石川恋「作品作りに年齢は関係ない」『猫カレ』共演・齋藤潤の芝居に向き合う姿に刺激

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石川恋「作品作りに年齢は関係ない」『猫カレ』共演・齋藤潤の芝居に向き合う姿に刺激

石川恋さんが主演を務める新真夜中ドラマ『猫カレ ‐少年を飼う‐』(BSテレ東、毎週土曜24:00~)が、10月7日より放送スタートしています。

20万部超え、「今一番報われてほしい年の差恋愛」として多くの読者を魅了する、青井ぬゐ原作の人気コミック「少年を飼う」(ゼノンコミックス/コアミックス)をTVドラマ化。30歳の独身キャリアウーマンと16歳の猫系男子の同居生活を描いた、ホーム・スイート・ヒューマンドラマです。残業や深夜帰宅は当たり前、結婚ラッシュどころか終電にすら乗れない日々を送っている森川藍(石川さん)が、猫のようにマイペースな少年・凪沙(齋藤潤さん)と出会い、日常が少しずつ変わっていく様子が展開します。

この度、本作で連ドラ初主演を務める石川さんにインタビュー。役と同じく14歳差となる凪沙役・齋藤潤さんとのエピソードのほか、若いスタッフが多かったという現場から得た“思い”などを語っていただきました。

凪沙役・齋藤潤のおかげで「自然と藍の感情になれた」

――本作で連続ドラマ初主演となります。オファーを受けた時のお気持ちを聞かせてください。

今までもたくさんの作品に参加してきましたが、その作品の中には必ず主演という、現場を引っ張ってくれる先輩がいてくださいました。その姿を思い浮かべると「自分に務まるのだろうか」と不安になったのですが、これが初めてだし、あまり気負い過ぎないでおこうと思いました。

いざ撮影に入ってみると、共演者の齋藤潤くんを始めスタッフの方も年下の方が多い現場で、「年上の自分が引っ張っていかなければ!」と思うこともありましたが、全員が自分の仕事に責任感を持って取り組んでいる姿を見て、私の方がずっと支えられていたと思います。

――最初はプレッシャーを感じていらっしゃったんですね。

はい。ですが、主演のことよりも、藍というキャラクターをどう表現しようかとお芝居のことを考える時間が一番多かったです。主演だから現場にいる時間が一番長かったこともあり、その分スタッフさんや共演者の皆さんとコミュニケーションを取る時間が多く、おかげで藍というキャラクターをより深く追求していけたと思います。

――そんな藍について、どういう役作りを行ったのでしょうか。

藍は、周りが結婚・出産していく中、30歳までバリキャリという強い鎧をまとって一人で生きてきた女性です。それが凪沙と出会うことで、鎧が徐々に解けていき、飾らない自分を見せられる存在に出会えたことでどんどん変わっていく。その、だんだんと弱さを見せていくギャップを上手く表現できたらと意識して演じました。

――藍役と発表された第一報で、「共感できる部分が多い」とコメントされていましたね。

原作を読んだ段階で、藍の台詞と感情に共感できる部分がとても多かったです。それにより自然と藍と自分が重なり、あまり意識しなくとも、藍というキャラクターを作り上げられた気がします。でも一番はやっぱり、凪沙役の潤くんのおかげですね。潤くんが凪沙としてずっと隣にいてくれたから、自然と藍の感情になれました。

「作品作りに年齢は関係ない」この作品を通じて得た“思い”

――「年齢差」がキーワードになっている本作。ご本人たちも同じ年齢差なのがポイントになっていますが、撮影中に“差”を感じる瞬間はありましたか?

この1か月半撮影してみて思ったのは、人と人とが出会って生まれてくるものは、年齢は関係ないということ。役柄と同じく潤くんと私も14歳差なのですが、現場ではお互いひとりの俳優として対峙していたと思うし、作品を作る上で年齢を意識しなくなりました。藍と凪沙が出会い、一緒に住むようになった中で生まれるものも同じだと感じます。

あ、でも潤くんがすごくピュアだなと思った瞬間があって。私はコンタクトをしていて彼は裸眼なのですが、「メガネと一緒でコンタクトもラーメンとか食べると曇っちゃうんだよ」って言ったら、「えー! そうなんですか!?」と素直に驚いていて(笑)。ピュアでかわいいなと思いました。

――(笑)藍と凪沙のように、撮影を通じて石川さんと齋藤さんの距離も縮まっていったんですね。

そうなんですよ! 最初はなかなか距離が縮まらなくて本当に藍と凪沙のようなスタートだったのですが、毎日一緒に撮影する中で潤くんのことを知っていき、関係性が構築できたからこそ、お芝居でも信頼関係が生まれました。藍と凪沙の関係が、撮影を通じて私と潤くんにリンクしていきました。

――藍は凪沙との同居生活の中で癒しをもらいます。石川さんは、お仕事で年下の人と関わって何か「学んだ」「得た」と思った瞬間はありますか?

これも潤くんの話になってしまうのですが、本当にお芝居に真っすぐで、ミスした時に人一倍悔しがっている姿を見て、とても刺激を受けました。私もここまでお芝居に真っすぐ向き合い、頑張らなければと思わされました。

また先ほど、現場のスタッフさんも若い方が多いと言いましたが、演出部にインターンの子が入っていたんです。最初は場ミリの貼り方もわからない・カチンコも打てない状態から、この1か月半の撮影でキビキビと動けるようになったのを見て、吸収力・成長の速さに驚かされました。

――最後に、ドラマを楽しみにしている視聴者にメッセージをお願いします。

藍と凪沙くんが一緒に暮らすことで、少しずつ距離が縮まっていきます。その絶妙な変化にはかなりこだわったので、距離が近くなっていく瞬間を毎話通して楽しんでもらえると嬉しいです。

(取材・文:米田果織、撮影:松本理加)

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