日本初!「カワスイ 川崎水族館」ができるまで...独占密着200日:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。8月11日(火)の放送では、かつてない水族館づくりに奔走する人々を取材。コロナ禍の脅威に晒されながら開館を目指す姿を追う。

地味な淡水魚に光を...いざ南米アマゾン川へ

日本には水族館が100ヵ所以上あるが、そのほとんどは海水魚の水族館。地味といわれる淡水魚に光を当てようと動き出したのが、「カワスイ」坂野新也社長だ。

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坂野さんは、1975年に開催された「沖縄海洋博」の水族館に始まり、「サンシャイン国際水族館(現サンシャイン水族館)」や「葛西臨海水族園」など、日本の半数近くの水族館づくりに携わる大ベテラン。水族館の設計から運営まで関わる日本初の「水族館総合商社」を設立し、淡水魚を核とした水族館を、商業施設「川崎ルフロン」(神奈川県川崎市)内につくろうとしていた。既存のビルをリノベーションして水族館をつくるのは、日本初の試みだ。

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水族館の名は「カワスイ 川崎水族館」。その立ち上げメンバーは、「八景島シーパラダイス」や「すみだ水族館」などの出身者だけでなく、子ども向けテーマパーク「キッザニア」など、エンタメ施設で働いていた人も。

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現場責任者で副館長を務める小川泰史さんは、「鴨川シーワールド」に15年勤めていた飼育のスペシャリストで、「レゴランド」の立ち上げメンバー。坂野さんは、「いい人材が揃った。こういう形で進む水族館はなかなかない」と話す。

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今年1月、日本初の計画が本格始動し、小川さんを始めとした「カワスイ」のメンバー5人は飛行機を乗り継ぎ、南米ペルーに降り立った。最初に向かったのは、雨季には20m近く水位が上がる"陸路で行けない世界最大の街"イトキス。フィッシュマーケットでは、珍しい魚が並び、小川さんは「ワイルド(野生)で捕まったものがこうやって見られるのはなかなかない」と話す。

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翌朝一行は、アマゾン川へ。川幅の広い本流で大型の淡水魚など、多様な生態系を目の当たりにする。次の日は、アマゾンに精通するガイド・松坂實(みのる)さんが知る"秘密の池"を訪れた。網を投げてかかったのは「淡水のシーラカンス」と呼ばれる古代魚・タライロンだ。日本では滅多に見ることができない貴重な魚で、空輸して展示することが決まった。

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さらに小川さんはシュノーケルをくわえ、池に潜る。魚が住む環境を実際に見て、その様子をこと細かに再現するためだ。「水槽の中にどういうものを配置してどういう景色をつくるか、イメージができてきた」と小川さん。1週間にわたる調査がどんな展示につながるのか。

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一方日本では、坂野さんが水族館全体の演出プランを描いていた。「カワスイ」は、既存のビルの中に水族館をつくるので、重さ250トンまでにしなければならない。小さな水槽でも喜んでもらえる仕掛けが必要になる。「60歳を過ぎたあたりから『なんでもやれる』と思い始めた。(カワスイには)他にはないものを入れていく」と坂野さんは前向きだ。

輸入ストップに発熱...忍び寄るコロナの影

6月上旬、飼育チームは水槽の準備に追われ、70基の水のpHや温度などを調整していた。順調かと思いきや新型コロナウイルスの影響で、肝心の魚の輸入が予定の約1%しかできていなかった。アマゾンで捕獲した幻の魚・タライロンも輸入できなくなってしまった。小川さんらは輸入を諦め、国内調達に変更。アマゾンゾーンの目玉となる、世界最大級の淡水魚・ピラルクも到着するなど、少しずつ魚が揃い始めた。

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アマゾン川に沈んでいた袋や水中に絡まっていた網などもあえて展示。現地で見た風景を再現し、環境問題を考えるきっかけにしてもらおうという試みだ。水槽の前には説明プレートの代わりにQRコードがあり、それで魚の詳細が出てくる仕組み。ジャングルのスコールを再現した「雨」や「霧」などの仕掛けもある。

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数々の工夫を重ね、オープンが迫った7月上旬、飲食部門のスタッフから、突然発熱したという連絡が。コロナの可能性も...。ワンチームで挑んだ"日本初の水族館"づくり。200日に及ぶ密着の結末は、今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送! どうぞお見逃しなく!

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