【3行まとめ】
・ドラマ「寂しい丘で狩りをする」第3話をプレイバック!
・みどりは久我に執拗にヌード撮影を迫られ、敦子もまた押本に狙われていた
・そんななか久我は、みどりの留守中に部屋を訪れ、敦子と鉢合わせしてしまう
毎週金曜深夜1時53分からは、ドラマ「寂しい丘で狩りをする」を放送!
原作は、芥川賞作家・辻原登による同名小説。男性に傷つけられた女性2人が絶望の淵から立ち上がり、希望をつかもうと現実と向き合う姿を描いたクライムラブサスペンスだ。
「テレ東プラス」では、第3話の内容をプレイバックする!
探偵の桑村みどり(倉科カナ)は、野添敦子(久保田紗友)の依頼で、7年前の強姦事件の加害者である押本忠夫(丸山智己)の出所後の動向を追っていた。みどりは、押本の復讐に怯える敦子にかつての自分を重ね、危険を顧みず調査に没頭していく。
そんな中、みどりの前に元交際相手で執拗なストーキングを繰り返すカメラマン・久我健二郎(竹財輝之助)が現れ、ヌード撮影を強要。もしも断ったら、久我との過去を恋人の浅野龍平(平山浩行)にバラすと脅される。
◆
押本は、すでに敦子の自宅を突き止めていた。そして突然、勤務先から帰宅した敦子の前に現れ、「殺してやる!」と追いかけ回す。必死に逃げ回り、路地裏にたどり着いた敦子。なんとか振り切ったと思ったが、背後には押本の姿が...!
「!」
恐怖のあまり声が出せない敦子。すると通行人が通り、警戒した押本は敦子の耳元で何かを囁き、去って行った。
◆
「さっきはごめんね」
同じ頃、みどりは浅野の部屋にいた。先ほどまで2人はレストランで食事していたが、その場に久我が現れたのだ。みどりは久我について「前に仕事で一緒になった人」と説明したが、とてもそうとは見えない。
「みどりのせいじゃない。これからは、俺がみどりを守るから」
「ありがとう...」
浅野はキッチンに行き、冷蔵庫からケーキを取り出す。みどりの誕生日を祝うサプライズだ。しかしその時、みどりの携帯が鳴る。敦子からの着信だった。
「はい、桑村です」
「押本が家に来て...」
「大丈夫ですか? すぐに行きます!」
電話を切ったみどりは、サプライズのケーキを見ることもなく、慌てて浅野の家を出て行くのだった。
自分の部屋に敦子を招き、話を聞いたみどりは警察に通報しようとするが、「それだけはやめてください!」と敦子に制止される。押本が去り際、「通報したら殺す。何度捕まっても何度でも出てきて、お前を殺す」と囁いたというのだ。
「私は押本に殺されるしかないんでしょうか...」
「私が必ず敦子さんを守りますから。しばらくこの家にいて下さい。この家なら押本もすぐには見つけられないはずです」
「ありがとうございます!」
「私の仕事はまだ終わっていませんから」
敦子に微笑みかけるみどり。
(狩る側の人間はいつも有利な立場だ。狩られる側はずっと恐怖に怯え、身を守り続けなければならないのだろうか...)
その頃、押本は窓ガラスを割って敦子の部屋に侵入していた。室内を荒らし、居場所の手がかりになりそうなものを探す。そこで見つけたのは、みどりの探偵事務所の封筒だった。中には押本の調査報告書が入っており、自分が調べられていたことを知る。
「あのアマ!」
押本は怒りに震えながら、封筒に入っていた名刺を取り出す。調査を担当したみどりの名刺だ。
「桑村みどり...!」
◆
翌朝。朝食後にみどりの卒業アルバムを見ている敦子。
「学生時代、陸上部だったんですね」
「肌が真っ黒だったので、よく男の子に間違えられました」
すると敦子が、本棚にヘミングウェイの『老人と海』があるのを見つける。
「高校生の時に買って。カジキマグロに立ち向かう老人・サンチャゴの姿がすごく好きで...」
「"人間は負けるように造られてはいないんだ。殺されることはあっても"」
本の中の一節を読み上げる敦子。
「...負けることはないんだ」
「私もこの本大好きなんです。サンチャゴの姿を見ていると、強く生きなきゃって思います」
敦子が本を開くと、全体的にかなり傷んでいる。慌てて本を取り上げるみどり。
「恥ずかしい。ずっと持ってるからボロボロで」
「その本、私が直してもいいですか?」
「え?」
「ちょうど修復し終わった本があって」
図書館司書をしている敦子は、つい最近修復し終わったばかりの本を取り出し、みどりに見せる。
「すごい! 新品みたいに直るんですね」
「こういう本を見てると、自分を見てるみたいで...。だからどうしても直したいんです」
「この子、よろしくお願いします」
「はい!」