吉沢亮さんが主演するドラマ『PICU 小児集中治療室 スペシャル2024』（フジテレビ系）が、4月13日（土）21時から放送されます。
2022年10月より放送された連続ドラマ『PICU 小児集中治療室』は、北海道のPICUに勤務する“しこちゃん先生”こと駆け出しの小児科医・志子田武四郎（吉沢さん）が、幼い命を救うために奮闘しながら成長していくメディカル・ヒューマンドラマ。続編となる今回の舞台は、前作から約1年後。2人の研修医を指導する立場になった武四郎の姿が描かれます。
久々に『PICU』に帰ってきた吉沢さんは、武四郎をどう演じたのか。研修医役の小林虎之介さん、武田玲奈さんの印象や、自身が後輩と接する際に意識していることについても聞きました。
久々に演じるしこちゃん先生は「愛くるしい」
――連ドラや今回のスペシャルドラマに関して、周囲の反響や、私生活で意識するようになったことはありますか？
反響はすごくありましたね。友達からも、「全部見てる」とたくさん言ってもらいました。『PICU』は連ドラに出させていただくこと自体が久々でしたし、ゴールデンで主演をするのも初めてで。僕の中でいろいろと挑戦的な部分が多かったので、反響が大きくて安心しました。ただ、私生活で何か変わったかと言われると、特に何も変わっていないです（笑）。
――再び、武四郎を演じると決まったときのお気持ちは？
純粋に嬉しかったです。俳優のみなさんもスタッフのみなさんも、本当に気持ちのいい方ばかりで居心地のいい現場だったので、またみなさんにお会いできることが嬉しかったです。撮影に入ってからも、いい意味でみんな何も変わらず、笑いの絶えない現場だったので幸せでした。
――台本を読んだ感想も聞かせてください。
今回も辛い出来事がたくさん起こりますが、それに囚われすぎず、笑える部分は笑えるし、すごく生活感のある台本だなと思いました。そこは変わらずに好きだなと思いましたし、しこちゃん先生に関しては「やっぱりコイツかわいそうなヤツだな」と（笑）。どこか履き違えている感じが、すごく愛くるしいなと思いながら読みました。でも、やっぱり“子供への愛情”は変わっていなかったので、良かったです。
――後輩に対して、ちょっと先輩ぶる感じも新しいですよね。
新しかったですね。「何もできなかった頃の自分を見ているようだけど、そこにどう触れていいのかわからない」という葛藤があって。主人公だからしょうがないのかもしれないですけど、ずっと悩んでいるんだな、と思いながらやっていました。
――撮影に入って、どんな時に「『PICU』に帰ってきたな」と感じましたか？
家のシーンを撮っている時です。連ドラの時とは撮影している場所が違うんですけど、家のセットに入っていつもの動線を「ここ通ってたなぁ」と思い出した時に「あぁ、帰ってきたな」って。役にもスッと戻れたような気がします。
――約1年後を描くにあたり、「ここを変えよう」「逆に変えないようにしよう」など意識したことはありますか？
あまり「変えよう」ということはなかったです。連ドラの時にも、あえて「お芝居をしないようにしよう」と思いながらやっていましたし、今回も約1年経ったから成長しているとか、そういうところは意識せずにやっていました。
――当時、「お芝居をしないようにしよう」と思ったのはなぜですか？
台本を読んで（武四郎に）すごく近いものを感じるというか、共感できるところがたくさんあったので、これは作り込むよりも、演じている僕が思った感情をそのまま使った方がリアルでいいのではないかと思ったんです。あまり芝居せず、会話をしている中で感じたことがにじみ出てくれればいいな、と。なので、医療や技術的な部分は勉強しましたけど、それ以外は特に何もしていないです。
――準備をしないで撮影に臨むのは、逆に怖さもありそうです。
そうですね。でも結果的に、この作品においてはそれで良かった気がしています。
――医療行為や専門用語に関しては、連ドラから約1年経ったことによる成長もあると思います。
「こんなに大変だったっけ？」と、前回より難しく感じた気がします。今回は、ほぼ1人で手術を回しているようなシーンもあって、かなり大変でした。でも、本当に（監修の）先生たちが丁寧に教えてくれたので、変な心配などはなくやらせていただきました。
――撮影中に、なにか印象的だったエピソードはありますか？
連ドラの時はちょうどコロナ禍で、あまりご飯にも行く機会がなかったんですけど、今回は安田（顕）さんと北海道ロケの時にお寿司を食べに行きました。そこでお酒とかを飲みながら、いろいろな話ができたことが楽しかったです。
――研修医役の小林虎之介さん、武田玲奈さんは、今作からの新キャストです。
虎之介くんは坊主頭でカツラをかぶっていたので、メイクを全部取ったら誰かわからなくて、「知らない人に話しかけられた!?」といった瞬間がちょくちょくありました（笑）。僕は虎之介くんとのシーンが多かったのですが、すごくストイックに芝居と向き合っている感じが素敵だな、と思いながらお芝居をしていました。連ドラからの流れがあるので、僕だったらちょっと気まずいと思ってしまうと思うんですけど、おふたりともすごくフラットに現場に馴染んでいて、頼もしかったです。
年下の共演者が増えていく現場 アドバイスを求められたら？
――ご自身は、お仕事をする中で「先輩になったな」と実感する瞬間はありますか？
やっぱり年下の共演者の方が増えました。たとえば学園ものとかで“同世代”という枠組みでいろいろな俳優が集まった時、自分が下にいることが多かったのに、今は現場の中でも年上の方だったりするんです。なので先輩になったというか、年を取ったなと思いますね（笑）。かといって、現場で意識が変わるようなことはまったくないですし、「先輩だから」みたいなこともないです。少し前まではあったんですけど、そういうことに疲れちゃって（笑）。
――とはいえ、後輩の方からアドバイスを求められる機会もあると思います。
あまりアドバイスを求められることはないですね。頼られてないのかもしれない（笑）。求められたら真剣に返答しますけど、あまり先輩ヅラしないようにはすると思います。
――あらためて、この作品を通してどんなメッセージを届けたいですか？
一生懸命にただただ命と向き合っている人たちの生活感を感じていただけたら。それを見てどう思うかは人それぞれだと思いますが、感動していただける内容になっていると思うので、たくさんの方に見ていただきたいです。
――最後に、吉沢さんにとって『PICU』はどんな作品でしょうか？
挑戦も多いんですが、今後も続いてくれたらと思います。現場の人たちもすごく素敵な方ばかりですし、僕にとっての“帰る場所”のような作品になってくれたら嬉しいです。
（取材・文：nakamura omame）
