渡部篤郎“天川考四郎”のオーダーメイド衣装に注目!堤幸彦監督とともに『ノキドア』の魅力を語る

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渡部篤郎“天川考四郎”のオーダーメイド衣装に注目!堤幸彦監督とともに『ノキドア』の魅力を語る

松村北斗さん(SixTONES)・西畑大吾さん(なにわ男子)がW主演を務めるドラマ『ノッキンオン・ロックドドア』(テレビ朝日系、毎週土曜23:00〜)の第6話が、9月2日に放送、及び民放公式テレビ配信サービス「TVer」にて無料リアルタイム配信されます。

同ドラマは、松村演じる事件のトリック=【HOW】解明を得意とする「不可能」専門探偵・御殿場倒理と、西畑演じる動機や理由=【WHY】を読み解く「不可解」専門探偵・片無氷雨がW探偵として《奇妙な難事件》に挑んでいく物語。

今回は、主人公の2人に助言を与えるキーマンの大学教授・天川考四郎を演じる渡部篤郎さんと、メイン監督を務める堤幸彦氏にインタビュー。連続ドラマでは21年ぶりとなったタッグを振り返りながら、天川という役柄に込められた背景やドラマの注目ポイントなどを伺いました。

「“かっこいい男”が年齢を重ねるとどうなるのか──」21年ぶりのタッグに感じた感慨

──お二人は、連続ドラマでは実に21年ぶりのタッグです。

堤:最初に組んだときから、渡部さんのことは「“かっこいい男”代表」だと思っていましたから。その“かっこいい男”が年齢を重ねるとどうなるのか、というのを今回のドラマで目の当たりにできて、感無量でしたね。

渡部:僕にとって、プレーンな気持ちで現場に行って芝居をすることが一番難しいことだったんです。でも最近は、少しずつそれができるようになってきたかなと思います。監督のことは昔から知っていますけれど、とくにそこに対して気負いを感じたことはないですね。とにかく、与えられた役をきちんと演じるという部分が何より大変ですから。そういう意味で今作も、僕にとって良い試練になったと思います。

堤:役者と演出家という意味では、本当にフラットでプレーンな関係性でしたね。こういうところにこそ、渡部さんのかっこよさがある。今回はそれをぜひ撮りたかったので、うまくいって嬉しかったです。

まぁ、渡部さんは自然体でいらっしゃるっていうけれど、私から見た渡部さんは、昔から気負いがあるイメージで(笑)。でも、それがよかったんですよ。そういう“出ていた”部分が年齢とともに変わって、存在感が出てきた。これはなかなか狙ってやれることではないですよ。

──TVerではお気に入り数が48万(9月1日時点)で、SNSでも大きな反響になっています。

堤:周りでも「見た」という話をよく聞きます。渡部さんを見たくて見たという人も多いですね。支えていただける視聴者の存在は本当にありがたいですよね。スタッフのみんなにとっても、この反響は、もうひと踏ん張り、最後まで走り抜ける力になります。ぜひ皆さんでガンガン盛り上げていただけるとうれしいですね。

渡部:作ってる側からしたらすごく励みになります。家族も(出演を)喜んでくれていて、それはもう嬉しいですね。家族で3〜4回繰り返し見ますから。

犯罪トリックを作り出す側・事件の謎を解く側の両方から師と仰がれる人物、天川考四郎

──大学時代の恩師として倒理と氷雨の2人に助言を与えつつ、回を増すごとに謎めいた印象が強まっていく天川ですが、実際のところ、彼はどんな人物なのでしょうか? 演技や演出の面で意識された点があればお聞かせください。

渡部:今回、天川はこういう人間なんだとハッキリわかるシーンというのがないんですよね。唯一わかるのは、天川という人間の人生観だけ。演じるうえでも余計なことは付け足さず、(視聴者に)そのまま感じ取っていただくことを意識しました。

堤:どう見てもめちゃくちゃ怪しい立ち位置ではありますよね、天川という人物は。いろいろなことを想像できるというか。渡部さんとは数多くの作品をご一緒してきましたが、こんなに複雑なキャラクターは初めてです。

犯罪心理学を研究する天川のゼミ生たちは、卒業後、探偵、犯罪コンサルタント、警察と、さまざまな場に出ていきます。職業こそ別々ですが、根っこはみんな「犯罪」という共通点でつながっている。彼らにとって天川は犯罪という世界の複雑さや深さを教えてくれた共通の“師”であり、立場こそ違えど、等しく仰がれる存在というわけです。

犯罪を作り出す側と事件の謎を解く側の両方から尊敬される人物って、とてもひねくれた存在ですよね。だからこそ、天川はフラットな存在として描こうと。複雑な関係性のなかにあって、当の本人は「いたって真面目でまっすぐな人」でいてもらおうと考えました。

──SNSでも話題になった天川の「アディオス」ですが、当初は台本になかったそうですね。

堤:これまでの作品は、だいたいどこかしらに遊びどころがあったんですよ。でも今回は時間の制約もあってなかなかそれがなかったので、「一言だけ、お願いします!」と渡部さんにお願いして。いままでの私と渡部さんとの付き合いの延長線上にあたるポイントがどこかひとつ欲しかったので、あえてその場でいきなりお願いしました。

