影山貴彦のウエストサイドTV 第36回 映画館ではお静かに! 影山貴彦のウエストサイドTV【36】

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影山貴彦のウエストサイドTV  第36回 映画館ではお静かに! 影山貴彦のウエストサイドTV【36】

「関西人はエレベーターの中でも喋ってる!」と東京の友人に指摘されたことがあります。エレベーターの中で大きな声で話をする方は、関西の方が多いですね。電車の中でも、関西の車両は東京の車両に比べて、乗客の会話のボリュームが大きいような気がします。

もちろん、個人差があるのはどの地域でも同じですが、コロナの禍中、私たちひとりひとり、公共の場での声をもう少しずつ絞ることが必要だと思います。隣の人が大声で喋っていると正直怖く感じる、そんな時代であることを意識すべきでしょう。余談ながら、車掌さんの声も東京より関西の方が大きく感じられることが多いです。スピーカーが割れんばかりに喋って、逆に聞き取りにくい、そういうのって勘弁していただきたいですね。

映画館によく足を運びますが、かつてよりお客さんのマナーが悪くなっているような気がするのですが、いかがでしょう?後ろの客が椅子を蹴ったり、大きな音を立てて物を食べることにも閉口しますが、いちばん我慢できないのは上映中のお喋りです。あまり気の長いほうではありませんので、何度か席を立ち、直接注意したこともあります。けれどそういう行為は、私自身も正直あまり気分のいいものではありませんし、何よりその後映画に集中できなくなってしまうこともあって、逆効果になりがちなのです。(苦笑)。

本編上映中は静かにする、これは常識中の常識ですが、予告編はどうでしょう?私は、予告編も作品だと考える人間です。席に着いた瞬間から、非日常のエンターテインメントの世界に誘(いざな)われたいのです。予告編の間は、まだ百歩譲って必要最小限の会話、ごく短い場合は目をつぶりますが、家でテレビを見ているかのように、感想を大きな声で言い合いながら見ている客が近くにいると、心穏やかでなくなってしまうのです。

こんなことを書くと、「そんなことに目くじら立てずに、楽しんだらええやん!」という人が必ずいるのですね。そんなあなた、大きく間違っています。楽しいのは自分だけ。あなたの無神経な会話により、楽しさを台無しにされている人たちに、どうか想像力を働かせてください。
「エンターテインメントを楽しむにも作法あり」
時折大学の教え子にも伝えている言葉です。


執筆者プロフィール
影山貴彦
同志社女子大学メディア創造学科教授
(メディアエンターテインメント)
コラムニスト
元毎日放送(MBS)プロデューサー・名誉職員
ABCラジオ番組審議会委員長
毎日新聞等にコラム連載中
著書に「テレビドラマでわかる平成社会風俗史」、「テレビのゆくえ」、
「おっさん力(ぢから)」など

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