になった。

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一方、「希望の職種に就けている」と答え方に「今の仕事に対してイメージと違うと感じますか?」と聞くと、「はい」と答えた方は約3割。「それでも仕事を辞めない理由」を聞くと、「家計のため」「転職が面倒」などの声が多く挙がり、「転職を考えている」と答えた方は、わずか14.2%にとどまった。

さらに「転職を考えている人」たちに「次の仕事先に求めるものは?」と聞いたところ、「収入」「人間関係や福利厚生」と答えた方が多く、「勤務形態(リモートワークを含む)」と答えた方はわずか4.4%。

この結果と、回答者からの質問や疑問を受け、「UZUZ」専務取締役・川畑翔太郎さんにインタビュー。コロナ禍での転職事情や仕事のモチベーションを保つためにはどうしたらいいのか、転職に成功する人の条件や職を選ぶ際のポイントなど、日々の仕事の満足度を向上させるためにはどうしたらいいのか...リアルなアドバイスをもらった。

コロナの影響がなく安定している職種や、むしろプラスが出ている業界に転職した人は多い

――コロナ禍になり、リモートワークも増えた今、転職事情も変わったのでしょうか?

「そうですね。コロナ前は売り手市場で、求職者の立場が強く転職も容易でしたが、コロナ禍によって採用枠が狭まり、一気に企業優位に反転しました。コロナ禍初期の2020年頃は、"新卒採用をどうやって実施するか""そもそも新卒を採用するか"などかなり混乱していましたが、2021年にはオンライン面接やリモートワークがある程度普及し、2022年にはオンライン面接が主流に。オンライン面接が普及したことにより、就活の地域格差もなくなりましたし、企業にとっても、様々な業務フローのオンライン化が一気に進んだ点では良かったのかなと思います」

――エントリーする側としては、なかなかオンライン面接を受け入れづらい部分もあるかと思います。オンラインで人柄や魅力は十分に伝わるものなのでしょうか。

「若い世代には、オンラインでのコミュニケーションの方が慣れていて、逆に"対面の方が緊張してしまう"という方が多くいます。オンラインでも人柄は十分伝わりますし、若い世代にとっては、すでにスタンダードになってきているので、自然と採用する側や転職活動をしている上の世代も、オンライン形式に合わせていかざるを得ません。今後"デジタル老害"にならないためにも、時代に合わせて自分の見せ方を変えていくスタンスが重要です」

――「一気に企業優位に反転した」というお話でしたが、新型コロナの影響で、企業側の採用人数は減っているのでしょうか。

「たしかにコロナ禍直後は、全ての業種の採用人数がガクンと落ちました。そこから採用活動を完全に止めてしまった業種と再開した業種に分かれますが、その違いは、コロナ禍が業績にどのように影響を与えたか。ITや物流など、コロナ禍により業績が大きく伸びた業種は、すぐに採用活動が再開されました。特にIT分野はここ1年ほどで採用人数がすさまじく伸びており、コロナ以前よりも多くなっています。
その一方で、コロナ禍やウクライナ問題による景気後退により、業種によっては採用が減ってしまったという状況も。結局のところ、採用は景気に連動しているのです。」

――景気後退により、「仕事を辞めるのが怖くて転職できない」という傾向もありますか?

「その傾向は確かにあると思いますが、2021年頃は、『このまま今の業種にいていいのか』という逆の怖さもあったようです。例えば、観光、飲食業などは、コロナ禍で明らかに業績が落ち込みましたよね。飲食業で働いていたフリーターの方はシフトも入らず、生活が困窮しました。そうした理由により、コロナの影響がなく安定している職種や、むしろプラスの影響が出ている業界へ転職された方は多いですね」

――コロナ禍により、就職浪人する若者も増えているのでしょうか?

「2020年は、就職活動自体が途中でストップしてしまったので、『来年には落ち着いているだろう』と就職浪人した方は多かったですね。ただ、基本的に僕は、就職浪人には否定的です。就職活動をすることだけに、1年という貴重な時間を使ってしまうのはもったいなさすぎるからです。
就職浪人する人は、どこか終身雇用的な考え方があり、最初の就職は絶対にミスできないと思ってしまっている。ただ、まだ知識も不十分で、自分の適性判断もできていない学生の時点で仕事を選んでいるわけですから、やっと希望の職に就けたとしても、理想のキャリアとズレてしまうことが大半です。
就職浪人するにしても、実際に会社に入って1年間社会人をやった方が視野も広がるし、自分の適性も少しは判断できるようになります。社会人としての職歴、スキルも手に入るので、選択肢が増える可能性すらあります。なので、僕個人としては、就職浪人することはあまりおすすめできません」