『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』二宮和也“誠司”と大沢たかお“時生”が交錯!中谷美紀“桔梗”の信念と涙を刮目せよ

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『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』二宮和也“誠司”と大沢たかお“時生”が交錯!中谷美紀“桔梗”の信念と涙を刮目せよ

10月30日放送の『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系、毎週月曜21:00~)第4話は、クリスマスイブの10時04分~12時03分までの物語。勝呂寺誠司(二宮和也)は倉内桔梗(中谷美紀)と立葵時生(大沢たかお)、それぞれと遭遇し、バラバラだった三人が交錯し始めた。

誠司、今度はテレビ局を目指す<逃亡編>

誠司は事件現場で自分の過去を知る桔梗に遭遇。呼ばれた「天樹くん」という名前が本当の自分なのだろうか。警察に見つかったのでその場を離れ、管理官の蜜谷満作(江口洋介)と約束した山下ふ頭へと向かった。

しかし、会う直前で蜜谷は赤い車にひき逃げされてしまう。これは国際犯罪組織アネモネの仕業なのか? アネモネのボス・笛花ミズキ(中川大志)の挙動は怪しいままだ。

その後、ほかの構成員たちからも追われる身となった誠司。ニノの大立ち回りのアクション、本当にすごい。武器を持っている相手に身一つで抗っている。どんだけ身体能力高いんだ?

逃走中にたまたま目撃したテレビで桔梗を見かけ、会いに行くことを決意。警察署に続き、今度はテレビ局? 行動が大胆すぎる! 

「葵亭」のウチワエビ獲得作戦、決行<レストラン編>

一方、食材をダメにしてしまったレストラン「葵亭」の面々はディナーで使いたいウチワエビを手に入れなければならない。ほかの食材はスーパーで集められても、ウチワエビは難題。近くの老舗レストランから分けてもらうしか方法はなさそうだけど、時生はかつて同僚だったことのあるそのシェフと犬猿の仲だと拒否。

しかし時生は店のためにと行く決意を固める。その後、蛇の目菊蔵(栗原英雄)、竹本梅雨美(桜井ユキ)、細野一(井之脇海)もそのレストランへと向かうことになり、レストランメンバーはやっとお店の外へ。ゆるい空気が流れるあのコント空間(それも好きだけど)からついに抜け出したのだった。

時生、菊蔵、梅雨美が結局お店に足が向かなかったことに対し、細野だけが馬鹿正直に松木シェフ(高嶋政宏)に会う、という流れにもそれぞれの人柄が出ていた。ただ、交渉の場にバイトをよこすなんて信じられないという松木の気持ちはわかる。結局残りの面々もライバル店に向かうものの、交渉は決裂。

松木シェフが言う時生の悪口に対して、みんなが怒るという描写にも「葵亭」の結束が感じられた。特に細野、一番適当に働いているただのバイトだと思っていたのに、お店のことをしっかり見ていたなんて。やるじゃん……。井之脇海が料理について熱く語ると、『ちむどんどん』で演じた料理人役を思い出す。結局土下座までした時生も、食材をゆずった松木シェフも、料理やお店に対する思いは同じなんだよな。

今回、<レストラン編>も再び本筋の事件との接点を持つことになる。まず時生は偶然、山下ふ頭でのひき逃げ現場に遭遇していた。なによりその場にいた桔梗の存在に驚いていたようだから、やはり二人は過去になにかあったよう。「お互い自分の好きなもののためにがんばろう」と言い合った相手は桔梗なんだろうか。だとしたら報道姿勢を貫く桔梗に勇気をもらっていそうだ。

そして逃亡犯・誠司とも再び遭遇。どうやらその際にスマホが入れ変わったようだけど、大丈夫か?

スクープを報道できない、桔梗の涙<地方テレビ局編>

逃亡犯「天樹勇太」を見つけた桔梗は、彼が今「スグロジセイジ」と呼ばれていることを知る。再び彼を追っていた途中で蜜谷がひき逃げされる現場を目撃すると、持ち前のジャーナリズムで証拠を撮影。蜜谷を気にかけつつ、放送用の素材をつくっておく手腕はさすがだ。

昨晩から相次ぐ事件に、関連性を感じる桔梗。新たなスクープを頼りに、報道番組で今度こそ事件特集を正式に流せるよう協力を仰いだ。みんな、桔梗の仕事に対する思いを知っている。最後の放送、なんとか桔梗の納得する放送をしたいと全員が思っているこのチーム感、最高すぎる……! そして桔梗の見せる笑顔に安心する。大好きなお仕事ドラマの、大事な仕事を前に結束するあの感じ!

ただ、流れたVTRは結局クリスマス特集だった。報道制作局長の折口康司(小手伸也)も社長の筒井賢人(丸山智己)を説得するのは無理だったよう。折口、ここで「俺が責任を取る!」として強行突破していたらかっこよかったんだけどな。これが会社組織の宿命か……。

この展開はさすがに泣ける……。最後の挨拶をする桔梗の顔、もう見ていられなかった。勤めを果たすも、唇は震えているんだから。しゃべったら声とともに涙が溢れてしまうから、今はしゃべりたくない、そんな感じ。涙声でみんなにお礼を言うの、つらすぎる。一人になれたエレベーターでやっと泣く姿をみると、本当に悔しかったんだろうな、自分の人生を報道に賭けていたんだろうなということがよくわかる。両目から同時、同速度でこぼれる涙が美しすぎた。

でも、誠司が殺人犯ではない可能性が多いあることを思えば、これは見切り発車な報道をしないですんだ、ということなのかもしれない。誤報となればそれこそ大問題だから。ここから桔梗の大逆転があると信じたい。

そんな中、テレビ局の前には「天樹くん」こと誠司の姿が。ついにバラバラにみえた3つの物語が本格的に交わりだした。ここから物語も一気に加速していくはず。

(文:綿貫大介)