「言ったでしょ?あなたの指示に従いますって」下着姿のセレブ妻は自分から口づけし...:雪女と蟹を食う

公開: 更新: テレ東プラス

【3行まとめ】
・ドラマ24「雪女と蟹を食う」第1話「死にたい男とセレブ妻」をプレイバック
・冤罪で全てを失い、人生に絶望した北は命を絶とうとするが、あと一歩が踏み出せずにいた
・グルメ番組を観て「蟹を食べてから死ぬ」と決意した北は、高級住宅街に住む人妻に狙いを定め、家に押し入り、金を要求するが...

「重岡くんの切ない憂いのある表情がいい!」「ベッドシーンもどんどん濃厚になっていくのかしら? 楽しみ!」と早くもSNSで話題。
毎週金曜深夜0時12分からはドラマ24「雪女と蟹を食う」(主演:重岡大毅 ジャニーズWEST)を放送!

「テレ東プラス」では、第1話「死にたい男とセレブ妻」をプレイバックする!

※下記ネタバレあり

凶悪なほど蝉が鳴く、夏のとある日。空にはむくむくと入道雲が広がっている。

yukikani_20220714_01.jpg
(昔は入道雲を見ると、胸の底からワクワクと何かが込み上げてきた。でも、今はなぜか、憂鬱になる一方だ...)

カップ麺やスナック菓子の残骸が散らばる畳の部屋で、北(重岡大毅)は天井の梁にかけた首吊り用のロープを見上げる。外からは蝉の声と共に、子どもたちが遊ぶ楽しそうな声が聞こえてくる。

「今すぐ首をくくって、あのガキどもを黙らせてやる。この部屋を、未来永劫語り継がれる事故物件にしてやる...」

立ち上がり、ロープに首をかける北。目からとめどなく涙があふれ、自分を鼓舞するが、どうしても思い切ることができない。

「馬鹿にしやがって...!」

しばらく葛藤した後、「もう少し待つか、もうちょっとだけ...。ごめんなさい、ごめんなさい...」と泣きじゃくりながら、再び畳の上に寝転んだ。

カップ麺を食べながらテレビをつけ、金を数える北。残金は2万254円。

「どうせなら、全部使い切ってから死ぬか...」

と、広げていたスポーツ新聞の"人妻デリヘル"の広告に目を留める。

「デリヘルか...。呼べないこともないけど、なんで人妻なんだよ」

新聞を放り投げると、テレビから「おいしそう〜!」という声が。北海道を特集しているようで、女性アナウンサーが蟹を食べながら食リポしている。カップ麺を食べる手を止め、画面に見入る北。

yukikani_20220714_02.jpg
「俺、そういえば蟹食ったことない。蟹食わないまま死ぬのか...」

画面に映し出される蟹を見ながら、ゴクリと喉を鳴らす。

「決めた。人生最後の日は、北海道で蟹を食べる!」

図書館にやって来た北は、インターネットコーナーで北海道について調べる。一番安い飛行機で行っても1万5000円。残り5000円とすると、ギリギリ蟹は食べられそうだ。
しかし、観光ページを見ているうちに、海鮮丼やジンギスカン、すすきのにも行ってみたいと次々欲が湧いてくる。

(どうせ死ぬんだし、消費者金融で借りパクして豪遊すっか)

そんなことを考えていると、白いワンピースを着た雪枝彩女(入山法子)が通り過ぎた。どこか世俗から離れた美しいその姿を、目で追う北。

(不思議だ。もう死ぬと決めているのに、欲求が増大していく...。キリがない。蟹以外は断ち切るんだ)

そう心に決めて館内を歩いていると、彩女とぶつかってしまう。衝撃で倒れ込む彩女に、北が「すみません! 大丈夫ですか?」と声を掛け、彩女はコクリとうなずいた。ふと見ると、左手の薬指に高そうなダイヤの指輪が光っている。

yukikani_20220714_03.jpg
彩女は散らばった本を拾い上げ、去って行った。

(人妻か...金持ってそうだな。いいよな。汗かいて働かなくても何にも困らねぇ。人生楽勝だろ)

(あのダイヤで、蟹何匹食えるのかな)

帰宅する彩女の後をつけ始める北。彩女の家は豪邸で、駐車場には真っ赤な外車が停まっている。玄関の鍵を開け、家の中に入ろうとする彩女に「あの」と声をかける北。

「さっき図書館でぶつかって...。これ、落としましたよね?」

北は握った手を差し出す。しかし、開いても手の中には何もない。

「え?......!!」

そのまま彩女の口を塞ぎ、家の中へ押し入る北。

「指輪を渡せ! 素直に渡したら、乱暴はしない」と言うと、彩女はゆっくり正座をし、冷静な表情で北を見据える。

yukikani_20220714_04.jpg
「申し訳ありません。この指輪は差し上げられません。ただ、それ以外のことはあなたの指示に従います」

「指示...? だったら金を出せ。現金だ」

「分かりました。お金は500万、金庫にあります。銀行に行けばもう500万はすぐにご用意できるかと」

「ああ...」

「どうぞ、お入りください」

家に入るよう促す彩女に、訳が分からずついて行く北。警戒しながらたどり着いたのは、寝室だった。北はキョロキョロと辺りを見回す。

(なんでいきなり寝室? そうか、ここに金庫が...)

すると服が床に落ちる音がして、振り返る北。彩女が下着姿になっており、絶句する。

「言ったでしょ? あなたの指示に従いますって」

「いや、俺は何も...」

(これは罠だ......!)