ロンブー淳×加地Pが提案する『ロンハー』TVer限定動画の新たな視点「ほかの番組もやるべき」

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ロンブー淳×加地Pが提案する『ロンハー』TVer限定動画の新たな視点「ほかの番組もやるべき」
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現在、TVerでは『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系、毎週火曜23:15~)の「TVer独占シリーズ」と題したTVerでしか見られない限定動画が配信中。こちらは、ロンドンブーツ1号2号田村淳さんが、ゲストとともに、『ロンドンハーツ』の過去放送回の面白いシーンをVTRで振り返りながら、感想を語りあう特別企画です。

今回、地上波はもちろん、TVer特別企画も好調な同番組の魅力を探るべく、MCを務める淳さんと、番組演出・エグゼクティブプロデューサーの加地倫三さんにインタビューを行いました。

TVerが番組の“宣伝”を担う役割に

――「TVerアワード」で2年連続受賞(2020年「バラエティ大賞」、2021年「特別賞」)するなど、TVerユーザーにも愛されている同番組。地上波以外にテレビコンテンツを届けられる場所があることに関して、それぞれのお立場で思われていることを教えてください。

淳:僕としては、じつは出どころはどこでもいいと思っていて。でも、今まで見ていなかった人がTVerで見たり、見逃した方が、自分の好きなタイミングで楽しんだり、層が広がっていると思うので、(自分たちが)表現をする場、(画面の)その先に楽しんでくれる人が増えるというのは、単純にいいことだし、嬉しいです。

加地:僕も基本は一緒です。みんなの生活様式が変わる中、時代の流れに合わせてテレビをより多くの人に見てもらうのはいいことだと思っています。ただ、TVerの取材で言うのもなんですけど、それでも僕は“テレビで見てほしいな”という思いは強いです(笑)。個人的には、“たまたまTVerで見たから、今度はテレビで見よう”という宣伝の役割を担ってくれると一番いいのかなと思っています。

――「23時15分に見てもらう」というのも意識しているのでしょうか?

加地:そうですね。たとえばゴールデンで放送するときは多少マイルドに作るじゃないですか。それを夜中に配信で見たときに「なんだよ〜」と思われるなら、TVer用に作り替えたいくらいです。

淳:(地上波のゴールデンで)カットした部分でも、TVerだったら大丈夫ですよね。

加地:そうそう。そんなことができたら最高ですけどね。

淳:とにかくたくさんの人に見てほしい気持ちが大前提にあります。マスメディアの中で、テレビが一番見てもらえる(コンテンツ)というのは当然なんですけど、そこに合わない人が出てきている時代に、TVerが埋めてくれるのはすごく大きいことだと思います。

制作費1億円で海外“ドッキリ”ロケへ!?

――地上波のレギュラーと「TVer独占シリーズ」で今後チャレンジしたいことはありますか?

加地:TVerさんが1億くらい出してくれたらデカいことやりたいですよ(笑)。1時間もの8本とか長尺企画を作りたいですね。

淳:(もし叶うなら)ドッキリの長期企画を海外でやりたいですね。たとえば、ロシアで出川(哲朗)さんを落とし穴に落とすって奇想天外だったし、出川さん自身も“まさか海外で『ロンハー』に!”って、かなり驚いたと思うんです(※当時、別れた同棲相手の結婚を止めようとしていた出川。その本気度を確かめるため、ロシア人の元彼女に仕掛け人になってもらったドッキリ)。

加地:しかも、あのときは、急にロシアだと怪しむから、フランスでニセロケを入れてから、ロシアに行ってもらったからね。そういう“必要なムダ”にお金をかけないと、とは思っているので、お金さえ出していただければ企画はやりたいです(笑)。

淳:(当時は数秒しか放送しなかったが)出川さんのニセロケ番組も素材としてはあるんですよ。あの出先も、今だったらたくさんあるじゃないですか。そういうものも流せたら面白そうですけどね。

――個人的に見てみたい企画です(笑)。現在、TVerでは『ロンハー』の過去企画を振り返る動画が配信中ですね。

淳:過去の映像ってテレビが持っている宝じゃないですか。それをこういった形で表現できるのは、ものすごく有益なことだと思います。いまみたいに僕たちの視点で番組を振り返るのもあっていいと思うんですけど、加地さんたち(スタッフ目線)の「ここは本当はこうしたかった」といったような副音声的な振り返り企画があっても面白いと思うし、ぜんぜんコンテンツになると思います。今まで撮ってきた分のドッキリ素材はあるから、何周も楽しめそう。

――テレビ好きにはたまらない企画ですね。

淳:そう思いますね。(視聴者が)“やっぱりテレビってすごいんだ”って感じると思うんですよ。過去の作品を見て、“こんなバカなことに、こんなに情熱を注いでるんだ”と、新たな形で伝わっていけばいいなと思います。

