「3人ならなんとかなる!」賀来賢人×柄本時生×落合モトキが錦糸町の掃除屋に

公開: 更新: テレ東プラス

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東京・錦糸町を舞台に総勢50人以上の人間模様を描く群像劇、ドラマ24「錦糸町パラダイス~渋谷から一本~」(毎週金曜深夜24時12分)。

俳優・柄本時生さん、今井隆文さんがドラマ初プロデュースを手掛ける本作で、メインキャストを務める賀来賢人さん、柄本さん、落合モトキさんにインタビュー!

【動画】賀来賢人×柄本時生×落合モトキが錦糸町の掃除屋に

錦糸町は不思議な魅力を持った街


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――まず、今作のプロデューサーも務める柄本さん、“錦糸町”を物語の舞台に選んだのはなぜですか?

柄本「まず、“地元”を一つのテーマとして置きたくて。僕の地元の“下北沢”の物語を考えるのはありきたりだと思ったので、“地元の感覚が強くて閉鎖的な場所ってどこだろう?”と考えたときに“錦糸町”が浮かびました。錦糸町に舞台の稽古場があって、街を歩いてみると風情が面白いなぁと、以前から興味があったんです」

――実際に錦糸町で撮影してみていかがですか?

柄本「めちゃくちゃ面白いです。良いも悪いも全部あるというか、なかなかディープで楽しいですね」

落合「僕は、美味しいお店があるので、以前からちょくちょく足を運んでいました。あと、競馬をやるので、土日にはWINS錦糸町によく遊びに行っていて。そこが一番“錦糸町”を物語っている感じがします。ただ、昼にしか行ったことがなかったので、夜の錦糸町は今回の撮影が初めてで。昼と夜でガラッと雰囲気も人も変わる印象を受けました」

賀来「初日の撮影後、モッくん(落合)オススメのお店で、みんなでランチをしたんです。店に入った瞬間、“すげぇな、錦糸町”と思いました。ランチの前に入った喫茶店も、なかなかディープなお店で。けど、妙に居心地がいい。不思議な魅力を持った街だと思いますね」

記事画像ドラマ24「錦糸町パラダイス~渋谷から一本~」第1話より

――錦糸町で掃除屋「整理整頓」として働く3人を演じますが、主人公たちの仕事を“清掃業”にしたのは、なぜですか?

賀来「時生は、ずっと前から“掃除屋”って言ってたよね?」

柄本「うん。最初は宇宙人の掃除屋だったんだよ。緑色の哺乳瓶が出てきて…とか」

落合「SFだねぇ」

柄本「いろんなことを考えながら掃除をしていた時に、『あっ、これ物語にできるじゃん!』って“掃除屋”が思い浮かんで。そういうところからのスタートでしたね」

――掃除屋「整理整頓」として働く幼なじみの3人、賀来さんは社長の大助、柄本さんは裕樹、落合さんは2人の後輩の一平を演じます。それぞれの見どころや、演じる上でのこだわりは?

柄本「一緒に掃除屋をやる理由は、大助と裕ちゃんのある出来事からですが、“誰が悪いわけでもない”ということに結びついています。その関係値がしっかりと見えればいいなと思いながら演じています」

賀来「僕は濡れ場ですかね」

柄本「……ないんだよね」

落合「ないよ!」

賀来「(笑) 僕の役としては、この3人の関係性の中に“どこか気持ち悪い部分がある”というのがあって。話を重ねるごとに、少しずつ歪みが出てきて…と、人間関係によくあることですが、この歪んでいく様は丁寧にやりたいなと思ってます」

落合「一平は2人のひとつ年下なんですが、実際の年齢も僕は2人のひとつ下。一平は、自分の意見も持っているんだろうけど、大助と裕ちゃんを尊重して“全力でついていきますよ”と思っているところが、僕自身にも近しいところで。2人の役も本人に通ずるところがあるので、変に作り込むよりも、自分の直感を大事に、一緒にカメラの前に立っているという感覚です。あと、一平としては“うまいこと2人の間にずっといたいな”という振る舞いでいるようにしてます」

この3人ならなんとかなる


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――今回、柄本さんとともにプロデューサーでもあり、脚本も担当した俳優・今井隆文さんによると、役柄についてはあて書きの部分もあるそうですね。

柄本「今井さんとすごく話し合いました。今井さんは、(メインキャスト)それぞれと飲みに行ったりして人柄を知った上で書いてくれたので、近いものがあるんじゃないかなとは思います」

賀来「えっ! じゃあ、物語の中の役割には、僕らをどう見ているかっていうのがあるんだ」

柄本「ある! すごくある! 配役は、“絶対にこの人はここ”って速攻決まったから、僕の中に確固たるものはあるんだと思いますね。だから、第1話を観た方が納得してくれたら嬉しいんですけど…2人は実際どう思った?」

落合「初日にカメラの前に立った時、引き出しにいろいろと忍ばせていった中で、手前にあるものを、すぐ出せたかなという感覚はあった。でも、その空気感でいいのか、という不安もあって。出会って20年だけど4人(もうひとりのメインキャスト・岡田将生を含め)で共演するのは初めてなので、残念なものは出したくないし、それまでに積み上げたものを忘れたくないと思っているので。だからこそ役については変に考えすぎず、自分とは遠い役ではないなと思いながら台本を読んだように思います」

賀来「“時生から見た僕はこうなんだろう”という感じですね。バスケ小僧みたいな衣装を着させられてます(笑)」

柄本「あははは!」

賀来「そういうキャラクターも“時生から見た僕”であって、“時生から見たモッくん”なんだろうな、と。ただ、“時生から見た僕”と“世間が思っている僕”は違うと思うので、そこも含めて楽しんでいただけたらいいよね」

落合「そうだね。作品として楽しんでいただけたらと思います」

記事画像ドラマ24「錦糸町パラダイス~渋谷から一本~」第1話より

――もうひとりのメインキャスト、過去の過ちを暴くルポライターを演じる岡田将生さん含め4人での共演は初めてとのことですが、今回共演してみて改めて俳優としてすごいと感じたところはありましたか?

