「まさか自分が...」早期退職の”光と影” 50代から輝く働き方とは?:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

4月15日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「私が会社を変える時!~50代から輝く働き方!~」。
この春、ニッポンの名だたる大企業が続々と早期退職を実施。黒字経営でも始まる新しいリストラ? それとも新しいチャレンジ? 50代・中高年、それぞれの選択を追跡した。

なぜ今?「早期退職・希望退職」空前のラッシュ!何が起きている?

フジテレビが、満50歳以上の社員を対象に希望退職者を募集した。番組の調べでは、3月末で60人以上が退職。約1億円の退職金が支払われたとも言われている。
実はフジテレビ、4年前にも自主的に会社を去ってもらう退職者を募集。その時に手を挙げた大山泰さん(60歳)は、報道局で記者や解説委員を務め、スタッフを200人ほど束ねていた時期もあった。

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お台場を去った大山さんの今の職場は、コミュニティサイトを運営するITベンチャー「OKWAVE」。入社丸4年、最高齢の正社員で、社長室長として働いている。フジテレビの黄金時代、報道マンとして活躍した経験が、第二の人生の役に立っていた。

最近は、黒字なのに早期退職者を募る会社が増えている。住宅設備の国内最大手「リクシル」もそのひとつ。洗面台やトイレなど、家にまつわるありとあらゆる製品を取り扱っており、従業員は約5万5千人。2021年度上期には過去最高益を記録したが、少子高齢化で住宅市場の縮小が見込まれるため、攻めの早期退職に打って出たという。2021年3月、約1000人が希望退職した。

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会社が黒字の時に早期退職者を募れば、応募者は多くの退職金を手にすることができ、不安なく新たな門出を迎えることができる。会社も、給与の高い中高年社員を減らすことで、若い人たちの賃金アップや昇格がさせやすくなり、社内を活性化させるメリットが。辞める社員と会社、双方がハッピーになることが狙いだ。

大阪・中央区。早期退職した「リクシル」の元社員・石田忠之さん(57歳)は、去年3月、30年以上勤めた「リクシル」に別れを告げた。入社以来バルコニーを担当。数万台のバルコニーを売り、ついたあだ名は"バルコ石田"。
現在石田さんは、アルミなどの金属を扱う「橋本軽金」で営業所の副所長を務めている。社員は約30人、「リクシル」の約2000分の1程の中小企業だが、これまで培った経験や人脈を生かし、早くも欠かせない戦力に。

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会社が実家に近く、母親の世話ができるというメリットも。石田さんは「今の会社の規模感だと、自分のやりたいことがすぐできるし裁量権もある。早期退職したことに関して全く後悔はありません。ワクワクしています」と話す。

転職が難しいとされる50代で驚きの転身を遂げたのが、猪原和也さん(51歳)。去年、約150倍という狭き門を突破し、最高裁に中途採用された。元々は「日本マイクロソフト」のベテランエンジニアで、デジタル技術に関する深い知識と経験が採用の決め手に。最高裁での雇用は3年と期間が決まっているが、技術者としてのやりがいにこだわった。
「裁判の迅速化」を目指す最高裁は、訴訟に必要な書類をデジタル化するため、猪原さんのような人材を積極的に採用している。

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一方、穏やかではない状況に直面している50代も。佐藤辰雄(仮名57歳)さんは、38歳の時、将来性を見込んでウィッグメーカーに転職。しかし、新型コロナの影響でウィッグのユーザーである高齢者の外出が減り、売り上げが低迷してしまう。
去年6月、会社は一部店舗の閉鎖を理由に退職者を募り、8月末までに274人いた社員のうち126人が退職に合意。佐藤さんも会社から辞めるよう迫られたが、拒否し続けてきた。その後、会社はじわじわと佐藤さんを追い詰め、納得できないまま解雇通知書を渡される。

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佐藤さんは解雇が無効であることを主張、会社を提訴することに。4月7日、厚生労働省で労働組合とともに記者会見に臨んだが、そこで語られた佐藤さんの思いとは。