開成・東大が誇るクイズ王・伊沢拓司さんが「あえてやらなかったこと」とは?伊沢式暗記法も伝授

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歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通してその秘密に迫る「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。MCに登坂淳一角谷暁子(テレビ東京アナウンサー)、解説におおたとしまさを迎え、「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回は「こうして神童は誕生した!天才がやったことやらなかったことSP」をお届け。ゲストに、開成・東大が誇るクイズ王・伊沢拓司さん、伊沢さんを「芸能界一愛している」という菊地亜美さん、伊沢さんが「この方も凄い!」と語る現役東大生で「ミス東大コンテスト2019」グランプリの上田彩瑛さんを迎えておくる。

伊沢さんといえば、東大合格40年連続日本一の超名門・開成高校出身。高校生クイズで2連覇を達成し、現役で東大へ。そんな伊沢さんが実践した「やったこと」「あえてやらなかったこと」とは?

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伊沢さんが教えてくれたのは、「伊沢式 ミクロ暗記とマクロ暗記」。暗記といえば闇雲にやるものだと思われがちだが、「受験は基本的に知識が入っていないと解けないので、暗記こそ大事。覚えるものを"ミクロ暗記"と"マクロ暗記"に分類して、やり方を変える」と伊沢さん。

"ミクロ暗記"とは、英単語や漢字など細かい部分まで覚えてないと点数にならないもので、一日に何度も反復して覚える。"マクロ暗記"とは、世界史の流れや数学の解法など、流れが分かっていれば得点になるもの。こちらは一字一句覚える必要はなく、伊沢さんは電車に乗っている時に数学の問題を見ながら「どんな流れで解くんだっけ」とペンを動かさずに考え、答え合わせをしていたという。

このように、覚えるものの対象ごとにやり方を変えるのが伊沢式。「結局暗記って点数のためにあるので、覚えることに意味があるのではなく、どう使うかが大事。どう使うかというところから逆算して覚え方を考えるのは、資格試験にも応用が効く」と語った。

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さらに、「(受験生の時は)22時以降の勉強をやめた」と話す伊沢さん。終了時間が決まっていないとダラダラ続けてしまうため、「今日はここまでに必ずやりきるぞ」と目標を決めて勉強。夜遅くまで勉強をして翌日眠いと、集中力が落ちて効率が悪いという理由も。どうしても眠くなった時は、自習室の先生に「すまん、20分寝る!」と宣言して仮眠をとっていたという。

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こちらは、大阪・四天王寺高校から最難関・東大理科三類に現役合格した上田さん(医学部3年)のスケジュール。伊沢さんと同じ理由で0時には寝るようにしていたというが、机に向かって「何時までやろう」と考える時間が無駄だと感じ、毎日やることをルーティン化。さらに、1日の中で「SNSにかける時間が長い」と気づいた上田さんはアプリをアンインストールし、SNSを一切見ないようにした。「流行より勉強という思考になったので、『アプリをインストールしたら受験に落ちる』みたいな暗示を自分にかけて1回も見なかった」と話す。

続いて、天才高校生たちが「やったこと・やらなかったこと」も紹介!

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まずは「日本数学オリンピック」金賞で、「国際数学オリンピック」の日本代表に選ばれた灘高校2年生の沖祐也さん。沖さんが数学に興味を持ったのは、なんと幼稚園年長時。計算ドリルを買ってもらい、数字の楽しさに目覚めたという。そんな数学の天才・沖さんがあえてやらなかったこととは...?

「自分の部屋を使わない」こと。自室だと気が散りやすいという理由から、リビングで勉強。ノートにこだわらないのも沖さん流で、ノート代わりにホワイトボードを置いているという。考えたことをすぐに書くことができ、消すのも簡単。数学の天才は自分の部屋に篭らず、ホワイトボードと向き合っていた。

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続いて紹介するのは、大分県出身で現在27歳の廣津留すみれさん。アメリカの名門・ハーバード大学に現役合格を果たし、首席で卒業したワールドクラスの才女。海外留学の経験は一切なく、地元・大分県の公立高校に通い、塾には1度も通ったことがない。現在、国際教養大学(秋田)の非常勤講師を務め、クラシックからポップミュージックまで、すべて英語でその背景などをレクチャーしている。

実は、すみれさんの本業はバイオリニスト。ニューヨークで音楽コンサルティング会社も起業し、テレビのコメンテーターもこなす。多才なすみれさんがあえてやらなかったこととは...?