加地:確かに自分でも昔の企画を見たときに“すごい情熱でやってるな”と思うことがありますね(笑)。(淳考案の企画については)毎週番組を作るとなると、どうしても追われてしまうから、意外とゆっくりひとつの企画(仕事)に携わるのが難しいんですよ。だから、立ち止まる、振り返る場としてはいいかもしれないですね。

それは僕らだけではなくて、ほかの番組でもやるべきだし、それを演者やスタッフが見合えば、気づくこともあると思います。たとえばTVerで日本テレビの映像から神回を紹介する番組『神回だけ見せます!』が配信されていますけど、あれも同じような意図だと思うんですよね。

――いまの視聴者が新作として楽しめるだけでなく、制作陣のためにもなると。

加地:作り手側ってどうしても“今のテレビってこれが視聴率とれるよね”と流されてしまうんです。ましてや予算がなくなってきて、コスパのいいものを求めてしまう。そうなると、それが当たり前の世界になってしまうんですよ。

でも、そうやってアーカイブを見ると“テレビってこういう世界だったよな”と思い出すきっかけになって、新しい番組が生み出されるかもしれない。「今の視点と昔の視点をかけ算して面白いものを作ろう!」という若い子が出てくる、という意味でもいいなと思います。僕も昔の番組を見て“そうだよな”って企画を思いつくこともありますし、ヒントは転がっていると思いますね。

現場で繰り広げられるアイコンタクト

――『ロンハー』は、多くの芸人さんの憧れの場でもあると思います。若手の方々と収録をともにする中で、どんなことを考えながら臨まれているんですか?

淳:あえて“芸人ウォッチャー”をしていないので、(ゲストでくる若手などは)『ロンハー』で会うまで知らない人ばかりなんですよ。どんな人か分からない方がイジりやすいですし、僕は僕の目線で、ほかでイジっていない感じが『ロンハー』で出ればいいなと思っています。

――収録中に見極めて、淳さんなりにイジっていくんですね。

淳:現場にいる加地さんが(企画の)本筋を作っているので、(加地さんと)アイコンタクトをとりながらやれるのは大きいのかなと思います。

加地:『ロンハー』の場合は、(ゲストが)何も知らないで出る機会が多いので、“ここで爪痕残してやる”ではなく、フワフワしたまま出ることが多いんですよ。

淳:いきなり神輿に担がれるパターンがほとんどですからね(笑)。

加地:恥ずかしいところをイジるから笑いはあるけど、本人的には自分の力で笑いをとったとは思っていないんじゃないですかね。狩野(英孝)とかもそうです。いつも「なんの手応えもない」と言ってるもんね。

淳:そうですね。青木さやかも「このまま放送されるのが不安」と言ってましたね。

――番組側や淳さん側から、なにか意図して芸人さんに“与えているもの”はありますか?

加地:『ロンハー』はちょっと特殊なんですよね。本人としては意図していないキャラクターだったり、“こんなはずじゃなかった”と思ったりしているんで、不本意だらけというか(笑)。

淳:千鳥ノブとか、かまいたちの濱家(隆一)とか、たぶん最初は不本意だったと思いますよ。

加地:(番組で名付けられた)ノブ小池(ノブ)とか、いすのうえ隆(濱家)とかね。ただ、そういった面を出せたことで、本人たちは「ラクになった」と言いますけどね。あとあと、いろいろな仕事をするときにラクになるんだと思います。

――確かに番組を経て覚醒したイメージがあります。

淳:僕は僕で面白そうだと思ったところを掘るんですけど、そこで(面白いやりとりや新しい一面が出てくるなど)ちょっとした光が見えたときに、加地さんの“ここが掘りどころだ”という軍配が出るんですよ(笑)。加地さんが現場でケラケラ笑っているということは、“これはヨシとしているのね”とか、カンペがフラフラしていたら“もう興味ないんだな”というのも分かる(笑)。

加地:(笑)。

――おふたりの“面白くなりそう”という方向性にブレはないものですか?

