翌朝。真由美は、明日が資源ゴミの日だということを思い出し、「まとめておかないと」と言う。
「やっておくから」
「ダメですよ、私の当番です。今日の夜、帰ってからやりますから絶対触らないでおいてくださいね」
「分かったよ。ほら、遅れるぞ」
「はい、行ってきます。箱根のお土産、楽しみにしてください!」
笑顔で家を出て行った真由美。一人になった堤司は、温泉に入り浴衣姿になった真由美を妄想してニヤつくが、脳裏に拝島が現れ、「よく似合うよ。なあ、テイジじゃなくてハイジにしろよ」と真由美を口説く。
(まさか2人は箱根で一緒のシャンプーを…!?)
頭を振って妄想を振り払う堤司。
社用車で出発した拝島と真由美は、途中のSAで休憩する。いつもと違い、もじもじした様子の拝島は、真剣な眼差しで真由美に語りかける。
「俺さ…大阪に行って、改めてまるこの大切さを思い知ったよ」
「…あ、だよねー。社畜のハイジのアシスト出来るのは、同じく社畜のペーターまるこ」
「茶化すなよ。俺、まるこがいないと困る。本当に困るんだよ」
「ハイジ…。あっ、そろそろ行かないと。遅れちゃうといけないし」
ドギマギしながら車に乗る真由美。
(今日のハイジ、なんかいつもと違う…)
◆
会社では、人事部の諫山基(丸山智己)が、堤司が真由美に何か入れ知恵をしているのではと怪しんでいた。もともと社畜で、社の労基システムの欠陥を突いて残業三昧だった堤司。その時の部下は耐えきれず、会社を辞めてしまった。諫山は、真由美が二の舞にならないようにと常に目を光らせている。
「二度と同じ過ちを繰り返さないでくださいね」
そう堤司に忠告する諫山。
するとそこに営業部の石橋亘(脇知弘)がやって来て、「うちの部下の有給申請なんだが」と真由美と拝島の有給申請書を差し出す。出張先の旅館の社長が部屋を用意してくれて、泊まって行けと言われたらしい。「男女一緒に泊まるのはコンプライアンス的に良くない」と難色を示す諫山だが、石橋は
「あの2人は男女を超えた友情だから大丈夫! じゃあそういうことで」
と去って行った。
「男女の友情ほど信用ならないものはない」
そう呟く諫山と、動揺を隠しきれない堤司。
箱根の旅館では、社長(石田晃一)を筆頭に数名の従業員と宴会が開かれていた。
「本当に嬉しいなあ。君たち2人と飲めるなんて」
「こちらこそ、社長とご一緒できるなんて夢みたいです」
ハードワーカーの2人を若い頃の自分と重ね合わせ、上機嫌な社長。真由美にお酌しようとするが、手元が狂って盛大にこぼしてしまった。服にもこぼれてしまったため、一度退席してスカートを拭く真由美。
「後は俺が適当にやっとくから、先に部屋で休ませてもらいな。温泉も先に入っちゃっていいから」
と気遣う拝島。その言葉に甘えて、部屋でのんびりする真由美だった。
「部長と一緒に来られたら良かったのにな。あっ、部長にメールしなきゃ」
とスマホを取り出すが、すぐに手が止まる。
「急に泊まりになったってなんて言えばいいかな。ハイジが一緒のこと気にしてるみたいだったし…。気にする必要ないのにな。私、とっくの昔にハイジには…」
果たして、真由美と拝島に何があったのか…!?
3月2日(水)深夜0時30分からは、ドラマParavi 「部長と社畜の恋はもどかしい」第9話を放送!
取引先との飲み会から戻り、真由美(中村ゆりか)の部屋へやってきた拝島(佐野岳)。そして、真由美のことがずっと好きだったと告白をするが、一方で、かつて拝島のことが好きだった真由美は、その時すでにフラれたと思っていた。今になって明らかになる3年前の出来事。そして、真由美が「好きだよハイジ、でもそれは…」と言いかけた時、そこに現れたのは、真由美を迎えに来た堤司だった…!
どうぞお楽しみに!
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