円安は間もなく終わる?金融政策のブレーンが大激論!

公開: 更新: テレ東プラス

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元日本経済新聞記者であり、現在はTwitterフォロワー38万人(※8月時点)を誇る人気経済ジャーナリスト・後藤達也さんが司会を務める経済番組『あつまれ 金融の森』
外から見るとよくわからない、でも中を見ると様々な生態系がうごめいていて、知れば知るほど面白い金融の世界ーーー。後藤達也さんが"森の案内人"として皆さんをナビゲートする。

今回のゲストは業界の大ベテランである超大物!"ミスター円"こと榊原英資さん"ミスターアベノミクス"こと本田悦朗さん。中枢で日本の金融政策を決めてきた超大物2人を迎え、為替相場ともうすぐ10年のアベノミクスの行く先について大激論! 円安・日本経済の停滞・消費増税の功罪などの裏話を語り尽くすーーー!

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"ミスター円"と"ミスターアベノミクス"

まずは今回のゲストをご紹介。1人目は元大蔵省官僚で"ミスター円"の異名を持つ榊原英資さん。まさに円安を語るにはピッタリの異名。2人目は元内閣官房参与で"ミスターアベノミクス"の異名を持つ本田悦朗さん日銀総裁人事にも影響力を持っており、日本の為替相場を語る上で超重要人物である。
今回はこの重鎮2名と後藤さんで、止まらない円安をメインテーマに置きつつ、直近10年の日本経済を語る。

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約50年ぶり!?歴史的な円安状態

まずは大きな円安要因の1つと言われている『日米金利差』の図。米国10年債利回りは上昇しているが、日本10年債利回りはほぼ横ばい状態であることがわかる。
この金融政策の差によって、円よりもドルが買われており、円安ドル高を助長していると考えられている。

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続いては対ドルだけではなく、ユーロや人民元など日本円以外のあらゆる通貨との価値を物価上昇率も加味して示している『実質実効為替レート』の図。

上に行くほど円が強く、下に行くほど円が弱いというグラフだが、現在は1970年代前半と同水準であることがわかる。つまり対ドルだけではなく、世界的に見ても「約50年ぶりの円安」という歴史的な弱さだと言える。

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日本企業の海外進出が増え、円安のメリットよりもデメリットが増加!

歴史的な円安になっていることはデータでも明らか。十数年前は「円安は輸出に有利なので日本経済にプラス」ポジティブなイメージがあったが、最近では「悪い円安」という言葉も耳にする。果たして、今の円安は「本当に悪いのか? 何が悪いのか?」をゲストに伺う。

"ミスター円"こと榊原さんは「良い悪いの判断は難しいが・・・」と前置きをしつつ「かつては円安は輸出にプラスであったが、日本企業の国際化が進んでくると円高の方がメリットがある」と、既に海外拠点を多く抱える日本企業にとっては、円安のメリットが小さくなっていることを指摘。

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また、かつて元米財務長官ロバート・ルービン氏が「強いドルはアメリカの国益」という言葉を残したそうだが、同じく「強い円は日本の国益」という状況になりつつあるそうだ。

榊原さんは「日本企業の海外進出に伴い、円安のメリットよりもデメリットが増えている」と補足。デメリットが増えているということは、やはり悪い円安ということだろうかーーー。