「大学のことを考える」こと。3歳から始めたバイオリンに全力を尽くし、学校から帰るとバイオリンのレッスン。高校1年生でイタリアの国際コンクールでグランプリを受賞し、 翌年カーネギーホールなどアメリカでの演奏ツアーにも参加した。
ボストンを訪れた時に見学したハーバード大学で輝いている現役生を目にし、「学業と課外活動の両立が出来るのはここかもしれない」と受験を決意。しかし、ハーバード進学への準備期間は1年足らず。塾にも行かずバイオリンの稽古を継続する中で、学校の授業に全力集中した。

そんなすみれさんの秘策はタイムマネジメント。5分刻みでやることを決め、自分に締め切りを課し、1時間を最大限に活用。「自分に課題を与え、ゲームのようにこなしていく。その時が一番アドレナリンが出る」とすみれさん。さらに、小学校の頃から実践していたのがToDoリスト。やることを書きだすことで頭の中のメモリーが空き、もっと有意義なことを詰め込めるという。

やることリストを作って締め切りを設定する受験勉強。しかし難関は、ハイレベルな英語の取得。海外留学経験がないすみれさんは、英語と日本語を交互に唱える独自の勉強法で英語をマスターした。「書いて覚えようとするのは大反対。目と手だけですんでしまい、脳を使わないのでもったいない」と話す。
小論文やオンラインでの面接試験もクリアし、見事、ハーバード大学に現役合格。首席で卒業後は、音楽大学の名門・ジュリアード音楽院に進み、こちらも首席で卒業。幼い頃から最優先だったバイオリンも極めた。しかし、なぜ塾に通わなかったのか? そこに世界を目指せた理由が隠されていた。

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「人と比べることをしなかった」というすみれさん。「塾の中でトップになって安心してしまうのは危険。世界には上には上がいるので、戦う相手を誤るわけです。人と比べている時点ですごくもったいないから、塾に行かなかったのは本当に良かった。親の教育方針がそうだったのでは」と語る。すみれさんの母・真理さんにも話を聞いた。

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すみれさんを一度も怒ったことがないという真理さんは、早稲田大学を卒業し、海外生活も経験。現在は、地元・大分で英語セミナーを主宰し、子ども向けの英語教材をはじめ、家庭教育の大切さを指南する本が話題になっている。

あえて塾に行かせなかった理由は、必要性を感じなかったから。「学校でやったことを自宅で予習・復習して塾でやって、テストを受けて復習するというサイクルが教育に合ってないと思った。同じ問題をするなら1個だけでいい。練習問題を端折って核心の1個だけをやれば、他のサイクルはいらない。時間も教育費も節約できる。宿題は答えを丸写しして暗記すれば必ず100点なので、バッチリです」と語った。

真理さんは、先生にすみれさんの偏差値も聞かず、高校3年生になるまで大学の話題も出なかったという。「それがかえってアメリカの大学という選択肢に繋がったのかもしれない。受験というのは、自分に合ったところが勝手に来るもの。目指したのではなく、自分の生き方に合っているところが勝手に来た」とコメントした。

何事も年齢に応じた教え方をしなかったという真理さん。そのやり方は、ズバリ「ゴールから教える」こと。真理さんが作った小学生向けの英語ドリルは中学生レベル。「年齢に応じて能力が高まると思っているかもしれないけど、そうじゃない。上手い人は小さい頃から上手くて、それは親が最終ゴールを見せているから。子どもを幼稚と思わずに、最初からゴールを見せて難しいことをやらせる。受験勉強は事務処理能力。それを最初に学んだら、自分で管理して出来るようになる」と語った。

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ここで再び、伊沢さんの勉強法について。伊沢さんが提唱するのは、「1日1点主義」。「毎日の目標を、本番の点数を1点上げられたかどうかで判断する。毎日1点ずつ点数が上がっていけば、当然受かるだろうと。それを振り返ると、今日の勉強がどれだけクオリティが良かったか判断できる。自分の勉強について評価しやすくなるので、『1日1点上げるぞ』と毎日掲げることで、反省が上手くいくようにしていた」と話した。

最後に伊沢さんは、受験生に向けて「焦っている自分に焦らないこと。受験前でも本番でも焦っているのは当たり前で、一番良くないのはパニックになること。合格に向けて足りないものを常に考える。自分を客観的に見ることこそが、受験勉強を冷静に送るために大事なこと」とメッセージを送った。

番組では他にも、高2で気象予報士に合格した天才高校生、ハーバード大に現役合格した高校生、伊沢さんと上田さんの両親からの手紙、"公立世界一"UCバークレー校に入学した天才など、盛り沢山でお届けする。

6月28日(月)夜10時放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)
は、ゲストに佐藤B作さんを迎えて、福島屈指の名門「県立福島高校」の秘密に迫る。

B作さんの故郷・福島とは、どんな土地柄? 今年は震災から10年となるが、B作さんにとってこの10年はどんな10年だったか?
そして、今回のテーマであるB作さんの母校・福島高校はどんな学校なのか?

学校側も、B作さんにぜひ見てみてもらいたいと全面協力。何と生徒さん自ら撮影してくれた映像を一挙公開する! B作さんが卒業してからおよそ半世紀。一体何が変わらなくて、何が変わったのか? さらに、B作さんの同級生もリモート出演。梅校とも呼ばれる福島高校の「梅の木」がつなぐ震災ストーリーについても伝える。