竹農園を営むアメリカ男性が、京都の伝統的なたけのこ栽培に感動!意外な竹の活用法も:世界!ニッポン行きたい人応援団

公開: 更新: テレ東プラス

続いては、コロナが収まったらすぐにでもご招待したい! 「ニッポン行きたい人応援団」をお届け。

紹介するのは、アメリカ・カリフォルニア州に住む、「鯉のぼり」を愛してやまないボニーさん。

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江戸時代に始まったとされるニッポンの鯉のぼり。端午の節句に、子供の厄除けとして武士が兜や鎧を飾ったのが、現在の五月人形の始まり。それとともに、幟(のぼり)や旗を飾り、男児の立身出世を祈ったそう。この風習が庶民に広まると、幟に縁起物を描くように。中でも、鯉の滝登りが出世の象徴として人気の絵柄となり、現在の鯉のぼりへと発展しました。

大正時代までは父を表す黒い真鯉と子供を表す緋鯉だけでしたが、1964年の東京オリンピックをきっかけに、五輪のマークにあやかった青や緑の鯉のぼりが誕生。さらにマンションの増加などに伴って、室内に飾る「鯉飾り」も作られるように。

アニメ制作会社で働くボニーさんは、鯉のぼりが大好き。自宅の天井からは2mを超える巨大な鯉のぼりが吊るされ、他にも家中に70匹以上の鯉のぼりがあるそう。

ニッポンにはまだ一度も行ったことがないボニーさん。9歳の時、ロサンゼルスの日本人街で初めて鯉のぼりを見て以来、その虜に。「汚れた沼でも生きられる鯉は、ニッポンでは生命力の強さをあらわす縁起の良い生き物とされています。鯉のように強く立派に育ってほしい。そんな親の愛情を鯉のぼりで表現した、日本人の発想力に感銘を受けました」

鯉のぼりと出会って30年。ボニーさんが鯉のぼりに夢中になったのには、もう一つ理由があります。実は14歳の時、背骨に深刻な病気が見つかり、大手術と1年間の入院を経験。病室に鯉のぼりを飾って、つらい闘病生活を乗り越えたのです。

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「鯉のぼりは私の命の恩人でもあり、人生を変えてくれた存在なのです」。鯉のぼりが好きすぎるあまり、4年前から鯉飾りを自作。アメリカで鯉のぼりを広めようと、友人や子供たちに配っているそう。

鯉飾りの作り方を見せてもらうと、まずは生地に下描きをしていきます。「ニッポンの職人さんにはとても及びませんが」と話すボニーさん、実は世界的映画製作会社のドリームワークスで、「シュレック フォーエバー」などの制作に携わった経歴が! それでも鯉のぼりを描くのは簡単ではないそう。

「ヒレの大きさが難しいんです。体に対してどのくらいが良いのか。伝統的な鯉のぼり職人さんに会ったら、どんなことに気をつけて描いているのか、ぜひ聞いてみたいです」

現在ニッポンで、手作りで鯉のぼりを作る職人は10人ほど。12色ほどの顔料を使い分け、線の太さやかすれ具合で力強さを表現。1.5mの大きい鯉のぼりの場合、5日がかりで仕上げるそう。

続いて取り出したのは、メインの生地。いつかはニッポンの職人のように、手描きで本物の鯉のぼりを作りたいそうですが、今は鯉飾りを作るので精一杯。地元の手芸店で見つけた和柄の布を、下描きに合わせて切り抜き、縫い合わせます。こうして半日かけて作ったパーツに綿を詰め、縫い合わせること1時間。40種類の布を使い、のべ13時間かけて鯉飾りが完成!

鯉のぼりの風習をアメリカにも広めたいと情熱を注ぐボニーさんには、ニッポンでどうしても訪れたい場所がありました。

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それは、鯉のぼりの川渡し発祥の地・高知。高知県では、毎年4月から5月中旬まで、四万十川を挟んだ山に綱を張り、500匹もの鯉のぼりを空に泳がせる川渡しが行われています。カツオの一本釣りで知られる黒潮町では、真っ青な魚が泳ぐカツオのぼりの川渡しも。子供の成長を願い、4月下旬から5月上旬まで、カツオのぼりと鯉のぼりを合わせて100匹が泳いでいます。

他にも、ニッポンでも有数の鯉のぼりの生産地、埼玉にも行きたいそう。鯉のぼりの生産が盛んな加須市では、毎年5月3日に、全長100m、重さ330kgの世界一大きな鯉のぼりを大型クレーンで吊り上げるイベントが開催されています。

「ニッポンで本物の鯉のぼりが見られたら、私の人生にもう悔いはないです。鯉のぼり祭りに行って本物の鯉のぼりをたくさん見たい! 職人さんに会って鯉のぼり作りの技術を学びたい! ニッポンに行きたい!」

そんなボニーさんに、後日ニッポンへのご招待を伝えたのですが……新型コロナにより、残念ながらご招待できない状況に。

あれから2年。引っ越した新居には、この2年でニッポンから取り寄せた30匹の鯉のぼりが! 鯉のぼり愛は止まらず、超巨大鯉飾りを5日がかりで作ったそう。

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「コロナが収まったらニッポンに行きたい!」

ボニーさん、1日も早くニッポンにご招待できることを願っています!

