円安は間もなく終わる?金融政策のブレーンが大激論!

公開: 更新: テレ東プラス

続いて本田さんは「為替レートには人格がないので良いも悪いもない」と金融ジョークからスタート。
本田さんといえば“ミスターアベノミクス”。本田さん曰く、アベノミクスは、2013年に黒田東彦さんが日銀総裁に就任してから本格的に開始したそう。そして、そのアベノミクスが開始する直前は、1ドル76円という超円高状態だった。

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当時の超円高は日本企業を酷く苦しめていたため「大胆な金融緩和」「機動的な財政出動」「民間投資を喚起する成長戦略」の3つの矢をアベノミクスとして実施することで、その打開を目指したという背景があるそうだ。

アベノミクスの結果もあり、現在は円安の状況になっており、特に直近では、世界的なドル高も後押しして円安が加速していることは本田さんも認める。一方で「悪いと言われているのは物価高であってその原因は円安だけではない」と主張。小麦やエネルギーの高騰はウクライナ侵略などの要因の方が大きいと補足した。

急激な円安は事実だが、円安だけが悪いわけではなく、むしろ円安は良い面もまだまだ多いという立場のようだ。

この円安はいつまで続く?

続いて「円安はいつまで続くのか」という疑問を後藤さんが投げかける。榊原さんは「米国が2年連続マイナス成長となると金融緩和に向かう。一方で日本は成長となると局面が変わる」と米国と日本の経済状況を比較した上で「円高の方向に為替が展開する可能性が極めて高い」と予想。

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本田さんは、円安歓迎派ではあるが「150、160円にはならない」と主張。「140円にタッチすることはあっても米国の経済状況もあり、130円台前半後半の行き来が続く」と予想した。

重鎮2名はこれ以上の円安は無いという意見で一致したが、円安はまもなく終わるのだろうかーーー。

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日銀の金融緩和政策はどうなる?

視点を変えて、国内の金融政策の話題に。日銀の金融緩和政策が円安を助長し、日本経済を停滞させているという意見も巷では聞かれる。この意見についてお2人の見解を確認することに。

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日銀と近い関係にある本田さんは「その意見は正しくない」と真っ向から否定。「そもそも金融政策は為替レートを変動させる目的ではない」と関連付けそのものが間違っていると説明する。金融政策は国内経済の安定を目的に行うものであり、為替レートを理由に変えるものではないとのこと。つまり、円安を止めるために金融緩和を止めることは考えられないという立場を示した。

一方の榊原さんは「来年春の黒田総裁の任期満了までは金融緩和を続けると思うが、次の人事と経済の局面次第ではどうなるかはわからない」と含みを持たせた回答を。

ここから話題は黒田日銀総裁が行ってきた金融政策について。任期=アベノミクスであったとも言える黒田総裁の金融政策は、日本経済にどのような影響を与えたと振り返ることができるのかーー。ほぼ当事者である超大物たちの反省点とは!?

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※番組情報
【後藤達也MC】ミスター円・ミスターアベノミクスが激白!! 為替とアベノミクスのゆくえ【榊原英資・本田悦朗】

司会:
後藤達也(経済ジャーナリスト)

出演:
榊原英資(経済学者)
本田悦朗(経済学者)

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