藤井流星から可愛い提案?「“壁ドンはやった”と指折り考えて…」『新妻不倫』矢内達也Pが明かす撮影の裏側

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藤井流星から可愛い提案?「“壁ドンはやった”と指折り考えて…」『新妻不倫』矢内達也Pが明かす撮影の裏側

藤井流星さんが主演、矢吹奈子さんがヒロインを務めるドラマL『18歳、新妻、不倫します。』(テレビ朝日、毎週土曜26:30~/ABCテレビ、毎週日曜23:55~)の第9話が12月9日・10日に放送される。物語はここからいよいよ佳境へと向かいます。

『王様に捧ぐ薬指』などで知られるわたなべ志穂さんの人気コミックを映像化した本作は、好きな人との恋愛を夢見ていた令嬢・三条明花(矢吹)が、両親からお見合い結婚を迫られ、幼いころから付き添うボディガードの藤宮煌(藤井)に「不倫前提」の結婚を願ったことから巻き起こる様々な騒動を描くウェディングラブストーリー。

すれ違いやライバルの出現などで当初はいがみ合うことも多かった2人は、第5話で結ばれ、ラブラブな日々を送っていましたが、物語も終盤を迎え、意外な展開へと進んでいきます。本作のプロデューサー・矢内達也さんに今後の展開や、見どころなどについて話を聞きました。

藤井流星のキャスティング理由「1巻を見た時点で直感」

――本作をドラマ化しようと思ったきっかけを教えてください。

最初はタイトルに惹かれたんです。1巻を読んだ際、王道なラブコメディだなと感じ、ビジュアル的に強いキャストを募れるといい作品になると思いました。

作品を読み進めると、冒頭から続いていた王道のラブコメが大きく裏切られる展開が待っていて、実は煌が復讐のためにヒロインに近づいていたことがわかるんです。読んでいて「そっちにいくんだ」とびっくりしました。その驚きの展開を10話までに落とし込めると、通常のラブコメとは違った非常に興味深い作品に仕上がるのではないかと思いました。

――藤井さんの起用はどのような経緯で決まったのですか?

藤井さんに関しては、1巻の表紙を見た時点で“これは藤井さんだ”と直感的なイメージが湧きました。以前バラエティ番組をずっと担当していて、2014年頃にデビューする直前の藤井さんを見ていたんです。

この5年ほどドラマに携わる中で、いつか彼と一緒にドラマをできたらという気持ちがあったので、企画と彼のキャラクターが一致するこの作品に出会い、割と早い段階から出演の交渉に行っていました。煌の役柄は、寡黙で、あまりはしゃぐことのないキャラクター。僕の知っている藤井流星像と絶対にマッチすると思ったんです。

――矢吹さんの起用はどのような経緯だったんですか?

藤井さんの身長が180cmで股下も長い、漫画のようなルックスの持ち主なので、どういうヒロインが望ましいのかと監督たちと相談をしました。2人ともモデルっぽいタイプだと、非現実的すぎて感情移入できない作品になるのではという話になりました。

キスシーンがたくさん出てくる作品になると想定していたので、意図的に身長差を作って、「女性にときめいてもらえるようなキスシーンを演出できる方」というところで、矢吹さんに決めました。

――オファーをした時、藤井さんはどんな反応でしたか?

煌は幼少期に児童養護施設で、仲間たちとともに虐待を受けていたというバックボーンがあるのですが、彼はこの作品全体を読んで理解をしてくださり、ドラマでいう新章(第8話以降)についても「この作品で一番大事な部分だ」と話してくださったのをすごく覚えています。

――藤井さんはラブコメ色の強い本作の内容にはどんな印象を持っていたのでしょうか?

彼はラブコメの漫画をそもそもあまり読んだことがなかったみたいです。原作だとベッドシーンのようなシーンも多くて、「少女漫画ってこういう感じなんですか?」「こんないくんやね」というのが第一リアクションでした(笑)。日常生活で絶対言わないような歯の浮いたような台詞も出てきますが、「これ俺全部言うの?」と恥ずかしそうに言っていたのが印象的でした。

――すでに撮影は終えられているということですが、撮影を通して藤井さんと矢吹さんに、“煌っぽい”、“明花っぽい”と思う瞬間はありましたか?

矢吹さんは、ご本人いわく、現場によってキャラクターが変わるらしいんです。今回の現場では人との壁がゼロなのかな? というくらい、キャストやスタッフとずっとコミュニケーションをとっていました。そんな矢吹さんを見て、天真爛漫さと“可愛らしいお姫様感”をすごく感じました。

藤井さんはすごくいい声をお持ちで、みんながその声に聞き入ってしまうくらいなんですが、僕も藤井くんの声を聞いて、実写化とはこういうことだなと改めて思わされました。藤宮煌の声、ハスキーボイスにやられましたね。身長差を作ったということもあって、ポケットに手を突っ込んで、屈みながら明花に詰め寄るオラオラな感じもうまく表現してくださったと思います。

――第7話まではキュンキュンするラブシーンの連続でしたが、これまでで、お気に入りのシーンはありますか?

第5話で2人が海を見に行くシーンがあって、2人が水を掛け合うんです。ここは2人に自由に演じていいよと伝えてカメラを回していたんですが、煌と明花から、藤井流星と矢吹奈子をすごく感じる印象的なシーンになりました。現場で見ていても、“いいなあ”と素直に思えたんです。絵になる2人だなと、今でも気に入っています。

藤井流星は人間として尊敬できる人

――第8話~第10話では一気にシリアスな展開となります。最後の3話でこだわった点はありますか?

