7年後に激変!大物アーティストや世界初の開発者とも交流するオカリナ奏者の夢: YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎え、アポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(月曜夜6時25分~)。今回のテーマは、「マッスルYOUがハッスル!ミラクル!ドリームズ・カム・トゥルー!スペシャル」。火事場のクソ力を爆発させるYOUが続々登場する95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

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【2017年2月13日放送分】
1日最大約1300便が発着&約3万人が利用するバスターミナル「バスタ新宿」(東京都)で声をかけたのは、ベルギー出身で2年ほど前から山梨に住むトムさん(当時25歳)。実はオカリナ奏者だそうで、愛用の楽器を見せてもらうが、普通のものとはちょっと違うようだ。一般的なオカリナは息を吹く空洞が1つ(1連タイプ)だが、トムさんのは3つ(3連タイプ)あり、3オクターブもの音が出せるという。

【動画】ドリカムの名曲もカバー!オカリナ奏者YOUが魅了された日本で生まれた世界初の3連オカリナ

トムさんの目標は、日本でプロ奏者になって活躍すること。気になるので、担当Dがちょっと吹いてみてほしいとお願いするが、予想以上に音が大きく周りに迷惑になると躊躇する。ならば山梨までついて行くので…とお願いすると、快諾してくれたので密着決定!

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山梨の甲府駅に到着すると、さっそく武田信玄公の銅像のある公園で思いきりオカリナの腕を披露してくれた。トムさんがオカリナに興味を持ったきっかけは、8歳の頃、両親に買ってもらった「NINTENDO64」だ。そこで人気アクションRPGゲーム『ゼルダの伝説 時のオカリナ』(1998年発売)に登場する重要アイテムのオカリナに憧れ、「ぜひ吹きたい」とすぐに購入。18歳の頃には日本製の3連オカリナを初めて映像で発見し、「他のオカリナに比べ、優しく穏やかで温かみのある音色に憧れた」と衝撃を受けた。1連オカリナは19世紀にイタリアで発明されたが、3連オカリナは約20年前に日本で独自に開発されたものだ。その勉強のために来日したトムさんは、風光明媚な山梨が気に入って移住。以降は友人宅に居候し、ベルギーで貯めた貯金を崩して質素に暮らし、動画を参考にオカリナの自主練習に励んでいる。

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オカリナ練習後は、友人宅のトレーニングマシンで筋トレも欠かさない。オカリナと筋トレは呼吸のコントロール法が似ているそうで、トムさんがマッチョなのもすべてはオカリナのためなのだ。

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翌日は山梨市駅の小さなマーケットへ。お店の女性に「ここがムチムチ!」と腕の筋肉を触られ、照れるトムさん。マッチョっぷりは町でも話題なようだ。ここで買い物するのかな~と思いきや、本日は観客20人の前で練習を兼ねた無料オカリナライブを行うという。いつか大勢の前で演奏することを夢見て…。

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【7年後】
出会いから7年、トムさんは今どうしているのだろうか? プロになれたかな?

ということで担当Dらが自宅を訪ねてみると、33歳になったトムさんと再会することができた。筋トレを週4で継続しているだけあって、25歳の頃よりマッチョ感もアップしていた! あの頃は居候生活だったが、現在は都内近郊の2LDKでひとり暮らし。

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整理された部屋のパソコンで見せてくれたのは、自身がオカリナを奏でるミュージックビデオ。ということは…? なんと、DREAMS COME TRUEのオフィシャルカバーアルバムを出し、夢見たメジャーデビューができた、と報告してくれた! すごい! しかも7年前の番組放送をきっかけに、コンサートなどの仕事依頼も来るように。以来、出演料をもらって各地の公演やイベントに参加しているそうだ。

さて、肝心のドリカムとはどのようにして出会ったのか? 聞けば、トムさんが参加したオカリナイベントに、偶然、中村正人さん(リーダー・ベース担当)が現れ、トムさんの3連オカリナを手に取ったという。そして「中村さんはベーシストで低い音が気になるから、そこからいろんな音楽の話をして、友だちになりました」と、夢のような展開に。さらに一緒に食事に行った時に、ドリカムの曲をカバーしたいと伝えると、“トムのオカリナの演奏、好きだからやっていいよ”と快諾してもらうことができた。こうして2021年9月、名曲10曲をカバーした公式カバーアルバム『Bittersweet』をリリース。中村さんからは、「最高の作品です! トムのパフォーマンスは間違いなく世界で一番です」と、最高のお墨付きまでもらっている。

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平日は都内の楽器メーカーに勤務するトムさんが、休みの日にやって来たのは、神奈川県の開成町にある杜邦(とほう)さんのアトリエ。さっそく、土を練って何かを作り始めた。なんと、3連オカリナを手作りするという。

実はこの波多野杜邦さん(70歳)、2005年に世界で初めて3連オカリナを開発した『3連オカリナのパパ』! 演奏したり子どもに指導をしたりと幅広く活躍されている。3連オカリナのために来日したトムさんにとっては、まさしく神! 杜邦さん主催のイベントに参加したのをきっかけに、こうして工房で直々に作り方を教わっているそう。

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手作りにこだわる理由を聞くと、「僕の今の夢は、オカリナを多くの人に演奏してもらえる楽器にすること。自分で作ったオカリナだと、より表現力豊かに演奏できるんだ。相棒が一緒に演奏してくれてるみたいな気がしてね。だから手作りのオカリナで素晴らしい演奏をすれば、より多くの人を魅了できるし、興味を持ってもらえると思うんだ」と、熱い。

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最近では、若者に向けたSNS発信も行い、フォロワー数も約60万人と大バズり! オカリナ人口の増加に一役買っているようだ。

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そんなトムさんは今、カナダ出身のピアニストで友人のサムさん(28歳)と組んでライブを行い、『未来予想図Ⅱ』などを披露している。この日は埼玉県狭山市で、237人の観客にブラボーな音色を届けた。7年前、アマチュア奏者として20人の前で演奏を始めてから、今やプロ奏者にもなり観客の数は10倍以上! 夢の実現を確認できて、ほっこりしたところで密着は終了。

「たくさんの人にステキな音色を届けて、オカリナに興味を持ってもらえるよう、もっともっと良いアーティストを目指して成長し続けたい。大きいライブでいっぱいお客さんに幸せをあげたいですね」と、目を輝かせるトムさん。これからもオカリナの魅力、もっともっと広めていってね!