消防士を愛するアルゼンチン女性がハイパーレスキューの訓練を体験!:世界!ニッポン行きたい人応援団

公開: 更新: テレ東プラス

ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(月曜日夜8時)。毎回ニッポンを愛する外国人たちの熱い想いを紹介し、感動を巻き起こしています。

今回は、「ニッポンにご招待したら人生変わっちゃった! スペシャル」をお送りします。

ニッポンで空手の神髄を学んだコスタリカ女性が、帰国後驚きの進化!

紹介するのは、中米コスタリカに住む、「空手」をこよなく愛するデボラさん。

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空手には「組み手」と「形」の競技があり、デボラさんが取り組んでいる形は、突きや蹴りなど決められた技の正確さやスピードなどを競うもの。4歳で空手を始めたデボラさんは、6歳で初めてメダルを獲得するなど実力をつけ、当時は初段の腕前。13カ国420名が参加した中米カリブ大会では、チャンピオンに輝きました。

デボラさんが憧れているのは、「全日本空手道選手権大会」で4連覇を成し遂げた、宇佐美里香さん。宇佐美さんのようになりたいと、彼女の動画を毎日のように観ているそう。「宇佐美さんの演武は全てが完璧なんです!」と話します。

宇佐美さんに近づきたいと、毎日欠かさず早朝と夕方に道場で猛特訓していますが、実はまだ一度もニッポンへ行ったことがありません。

そんなデボラさんを、ニッポンにご招待! 6年前、念願の初来日を果たしました。

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都内のとある場所に向かうと、そこには憧れていた宇佐美さんが! 感激したデボラさんは涙が止まりません。

ここで、宇佐美さんに形を見ていただくことに。デボラさんが披露した「五十四歩 小」は、緩やかな「受け」から素早く攻撃に移る緩急の激しさが特徴の形。宇佐美さんは「集中を切らさずに目がしっかり据わっていて良かったと思います」と褒めてくださいました。「形は下半身が大事なので、下半身の練習をたくさんすることが大事だと思います」とアドバイスも。デボラさんの「何か1つ形を見せていただけますか?」とのリクエストに、宇佐美さんは「よろこんで」と快く応えてくださいました。

世界中の人を魅了した宇佐美さんの演武を間近で見て、「力強く素晴らしい形でした! 素晴らしい演武、ありがとうございました!」と感謝を伝えます。コスタリカのお土産を渡し、最後はハグを交わしました。

あれから6年。宇佐美さんは、昨年「東京オリンピック」で空手日本代表選手のコーチを務め、現在は国士舘大学空手道部の指導を続けています。

デボラさんが続いて向かったのは沖縄。世界190を超える国と地域に、1億人の愛好者がいると言われる空手。その発祥の地が沖縄なのです。琉球と呼ばれていた時代に、武器を使わず素手で身を守る術として発展したのが「空手」と言われ、大正時代、本格的に日本全土に伝わったそう。

デボラさんが訪れたのは、那覇市にある沖縄県立武道館。空手の源流を受け継ぐ一人、山城美智さんが出迎えてくださいました。

沖縄がまだ琉球王国だった時代、空手は「手(てぃ)」と呼ばれていました。「泊(とまり)バッサイ」をはじめとした様々な形の源流は、この頃にあると言います。その古い空手「手」の一つが、「泊手(とまりて)」。貿易港だった「泊」(現在の那覇市)で広まり、6代目として受け継いでいるのが山城さんです。

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まずはデボラさんが形を披露。山城さんは、呼吸と姿勢が空手のとても重要なところだと、正しい姿勢を教えてくださいました。姿勢が歪んでいると弱くなってしまうそうで、押されるとすぐに動いてしまいますが、背筋を伸ばして姿勢を良くした状態でもう一度押されると......簡単には動きません。「強い体と姿勢を作った状態で打つから意味がある」と山城さん。正しくきれいな姿勢が、最大限の力を生み出すのです。

先ほどと同じ形をやってみると、前は2回に分けて出されていた腕の動きがスムーズに出るようになりました。動きがなめらかになり、スピードが増しています。
実は姿勢を正すと、日常でも疲れにくくなる効果が! 猫背が解消されると頭の重さを上半身で支えやすくなり、その結果、体幹の筋肉に負担がかからず、肩こりや腰痛が軽減するそう。

続いて向かったのは、那覇市から車で約1時間のところにある恩納村安富祖地区公民館。沖縄県が誇る空手家・佐久本嗣男さんが代表を務める道場の合同稽古に参加させていただきます。

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道場に所属するのは、世界トップクラスの選手たちで、昨年「東京オリンピック」空手の形で見事金メダルに輝いた喜友名諒選手も! 急遽参加したデボラさんを、世界チャンピオンの豊見城あずささんが丁寧に指導してくださいました。

東京に戻り、ニッポンで最も行きたかった憧れの場所! デボラさんが学ぶ国際松濤館空手道連盟の総本部道場に向かいます。夢にまで見た本部道場で稽古を受けるデボラさん。そこへ、国際松濤館宗家の金澤弘和さんが! 「世界の金澤」と呼ばれ、いち早く空手の国際化に尽力し、世界130ヵ国に支部を持つ最大級の武道組織をつくった方です。

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コスタリカから来てくれたデボラさんのためにと、特別に宗家自ら稽古をつけてくださることに。流派の頂点、宗家からの直接指導は滅多にないこと。「技は腰から」「力は腹から」などの貴重な言葉に大感激! 「お目にかかれただけで幸せだったのに、ご指導いただいて本当にありがとうございました」と感謝します。最後は宗家から著書をいただきました。

あれから6年。ニッポンご招待後、ますます空手にのめり込んだデボラさんは、アルゼンチンで開催された国際大会の形部門で見事優勝! コスタリカは「東京オリンピック」の予選に選手を送らなかったため、惜しくも出場できませんでしたが、次の「パリオリンピック」を目指し、日々稽古に励んでいます。さらに、獣医師になるための勉強もしているそう。

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「コロナが明けたら、もう一度ニッポンに行って、空手の本質をもっともっと学びたいです」。最後は「またニッポンに行きたい!」と熱い想いを伝えてくれました。

デボラさんをニッポンにご招待したら、空手の国際大会で優勝し、「パリオリンピック」を目指す期待の星に成長していました!