ガイアが見つめた20年・・・あの主人公&現場は今:ガイアの夜明け 20周年SP

公開: 更新: テレ東プラス

4月1日(金)に放送した「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「あの主人公&現場は今...」。
2002年、日本経済が真っ暗闇の中でスタートした「ガイアの夜明け」。"夜明け"=再生を信じて、経済の現場で闘う人たちを追いかけ、この4月で20周年を迎えた。
今回は放送枠を拡大し、番組の歩みを振り返ると共に、主人公たちのその後を追跡取材。これからの20年、ニッポンはどこへ向かうのか...。そのヒントを探る。

初回主人公・瀕死の銀行を守った頭取・・・その闘い

2002年4月、第1回放送「巨大銀行の100日戦争」の主人公は、大手都市銀行「あさひ銀行」頭取・梁瀬行雄さん(当時57歳)。就任早々、あさひの株価が暴落。信用不安を呼び、預金が1兆円も減るなど、多難な船出だった。

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2002年は、金融業界の大改革を断行した「日本版金融ビッグバン」最後の時期。1990年代から、都市銀行は生き残りをかけ次々と合併、メガバンクに生まれ変わっていった。その波に乗り遅れた銀行の1つが「あさひ銀行」だったのだ。

そして、この時話題になったのが「ペイオフ解禁」。「顧客の預金は全額守る」という制度をやめ、1000万円までしか保護しないというものだ。ペイオフ解禁が迫る中、破綻を噂されるまでになっていた「あさひ銀行」では、定期預金を解約する客が絶えず、現場では苦悩が続いていた。
そこで梁瀬さんは、「変革の180日」と名付けて、5300億円もの赤字を覚悟し、一気に不良債権処理を断行したのだ。

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さらに梁瀬さんは生き残りをかけて2002年3月、関西にある大手都市銀行・大和銀行グループと経営統合を果たした。こうして誕生したのが「りそな銀行」だ。

しかし1年後...。「りそな」は経営危機に陥り、2兆円もの公的資金が投入され、実質国有化された。梁瀬さんは公的資金が注入される責任を取り、銀行を去る。
当時、どんな思いで銀行の舵取りをしていたのか...。番組は再び梁瀬さんに話を聞いた。

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ガイアはその後に誕生した「りそな」も追い続けていた。2003年12月に放送した「りそなの攻防200日~実質国有化で再生できるか~」では、JR東日本の副社長から転身した細谷英二さん(当時58歳)による「りそな」再生の現場に密着した。
国鉄の再生に実力を発揮した細谷さん。その目に映った「りそな」の現状は、かつての国鉄に似ている旧態依然の体質。

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「今日時点、『りそな』は普通の会社だとは思えません。金融庁の判断が全てで、お客様やマーケットからの目線にはほとんど関心を持っていません」と話す細谷さん。「銀行もサービス業」と、顧客第一主義を徹底的に現場に叩き込んだのだ。

放送から12年後...。「りそな」は2015年に公的資金、合わせて約3兆円を完済。その後は2004年度から17期連続で黒字を続けている。規模ではメガバンクには及ばないが、個人や中小企業への貸し出しが8割以上(2021年3月時点)と、金融業界で独自のポジションを築いていた。

そして2022年。「りそな」の今を取材した。改革を推進した細谷さんは、公的資金返済の道筋を付けた後、2012年に67歳でこの世を去っていた。しかし、細谷さん直属の部下で、現在はりそなホールディングスの会長・東和浩さんを筆頭に、現場の人々にまで細谷イズムが受け継がれ、さらなる進化を遂げていた。

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