寿司は「すす」?焼肉は「しゃぎにぐ」?激ムズ!不屈の東北魂を支える、みちのくランゲージ!

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寿司は「すす」?焼肉は「しゃぎにぐ」?激ムズ!不屈の東北魂を支える、みちのくランゲージ!

東日本大震災から10年。あらためて思い出しても痛ましい災害だったが、月日を重ね、それぞれの被災地で復興が進んできている。東北のみなさんの不屈の魂から、私たちが学ぶべきことは多い。そんな東北魂は、みちのくの独特の文化が支えてきた。中でも東北訛りは他県民にかんたんには真似できない。とくに激ムズの発音をこの機に学んでみよう。

東北の人の中には「き」と言ってるのに「ち」と聞こえる人がいる。「きみ」と言ってるはずが何度聞いても「ちみ」としか聞こえない。東北大学大学院の小林隆教授によると、「き」と「く」の中間、「し」や「す」が加わったような発音だという。なんだそれ、外国語みたい。高度すぎて、他県民には発音できない。これが進むとだんだん「ち」に近づいていって中には「ち」とまったく同じ発音をする人もいるそうだ。

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秋田山形の内陸部に多いというので行ってみると、ほんとにみなさん「き」を「く」や「し」や「す」が混じった不思議な発音をする。あえて言えば「ち」に聞こえる。「桃の木」は「桃のち」、「黄色いシャツ」は「ちいろいシャツ」。「キング牧師」は「ちんぐ牧師」、「きんぴらごぼう」は「ちんぴらごぼう」にしか聞こえない。

さらに小林教授が言うには、山形県の内陸部では「やいゆえよ」を「じゃじぃじゅじぇじょ」とか「しゃししゅしぇしょ」と発音する傾向があるそうだ。かえって言いにくそうに思えるのだが、そんな発音ほんとにするの?ところが山形県に行き、出会ったおっちゃんに「有名なお寺」はありますかと聞くと「じゅうめいなお寺」と発音する。「山寺」と言いたいらしいのだが「シャマデラ」と言っている。インドの地名みたいだ。

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畑作業のおっちゃんコンビに「焼き肉」と書かれたフリップを見せると、「やきにく」と答えた相方に対し「何言ってんだよ、こないだもしゃぎにぐさ行かねえか、って言ってたべ」ともう一方のおっちゃんがつっこんだ。焼肉は「しゃぎにぐ」と発音するのがここでは普通なのだ。

東北の中でも一段と訛りがきつい青森県。ここでは「し」を「す」と発音する人が多い。「寿司」をどう聞いても「すす」と言っている。汚れた煙突の写真を見せると「すす」と答え、「寿司」の写真は「すす」と言う。同じですねと言ったらおばちゃんが「アクセントが違うべ!」と反論。寿司は語尾が上がる「すす」、煙突の煤は語尾が下がる「すす」。「分かるべや!違うべや!」と迫るのだけどすみません、わからないです!

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また「ひ」を「へ」と発音する傾向もある。「マントヒヒ」の写真を見せたおばちゃんは「マントへへ」と発音する。「これヒです、ヒ!」と強調してみたが「はあ?へだよなあ、カタカナのなあ」カタカナかどうかの問題ではないですけどね。

10年経って東北が立ち直ってきた一方で、今度は日本中をコロナ禍が覆っている。東北の人びとが毎年春を待つように、今年はみんなで春を待とう。温かくみんなが笑顔で集まれる春はいつ来るのか、きっともうすぐだ。そうしたらみんなで、「しゃぎにぐ」や「すす」を食べて笑いたいね。きっといつもの何倍もおいしいしゃぎにぐやすすだっぺ!

【文:境 治】