野呂佳代、元AKB48メンバーの活躍に「私もドラマや映画に出たい」ともがいた時期も:メンタル強め美女白川さん

公開: 更新: テレ東プラス

ゴッドタン」「ロンドンハーツ」をはじめ数々のバラエティで大活躍の野呂佳代が、今、"女優"としても注目を集めている。バラエティなどでは、女優としての代表作は「なかやまきんに君にダンベルで殴り殺される役」と笑いにしていたが、着実に経験を積み、昨年の月9「ナイト・ドクター」(フジテレビ系)でベテラン看護師役として存在感を放ち話題に。ドラマParavi「メンタル強め美女白川さん」では、主人公・白川桃乃(井桁弘恵)の同僚で、コンプレックスを持ち密に悩む町田杏花を演じる。

shirakawasan_20220406_01.jpg撮影:野呂佳代

アイドル時代もバラエティで活躍している時も、根底にあったのは「女優になりたい」という思いだったという野呂さんのインタビューを前後編でお届け。【前編】は、ドラマのことはもちろん、調子に乗ってしまいうまくいかなかった過去や、ようやく女優としてスタートラインに立てたという今の気持ちなどをうかがいました。

人を羨み妬むのではなくプラスに考える

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――今回、野呂さんが演じる町田さんは、穏やかで愛されキャラである一方、周囲の些細な言葉に傷つく繊細な心の持ち主。「セリフの中に以前自分が思っていた事や行動があった」とおっしゃっていましたが、どのようなことですか?

「以前は自分の体型に対してポジティブに思うこともあれば、コンプレックスにもなることもあって。人はこう思っているんじゃないかと勝手に心配して、自分を卑下してしまうこともありました。町田さんが、サラダを頼みたかったのに、"体型を気にしてる"と思われるのが嫌でフライを頼んでしまうシーンがまさにそれ。私も健康のためにジムに行っていた時に、"ダイエットしてるのに全然成果ないじゃん"と思われるんじゃないかと滅入ってしまったことがあって。こういうところは自分とリンクしていると感じました。

昔から体型に関する人の感情には過敏になっていた気がします。今は開き直って笑いに変えてはいますが、気づいてしまう繊細さは町田さんと似ているかも。ただ、今は"これが自分の個性"として受け入れているから、気にならなくなりました。実は、こういうことって誰しも必ず1度は思ったことがあるかもしれないですよね」

――美人で、自己肯定感が強く、他人のヒガミや妬みもポジティブに笑顔で跳ね返す白川さんは、同僚女性たちから意地悪されてしまうことも。AKB48やSDN48のメンバーとして女性グループで活動していた野呂さんは、こうした女性のイザコザを経験したことがありますか?

「アイドルの場合、仲良しこよしで集まっているわけではないので、チームとして団結力があるのは当たり前。その中で、大勢のメンバーたちのキャラを見ながら、自分のポジションを見極め、どう個性を出していくのかを必死で考えるんです。それに精一杯で、他人を気にしている場合ではなかったですね。

ただ、相手はそんな意図はないものの、ライバル視するがゆえに勝手に"マウント取ってる"と感じてしまうことはありました。例えば、スタイルのいい子がモデルの仕事をすると、その子は一生懸命やっているだけなのに、私への当てつけだと感じてしまったり。でも、これは芸能界で生きている上ではごく当たり前にあることだとも思っています。

誰しも、人を羨ましく思い妬んでしまうこともあるかもしれません。私にも白川さんのような友達がいますが、"なんて素敵な生き方なんだろう!"と素直に思えて、そんな自分にホッとしたんです。人と比べて自己卑下したりネガティブな気持ちになるのではなく、プラスに考えられる発想が広がっていくといいですよね。そうすればきっと自分も楽になるし、素敵な世の中になると思います」

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――ご自身は"メンタル強め"だと思いますか?

「昔はメンタル激弱で、周りからも"ガラスのハート"と言われるくらいでした。自分でもずっとそう思っていましたが、こうしてまだ芸能界で戦えているということは、実は相当メンタルが強いんじゃないかと思い始めています。年齢とともに図太さも加わって、さらに強くなったのかも(笑)。以前は一度へこむと復活まで時間がかかっていましたが、今では結構早く立ち直りますし。年齢が解決することって、本当にあるんだなと感じている38歳です(笑)。

あと、メンタルには睡眠が大事。数年前、しっかり眠ることで復活できると気づきました。夜に考え事をすると深刻になりすぎるから、とにかく寝る。そして、朝、太陽の光を浴びて脳が軽くなったら再び考える。一晩寝て忘れていればそれもまたよし! ...と自分に思い込ませるようにしました。今は寝れば大概のことは忘れます。思い込み続ければ、やがてそれは本当になってくる。何事も自分の考え方次第なのかもしれませんね」

「バラエティを頑張れば、いつか女優に繋がる」を支えに

――以前からバラエティなどでも"女優"への思いを語っていらっしゃいましたが、AKB48加入でアイドルになる前から目指していたんですか?

「幼稚園の年長くらいの時、『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系)を見て、雨が降りかかる窓に向かってしっとりした顔を作って浅野温子さんのモノマネをしていました。その頃からお芝居が好きで、いつか女優さんになりたいという気持ちはあったと思います。AKB48に入る前も女優を目指して事務所に入っていましたが、受けるオーディションすらない状態で。そんな時に秋元康さんの企画としてAKB48のオーディションがあり、最後のチャンスだと思って応募しました。もちろんアイドル時代も女優への思いは常に頭にありましたし、AKB48が女優へのきっかけになればいいなと思っていました」

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――夢だった女優の仕事も絶好調ですが、現状をどのよう感じていますか?

「ようやく1歩踏み出した気持ちです。女優になりたい気持ちを抱きながら、歌もダンスも大好きだったからアイドルという選択をして、それでちょっと勘違いをしたこともありましたが(笑)、パフォーマンスだけでなくファンの方への対応なども勉強させてもらいました。一方で、女優への思いはさらに強くなっていき、バラエティの仕事をいただくようになる中で、頑張れば女優の仕事にも繋がるかもしれないと信じてやってきました。いろいろ回り道をしたけれど、ようやくスタート地点に立てたのかな。これまでいろんな形で私を支えてくれた人に感謝しつつ、1つ1つの仕事を大切に丁寧にやっていきたいと思っています」

――以前「あちこちオードリー」に出演された際にもお話されていましたが、"ちょっと勘違い"というのは?

「アイドル時代に舞台のお仕事をいただいたことがあったのですが、当時、"女優は面白いことはしなくていいんだ"という浅はかな考えから、ステージでMCをする時の態度も変わってしまって。女優を気取った斜に構えた感じは、すぐにスタッフさんに見抜かれ、怒られて心が折れました。そんな私に女優の仕事をいただけるわけもないですよね。

卒業後も、バラエティと並行して、女優として小劇場でのお芝居の仕事をいただいたのに、テレビや映画に出ているメンバーと自分を比べて、"本当はドラマや映画に出たいのにな"と思ってしまって。もちろん今は、どんなお仕事もありがたいと実感していますが、当時は"卒業した自分には何もないな"と思ってしまって。そんな気持ちで挑んでいる自分が上手くいくわけがなく、もがいていた時期でした。

そんな中でたどり着いた答えが"バラエティを頑張れば、いつか女優に繋がる"。マネージャーさんの尽力もあり、少しずつお芝居の仕事もできてきた中で、昨年の月9レギュラー決定は本当にうれしかったです」