渡部:これまで堤さんがいろいろなベテラン俳優の方々に突然オーダーするのを見てきましたからね。中でも僕は特に言われやすい立場だろうとハラハラしていたんですが、思ったよりも簡単でホッとしました(笑)。

堤:「チャオ」でも「再見」でもなくて、やっぱり「アディオス」がいちばんしっくりくる塩梅なんですよね。空気の響きが違うというか、天川のキャラクターを象徴的に表す言葉だと思います。

衣装のスーツを自ら特注。心身ともに“天川”になって起きた変化

──今回、天川が着ているスーツは、渡部さんが自ら仕立てたものだとか。

堤:そうそう。今回のためにわざわざ渡部さんが仕立てたものなんですよ。

渡部:そういう“オーダー”が監督からありましたので。今回はブリティッシュ風のコーディネートで固めました。

堤:天川という人物は、本当にスタイルとして完璧であってほしいと思いまして。衣装部さんにはいつも素敵な衣装を揃えていただくのですが、やはり自分でオーダーして、自分のサイズで作ると、全然印象が変わるんですよ。

渡部:単に自分の体にフィットしたものを作るのは簡単なんですが、「こう見せたい」といった部分は、やはり自分の目線で細部にこだわらないと作れないので。

堤:まさにダンディズムの結晶ですよ。素晴らしい!

渡部:普通にスーツを作ってしまうと、政治家さんみたいな雰囲気になってしまうだろうなと。監督が何を求めているかはわかっていたので、店で担当の方と相談しながら、自分でいろいろと組み立てていきました。

──天川のキャラクターを服装のデザインにも取り込んでいったのですね。

渡部:最初の打ち合わせのときに役のイメージを聞いていたので、それを突き詰めてみようかと。スーツに合わせる時計、靴、メガネにもこだわりました。

堤:そのこだわりのおかげですかね。高い気温のなか現場にいても、すごくクールに見えるんですよ。

──心身ともに“天川考四郎”に?

渡部:もはや、暑いとか寒いとか、そういうことを気にしなくなるんですよ。たしかに体感的には暑いけど、「言うだけ無駄でしょう」という気持ちになっていましたね。

堤:渡部さん自身のいろいろな思いが凝縮されたうえで、そこに一種の達観が合わさって、いろいろな役や台詞を楽しめるようになってきているのではないかなと。そんなことを横で見ていて感じましたね。

「見直すほど“味変”が楽しめる」堤監督が語る見どころ

──『ノキドア』のこれからの見どころをお聞かせください。

堤:今回の『ノキドア』はきちんと謎を解いていく正統派ミステリーですが、謎を解いた先には、さらに深いものがやってきます。「不可解」というジャンルをさらに超えた先に、若い主人公2人では見えないものが見えてくる。そういう意味では、ある種の“成長モノ”としても楽しめるドラマにもなっていると思います。

実はこれまでの各話ごとに、ヒントにつながる要素を盛り込み続けています。もしかしたら、これまで少ししか出てこなかったことかもしれないし、ずっと気になってしまうくらいに露骨なものだったかもしれない。そうして1話から仕掛けられてきた謎が、最終話ではすべて解決します。

倒理、氷雨、早乙女太一さん演じる犯罪コンサルタントの糸切美影、石橋静河さん演じる刑事の穿地決。この4人と天川がなぜそこにいるのか、なぜそういう発言を繰り返ししているのか。なぜ不可能、不可解で、なぜあの人は犯罪コンサルに、あの人はなぜ刑事になっているのか──最終話まで見ていただけると、すべて腑に落ちると思います。

ちなみに、謎は徐々に明らかになるとは限りませんからね。瞬間で謎が解ける場合もありますから。最終話を見るときには目を皿のようにしていただいて。もし見逃してしまった方は、ぜひTVerで繰り返しご覧いただけたらと思います。画面の真ん中ではなくて、画面の端にヒントがあるかもしれませんからね。見直していただくたび、さらなる“味変”が楽しめるかと思います。

──長くエンタメの世界で活躍されているお二人。エンタメの世界も大きく変化してきましたが、お二人からの目線で、今後のエンタメ界に期待していることや、実現していきたいことがあれば教えてください。

渡部:今後、ご覧いただく形が増えるにつれて、それに対応した演技や演出も求められていくことになると思います。もっといろいろな準備をしておきたいですね。

堤:テレビが大好きなので、やれる限り続けたいと思います。でも、これだけ配信が膨らんでいって、視聴形態が地上波の1回のオンエアでは済まないと。そのなかで1回しか見られないものにも価値があると思っているんです。舞台もそうですし、昔は生ドラマもありましたから。

渡部さんとお話をさせていただくのは光栄なことですが、同時に「こんなにマイナーなものを撮っているんだ」という作品も含めて、“自分の演出のあり方”にしたいと。70歳を越えて何本取るかわからないですが、チャレンジしていきたいと思っています。

取材・文:天谷窓大

オシドラサタデー『ノッキンオン・ロックドドア』
毎週土曜よる11:00~ テレビ朝日系
松村北斗(SixTONES) 西畑大吾(なにわ男子) 
石橋静河 畑芽育 駒木根隆介・早乙女太一・角田晃広 渡部篤郎 ほか

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