加地:そうですね。本番中はものすごくアイコンタクトしているので(笑)。

淳:“これはいかなくていい”とか“ここは面白がっていい”とか、カンペではないところで分かるようになっていますね。

加地:収録中に頭の中で編集しているんですよ。ドーンと面白いものがあったとき、次の手を出しても絶対に編集でカットになるから、出さないこともあります。たとえば、1時間の収録で2時間半撮ったとしても、それが必ずしも面白いとはかぎらない。収録した全部の要素を入れようとすると、浅くなって深くいけなくなるんですよね。

想定外な奥深い魅力を持つ“あの人気芸人”

――人気企画を生み出してもそれだけに固執せず、新しい企画を生み出すチャレンジをし続けているイメージがあります。企画を作る際のこだわりを教えてください。

加地:もう24年近くやっているので、いい時も悪い時もあるし、定期的に悩む時期もありますね。だからその都度、軌道修正。いまの時点の『ロンハー』で、何が必要なのかを考えています。

ウチはゲストが多く出る番組なので、お笑い界が元気なときもあれば、元気ではないときもあるし、若手が出るときもあれば、中堅がいっぱい出る時期もある。時代によって選手層が違うわけです。たとえば昔にやめた企画も“芸人の波が変わってきたし、いまやると面白そうだな”とか。そうしてチューニングしている感じですね。あとは淳も(田村)亮も年齢を重ねて立場も変わってきているから、それに合わせるということもあります。

――淳さんは『ロンハー』の企画について思うことはありますか?

淳:(MCとして)交通整理をする中、(企画によって)その仕方は変わってくるんですが、現場に行けば“楽しい”があるので、どうやって楽しむか、スタッフさんが作ってくれた骨組みを、いかに僕たちで装飾できるか、どうやればその楽しさが見ている人と同じ感覚になれるか、を考えていますね。

加地:僕は、打ち合わせをガッツリするタイプではないんですけど、その中でも淳には、番組の流れ、ゴールまでの筋道を理解してもらったうえで臨んでもらいます。『ロンハー』 は、淳がネタの軸となるアンケートを読みながら進行する企画も多い。ゲスト側が何も知らないでくることもあるので、回す側が細かい流れを知っておかないとグシャグシャになってしまうんです。だから、ある程度“こうしたい”と思うもの、細かいところを伝えています。

ほかの番組(加地Pは『アメトーーク!』『テレビ千鳥』などを担当)は、そこは言わずに、要所だけでカンペを出してやっていることがほとんどで、たとえば『アメトーーク!』だと、ゲスト側がしっかり組み立てるから、MCの蛍原(徹)さんの打ち合わせはそんなに細かくやらない、とか。そういう意味で、淳は“交通整理”と言ってくれたんだと思います。

――番組には、有吉弘行さん、アンタッチャブル山崎弘也さんもご出演されています。このおふたりがいるのは心強いものですか?

淳:茶化すし、壊すし、組み立てるし……そういうことをやってくれるのは、すごくありがたいですね。企画で軽くやっていたものが、(2人が介入することによって)化学反応が起こって、すごいものに昇華することがあるんですよ。『ロンハー』の空気を知っている人がいてくれるのはありがたいですね。

加地:あとは同じ言葉を言ったとしても、淳が言うと“番組側が言っていること”になって重く感じられやすいんですけど、それを有吉や山崎が、いい意味で外野として無責任に言ってくれるから、そんなに重く捉えられないんですよね。2人がいると厚みが出るし、とても大事なポジションだなと思います。

――『ロンハー』では多くのスターが誕生しました。実力はもちろんのこと、バラエティや『ロンハー』で輝く芸人が共通して持っているものはなんだと思いますか?

加地:昔から言っているのは淳との相性ですよね。いわゆる淳のおもちゃ(笑)。淳が面白がって“おもちゃにしたい”と思う人の方がハマりはいいのかなと思います。唯一、ゆってぃだけはハマりませんでしたけど。

淳:(笑)。

加地:“おもちゃ見つけたな”と思ったけど、そうじゃなかった。途中で故障しちゃった(笑)。

淳:“メンタルが強い”とはまた違うんですけど、独特な勘違いとか、独特なメンタルとか……とにかく全部が独特なんですよ。その独特感をつついたときに、怒る人もいれば、シュンとする人もいて……そういうところでいろいろなスターが出てくるなと思います。それを僕も楽しんでいますね。

――特に発見の多かった芸人さんはいらっしゃいますか?

淳:狩野はだいたい分かるようになってきたんですけど、パンサーの尾形(貴弘)は、まだ分からないところがあります。まだ何かあるような気がして……。

加地:“分からない”というのは、まだまだいろいろな面があるということ。(尾形に)ドッキリをやったときに、必ず我々の予想を超えたところにいくんですよ。想定のラインより上にいってくれると嬉しいんですけど、尾形の場合は違うラインにいっちゃう(笑)。だから途中で企画を変えていくんですよね。

淳:想定外のことが起きるのも宝ではあるんですけど、(尾形の場合は)ゴール先そのものが変わっちゃう(笑)。ほかのドッキリ番組って、ある程度“想定をつけたゴール”を切らせるために走らせるのに、『ロンハー』は、途中で企画をガラッと変えて、違うゴールを切らすこともヨシとしているんですよ。そう考えると、尾形はどこに走るか分からないドキドキがあって面白いですね。

(取材・文・写真:浜瀬将樹)

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