インターネットの動画を参考に、自己流の技術で曲げわっぱを自作

続いて紹介するのは、アメリカ・ケンタッキー州に住む、「曲げわっぱ」をこよなく愛するブレンダンさん。

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曲げわっぱとは、杉や檜などの薄板を筒状にして、木の皮で留縫いしたニッポン伝統の器。特長は、木目と優雅な曲線の美しい見た目。おひつや弁当箱として使うと、木製なのでご飯から出る余分な水分を吸収し、最後の1粒までご飯は立ったまま。材料として多く使われている杉の木には殺菌効果があり、ご飯も傷みにくいのです。

曲げわっぱの歴史は古く、始まりは弥生時代とされています。平安時代の遺跡から出土した曲げわっぱは、ほぼ今と同じ形。現在、海外で注目されているニッポンの「BENTO」の中でも、曲げわっぱを使う人が増えているそう。

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ブレンダンさんの曲げわっぱは、全て手作り。曲げわっぱには杉の薄板と桜の樹皮を使いますが、アメリカでは手に入りづらいので、本体はオーク、樹皮はヒッコリーを使っています。

ブレンダンさんが曲げわっぱと出会ったのは、26歳の時。きっかけは、当時取り組んでいた、木を曲げて作るコップの製作でした。当時のブレンダンさんの技術では、金属を使わないとコップを作れませんでしたが、金属は避けたいと考えていたところ、友人がニッポンの曲げわっぱを教えてくれたのです。

「曲げわっぱはシンプルですが、ハイレベルな木工技術が詰まっています。本当に素晴らしいです」。

まだニッポンには一度も行ったことがなく、インターネットの動画だけを参考に、独学で作っています。

作り方を見せてもらうことに。まずは筒状になる部分の材料作りから。ウィスキー作りの樽にも使われている、ホワイトオークという木材をカット。板状にした木材を、カンナで1cmほどの厚さに削り、平らになるよう加工します。

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次に板を曲げますが、温めて柔らかくする方法は、動画では詳しく分からなかったそう。ちなみにニッポンでは、一晩水につけた板を、曲げる直前に80度のお湯に4時間浸します。一方、別の動画で板を温めることだけ理解したブレンダンさんは、試行錯誤した結果、スチームボックスを使うことに。

椅子の脚などを曲げるために使うスチームボックスは、ブレンダンさんの手作り。壁紙を剥がす時に使用する道具から蒸気を引っ張り、箱の中を90度以上の高温にします。そして板を蒸すこと20分、この後板を曲げる道具も、動画では詳しく映っていませんでした。

その道具は、ゴロと呼ばれる杉材の型。熱々の板を、ゴロにぐるりと巻きつけて曲げるのです。ここでもブレンダンさんは、動画を参考にして道具を自作。板が熱いうちに、輪切りにした水道管に巻きつけ、すぐさま留め金をかけて固定し、2日間陰干しに。すると、しっかり筒状になりました。こ筒に装飾を施し、底板をはめこんだら完成!

自己流の技術でカバーしながら、これまで10個以上の曲げわっぱを作ったブレンダンさん。

「曲げわっぱ職人の仕事を実際に見れば、少しでも本物に近づけると思います。ニッポンに行って、本場の職人さんから曲げわっぱについて学びたいです! ニッポンに行きたい!」

しかし、新型コロナにより、話が進んでいたニッポンご招待も延期せざるを得ない状況に……。

あれから2年。ブレンダンさんは、ニューヨーク州にお引っ越し。曲げわっぱ作りを続け、技術を磨いているそうです。

曲げわっぱを愛してやまないブレンダンさん、1日も早くニッポンにご招待できることを願っています!

月曜夜8時からは、ゲストにトラウデン直美を迎えて、月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団」“ご招待で人生変わっちゃった!”を放送!

「ニッポンで“玉子焼き”作りを学びたい」
モロッコのイルハムさんは「築地山長」と「銀座寿司幸本店」で“甘い玉子焼き”の作り方を学ぶ。さらに、四角い玉子焼き鍋を求め、「中村銅器製作所」へ。銅製で使いやすい鍋の製造工程を見せてもらう。そして、関西風「出し巻き」作りを学びに京都へ。秋篠宮ご夫婦も通う創業110年「丸太町十二段家」でその極意を目の当たりに!帰国後、イルハムさんの玉子焼き作りが驚きの進化を!

「日本製“バーベル”好きで住んじゃった」
ニッポン在住13年、ギリシャのパッパスさん。1964年の東京オリンピックで公式バーベルに採用され計6回のオリンピック大会で公式バーベルとして採用されている“ウエサカ”。そんな「ウエサカ」を愛するあまり、従業員として入社!現在は工場長として日々「ウエサカ」ブランドの普及に尽力している。さらに、ウエイトリフティングのメダリスト三宅宏実さんが登場!知られざる絆が!