日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎え、アポなしインタビュー！ そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ？」（月曜夜6時25分～）。「ドッカーン パッカーン きつねはコーン 日本の激レア激アツにゾッコーンSP」。何かにゾッコーンなYOUが続々登場する95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか？
成田国際空港で声をかけたのは、メキシコからきたダニエルさん（31歳/左）＆アイザックさん（30歳）。鶏肉加工会社で働く2人の来日目的は食べ物で、「今回はオムライスを食べたい」と意気込む。お目当ての店は『キチキチ』だという。
【動画】伝説のオムライスを求めて。6年間出稼ぎで貯金して来店した結果…
「あのオムライスには料理人の高い技術が詰まってる。開くと半熟卵がご飯の上にドロっとかかるんだ。もはやあれは芸術だよ」と特徴を教えてくれた。しかも、目の前で作ってくれるオムライスは、なんとイギリスの三つ星シェフも絶賛しているというではないか！ ミシュランのお墨付きなんて、ぜひ見てみたいと同行をお願いすると、快諾してもらえたので密着決定！
2日後、京都駅前で合流しさっそく『キチキチ』へゴー！
メキシコでは、米や豆に次いで、卵は主食として食べられている。ある統計資料によれば、主要国における1人当たりの鶏卵の消費量はメキシコが392個と世界ナンバーワン（2位の日本は339個）！ とにかく1日1個以上は食べる、卵大国なのだ。かくいう2人も卵が大好きなので、日本のオムライスに興味が湧いたという。しかし、来日までには大変な苦労があったという。発端は6年前、SNSでオムライスを発見した2人は、コツコツと来日のための貯金を始めた。しかしメキシコは賃金が安くお金が貯まりにくかったため、より高い給料を求めてアメリカに出稼ぎへ。16倍の給料を得ることに成功した2人は必死に貯金を貯め、ついにこの日を迎えたのだ。
スーツケースを引きながら歩くこと約20分、京都を代表する飲食街・先斗町へ。ついに念願の『キチキチ』に到着！ しかし、なんと…営業時間外。ドアに貼られたお知らせによれば、平日は午後5時から営業のようだ。しかも気になる『予約制』という文字が…。よくよく読めば、店内に入るにはネット予約が必要なようだ。もちろん予約なしの2人は、まさかの事態にショックを隠しきれない。アイザックさんは、「数カ月前は並べば食べられるって書いてあったんだよ。システムが変わってしまったみたいだ。（予約は）無理だよ…終わりだ」と、一気に意気消沈する。
たまたま中から出てきた店員さんに事情を説明したが、今夜の予約はいっぱいだというではないか…トホホ。担当Dも予約システムについて確認すると、日々の混雑解消のため、当日の決められた時間に（ランチは9時～、ディナーは13時～）、ネットから予約してもらうルールに変わったと教えてくれた。しかも「1～2分で予約が埋まってしまう」そうで、店の人気ぶりがうかがえる。しかも翌日と翌々日はお休みなので、次の営業は3日後…。
途方にくれてしょんぼりしていると、事情を把握した『キチキチ』の店主が直々に対応してくれた。しかも「ちょうど今日、キャンセルが出たから」と、空いた席に入れてくれるというではないか！ これは奇跡！！
4時間後、夢にまで見た店内へ入った瞬間、アイザックさんは感激のあまり涙腺崩壊。
ちなみに『キチキチ』とは、年間約1万5000人が訪れる日本一予約の取れない洋食店。72時間煮込んだ人気メニュー「牛タンシチュー」（3,800円）や、「チキンもも肉のポワレ」（1,600円）など絶品揃いで、中でもオムライスは一番人気だ。華麗な手さばきでフライパンを扱うのは幸村元吉さん（69歳）。京都の有名ホテルで長年腕を振るった凄腕シェフだ。1978年に京都太秦（うずまさ）にオープンし、3日3晩煮込んだオムライス専用のデミグラスソースを開発。チキンライスと混ぜ、深みのあるコクと絶妙な黄金バランスに。その味や調理パフォーマンスが話題を呼び、世界中からお客さんが集まる繁盛店に。今では“オムライスの伝道師”として、各国に招待されるほどの人気シェフになった。
そして焼きたてプルプルの卵がご飯の上に乗せられ、包丁でパッカーン！ 美しさから“黄色いドレスをまとった女王様”と称される看板メニュー「キチキチオムライス」（3,000円）の出来上がり！ そのお味は…。
感極まり過ぎて言葉も出ないながら、ダニエルさんは「卵が半熟だから食感を存分に味わえるね。まるで生クリームみたいななめらかさだ。デミグラスソースの濃厚な風味に溶け込んでいるよ」と、丁寧に食レポしてくれた。アイザックさんも「このオムライスが初めてでよかった」と、ペロリと完食。
食後は、オムライスがテーマの自作ソングを、幸村さん＆スタッフがノリノリのダンス付きで披露してくれた。実はこのパフォーマンスがネットでも大流行しており、YOUからの人気の理由の1つになっている。お客さん全員で大盛り上がりしたところで、密着は終了。
「やっぱり彼の作るオムライスは最高だったよ。この経験は一生忘れないだろうね」と感無量のダニエルさん、アイザックさん。幸せの黄色いオムライス、また絶対に食べにきてね～！
