乙武洋匡が明かす「文春砲の裏」と”障がい者の性問題”

公開: 更新: テレ東プラス

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米イェール大学助教授の成田悠輔さんと2ちゃんねる創始者の西村博之(ひろゆき)さんが、日本や世界の根本的な問題に新しい視点を提供し、再定義するトーク番組『Re:Hack』。

今回のゲストは、ベストセラー『五体不満足』と数年前の女性騒動でお馴染みの乙武洋匡さん。日本における障がい者の扱われ方、性事情というタブーに挑む。

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障がい者イジりはNG、乙武イジりはOKの謎

「五体不満足、一本満足でお馴染みの乙武洋匡さんですー」と、いきなり女性騒動イジりで番組を開始する成田さん。おイジりスタートに対し乙武さんも「エキセントリックなMC2人に詰められる番組と聞いた」「そもそもMC2人が日本にいないってよく成り立つよね」とイジりのリターンエース。切れ者同士の鋭い乱打戦になりそうな予感で幕開け!

イジりの流れで早速ひろゆきさんから「身体障がい者はイジってはいけないという暗黙のルールがあるが、乙武さんだけはイジって良いという空気があるのはなぜか?」と本人を前にいきなり失礼な質問を展開(いつものこと?)。

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無邪気な疑問に対し乙武さんは「1つ目は自分がずっと自虐ネタでイジっていたこと、2つ目は2016年の不倫騒動があったことが背景にある」と冷静沈着な自己分析を。

不倫騒動でイジられざるを得ないキャラクターになったことはわかりやすいが、それ以前から「障がい者の自分をイジってくれても大丈夫」という空気を作りたいと思い、「障がい者ギャグ」を自ら披露し続けていたそう。「乙武イジりはOK」は長年の"努力"の結晶だったようだ。

障がい者イジりとハゲ・デブイジりの違いは?

障がい者イジりをタブー視しすぎることを打破するため、自ら障がいギャグを披露し続けてきたギャガー乙武さんだが、「障がい者は全員イジってOKという空気にされては困る」というような批判の声がまだまだ多く、大きな壁を感じるそう。

障がい者を一括りにするのではなく、乙武さんのように障がいを笑いに変えたい人もいれば、イジられたくない人もいるという多様性を理解して欲しいと訴える。
ハゲやデブを笑いにするタレントもいれば、隠したがる職場の人間もいるのと同じで、イジって良い場合と悪い場合の理解が進んで欲しいと主張。

この主張にひろゆきさんは、「ハゲやデブに比べてまだまだ障がい者との遭遇率が低いので、多様性に気づきづらいことが理由かも知れない」と分析。これには乙武さんも納得した様子で「だからこそ自分のような障がい者のプレイヤーが多く世間に出てきて欲しい」と話した。

ポスト乙武が簡単には生まれない深い事情

新たな障がい者タレントを渇望する乙武さんだが、たしかに乙武さんクラスの認知度を持つ障がい者は近年現れていない。『五体不満足』が出版されたのは24年も前になるのにも関わらずーー。

乙武さんは自身の女性不倫騒動の時こそ、後進が登場する最大のチャンスであったと振り返る。他のジャンルのタレントであれば、不祥事で表舞台から消えたら、同種のタレントにその座をすぐに奪われてしまう。しかし、乙武さんのポジションではその現象が起こらず、スキャンダル後の自粛期間中もメディアから取材依頼が続いたという。

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その理由を乙武さんがメディア関係者に確認すると「芸人などとの絡みで、変な炎上になるリスクが怖い」と語ったという。芸人が笑いを取るために行ったイジりを乙武さんのように巧みにリターン出来ないと、単なる「障がい者イジめ」と映りかねない。そのような背景から、実績があり安心して起用できる乙武さんが重宝されるのだという。

まさに当番組も、乙武さんを安心して起用している(イジっている)のだが、ポスト乙武を生み出すには、根深いメディア的な事情もあるため、一朝一夕には進まないようだ。

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