賀来「みんな真面目だなと思います。真面目が一番じゃないですか。真面目にちゃんとセリフも覚えてくるし、真面目に仕事しているし、切り替えもうまい。すごく基本的なことなんですけど、真面目だからこそ、みんなそこそこの年月をやってこれたんだな、と」

柄本「全く同じことを言おうとしてた! 基本的なことだけど、この仕事は“積み重ね”で、“そこを逃すと終わるよ”っていうところを、この2人もまーくん(岡田)も絶対に逃してなかったんだな、と思いますね。みんなのそういうところを見て、僕は僕で改めて気持ちを締め直した。すごく刺激になってますね」

落合「本当にそうだね。時生ちゃんは昔から知っているし、時生ちゃん家に2週間くらい住んでいたこともあって。今回は“プロデューサー”という肩書きもあるけど、現場での居方には変わらない面影を感じるし、僕の様子がちょっと違うと『どうした? 大丈夫?』とケアに回ってくれることもあるんです。現場ではそういう感じなんですが、僕と賀来くんにとっては、時生ちゃんは“守ってあげたい人”なのもしれないですね」

柄本「なんなの、それ? 2人ともそうなんだ」

落合「気にかけちゃうかもね」

柄本「ありがたっ! 4人兄弟で考えると、長男(賀来)、次男(落合)、三男(柄本)で、四男がまーくんっていう感じ? どう? 合ってる?」

落合「僕らはいいけど、まーくんがなんて言うか…(笑)」

柄本「あははは(笑)」

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――3人での取りとめもない会話のシーンも多いと思いますが、どういう塩梅でやっていらっしゃるかも気になるところです。

賀来「そこは、“この3人ならなんとかなる”と思いながらやっています。なんとかならないこともあって、話し合ったり、監督のディレクションが入ったりしてやっと成立することもあるんですが、まーくんも含めてこのメンバーなら深く話さなくてもなんとかなるかなと思いますね」

落合「なんとかなる。本当にその言葉に尽きるね」

柄本「まず現場に入って最初の会話の感覚を作ったのはかっちゃん(賀来)で、トーンを作るのがモッくんだなって思った」

落合「そうね。僕は、この3人だと切り込み隊長的な役割で。自分のテンションが上がらないと2人のテンションも上がらないっていうのはあるかもしれない」

柄本「そのおかげで、僕はいろんなものが作りやすくなったっていうのはあったと思います」

後編】では、このメンバーで作品に臨む意味や、俳優が制作陣に携わる意義などについてトーク。

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ドラマ24「錦糸町パラダイス~渋谷から一本~」(毎週金曜深夜24時12分)第1話は?

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第1話
東京・錦糸町を拠点にさまざまな清掃を請け負う掃除屋「整理整頓」。メンバーは社長・大助(賀来賢人)、大助の幼馴染・裕ちゃん(柄本時生)、2人の後輩・一平(落合モトキ)だ。大助たちがいつも触れる錦糸町の音・景色の中に、5年ぶりの開催で盛り上がる「錦糸町音楽フェス」や、電柱や塀に貼られた謎のQRコードなどいつもと違う様子も。そんな錦糸町を取り巻く出来事を、冷ややかな目で見つめる男(岡田将生)がいた――。

【プロフィール】
賀来賢人(かく・けんと)
1989年7月3日生まれ。東京都出身。2007年俳優デビュー。ドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系)、「アフロ田中」(WOWOW)、「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-(日本テレビ系)、映画「森山中教習所」(2016年公開)など出演作多数。世界配信ドラマ「忍びの家 House of Ninjas」(Netflix)では、主演・原案・共同エグゼクティブプロデューサーを務める。映画「聖☆おにいさん THE MOVIE〜ホーリーメン VS 悪魔軍団〜」(2024年12月20日公開予定)など出演作の公開が控える。
X:@kentkaku
Instagram:@kento_kaku

柄本時生(えもと・ときお)
1989年10月17日生まれ。東京都出身。2003年、オムニバス映画 Jam Films S「すべり台」(2005年公開)で俳優デビュー。ドラマ「Q10」(日本テレビ系)、大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」(NHK)、「ひねくれ女のボッチ飯」(テレ東)、「真犯人フラグ」(日本テレビ系)、映画「俺たちに明日はないッス」(2008年公開)など出演作多数。本作「錦糸町パラダイス~渋谷から一本~」(テレ東系)がドラマ初プロデュース。
Instagram:@emototokio1989

落合モトキ(おちあい・もとき)
1990年7月11日生まれ。東京都出身。2002年の主演ドラマ「4TEEN」(WOWOW)で本格俳優として活躍。「ぴーすおぶけーき」(日本テレビ系)、「ナースが婚活」(テレ東)、連続テレビ小説 「らんまん」(NHK)、「筋トレサラリーマン
中山筋太郎」(日本テレビ系)、映画「鯨の骨」(2023年公開)、舞台「あのよこのよ」
(2024)など出演作多数。2024年10月「チャチャ」(酒井麻衣監督)の公開が控えている。
Instagram:@motoki_ochiai

(取材・文/高本亜紀)