テレビドラマは、1話から少しずつ視聴率が右肩下がりになる傾向があるので、後半に勝負したいなという気持ちがずっとありました。そのため第6話までは、煌がそういう過去を持っていて、明花を殺すために近づいていたということを匂わせるような演出は一切しませんでした。

実は、第7話の誕生日のシーンからサンペンス調の撮り方に少しずつ変えて助走をはじめて、第8話に至っています。第8話でそれまでの展開を一気にひっくり返すというのが僕たちの狙いでした。

原作を知らない視聴者が、第1話から第7話までを見て、「2人はきっと幸せになる」と思うような展開にしたいということを、事前に2人にも伝えて演技をしていただきました。僕が原作を読んで思わず声が出てしまったように、視聴者の皆さんにも声を出して驚いて欲しかったんです。

第8話ではそういうことを意識して、それまでと絵も色味も画角も全て変えて撮っていますし、音楽もそれまで使っていない曲を使っています。より原作の色を出していきたいと思って作ったのが第8話です。僕たちにとっても、この企画を映像化するにあたって、非常に悩んだ8話でしたが、2023年のこの時期に、この作品を、藤井さんと共に世の中に届けられる意味を、この8話から最終話にかけて詰め込んだので、ぜひ、最終話までご覧いただきたいです。

――第7話までにたくさん登場するラブシーンもバリエーション豊かで素敵でした。ラブシーンを撮る上でのこだわりはありましたか?

第1、2話は湯浅弘章さん、第3、5話は張元香織さん、第4話が吉田卓功さんと、第5話までは、3人の監督で撮っています。例えば、台本上でキスシーンが出てくると、撮り方によっては似たシーンが多くなることも想定し、ロケハンの時からいかにロケーションをうまく使うかを各監督さんたちが考えて工夫をしてくださいました。

例えば、第4話を担当された吉田さんは、それまでの回を見て、「自分も何かしなきゃ!」といろいろとアイデアを出してくれて、階段を使ったキスシーンでは、その時だけ、今まで使わなかったライティングを使用してくださいました。それを見ていた張元さんも、第5話では、カウンターテーブルでのキスシーンを閃いてくださったりと、各監督がその空間でどう遊ぶかを考えてくれた結果、素敵なシーンがたくさん仕上がったと思います。

――藤井さんからアイデアを出すこともあったんでしょうか?

第2話の最後にすごく長いキスをしてしゃがみこむシーンがあるんですが、そこから繋がる第3話の最初のシーンで、そのまま煌が座りながら始まった方が(明花の気持ちが)押されている感が出るんじゃないかと藤井さんがアイデアを出してくださいました。

あと、これはすごく可愛いなと思ったんですが、指を折りながら、「壁ドンやったよな、お姫様抱っこやったよな、あとなんかあったかな」って考えながら、「“ソファドン”いけるかな」と提案してくださることもありました(笑)。

――身長差のある相手とのラブシーンについて、矢吹さんはどんな反応でしたか?

「首が疲れる」「ずっと上向いて話してる」と言っていましたよ(笑)。身長差に関する裏話があるんですが、山本涼介さん演じる月瀬遥が手にキスをするシーンがあって、その手を藤井さんが奪い取るんです。その時に矢吹さんの手を離さなかったらどうなるかなと思って、2人の高身長な男性の間で手を取られてばたついている、漫画のようなシーンを撮ろうとしました。矢吹さんは「面白そうです!」と果敢にトライしてくれたんですが、うまくいかず……生身の人間だとやっぱり無理だったんですね(笑)。

――このドラマを見ている視聴者からは本作に対してどんな反響が寄せられていますか?

原作者のわたなべ志穂先生は「心臓が5個あっても足りない」とキュンキュンしながら見ていただいているみたいです。ファンの方からは第5話のベッドシーンでどこまでやるんだろうと、不安になってらっしゃる方が多かったみたいです。結果的に、非常に綺麗なシーンに仕上がって「安心して見ることができた」とファンの方にも好評でした。

――デビュー前から見てきた藤井さんと今回のドラマを撮ってどんな感想を持ちましたか?

大人になったなと思います。藤井さんがドラマ経験のあまりなかった頃に、まだディレクターを始めて間もなかった僕が台本を書いて収録した再現ドラマ『ドヨルの妄想族』に出演していただいたんです。3回くらいロケをご一緒したんですが、「結婚詐欺師・藤井流星」「ブラックジャック・藤井流星」など、いろいろと演じていただきました。

互いに立場が変わって今回、僕はプロデューサー、彼はこのドラマの座長として一緒にやることになったんですが、藤井さんがキャストをまとめようとしてくれているのを見てきたので、「あれから10年も経ったんだな」と改めて思いました。クランクアップの日はうるっときました。

――今後の藤井さんに対する期待はありますか?

藤井さんはオファーをした時、舞台の稽古や、グループの仕事があって、スケジュール的に実は厳しかったんです。でも、どこかで僕がこのドラマを担当していて、しかもABCの作品だということを知って、「だったら断れへんやん」ということで、お話を受けてくれたことを後で知りました。そういうご縁みたいなことを大事にして、今回の仕事に向き合ってくれたところは本当に感謝しています。

辛い時やしんどい時にこそ、その人の本当の人間性みたいなものが出ると僕は思っています。藤井さんは年下ですが、人間として尊敬できる人、見習いたい人だなと思っています。今後もいろいろな演出家の人に出会って、彼にしかできないお芝居を見つけて頑張ってほしいなと思います。

取材・文:名鹿祥史

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