個人情報の塊!?120%実体験の“痛ぶる恋”に「今、我に返って恥ずかしくなってます」

公開: 更新: テレ東プラス

痛くて、青くて、苦しみで浮き沈んだ恋の物語――木ドラ24「痛ぶる恋の、ようなもの」(毎週木曜深夜24時30分放送)は、多くのティーンから支持を集めるスリーピースロックバンド“This is LAST”の楽曲の世界観を原案に映像化。若さ故の青さや葛藤を、SNSや大学生活を通じて描きます。

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芸術大学で映像制作を学ぶ主人公・根津晴を演じる望月歩さん、晴の彼女でありながら浮気性で多くの男性と関係を持つ久我ユリを演じる小川未祐さん、This is LAST全曲の作詞・作曲、ボーカル&ギターの菊池陽報さんにお話をうかがいました。

【動画】「痛ぶる恋の、ようなもの」予告

俳優陣も“歌詞は120%実体験”に衝撃


記事画像痛ぶる恋の、ようなもの」第1話より

――今作はThis is LASTの楽曲の世界を原案に、BUMP配信ドラマ「今日も浮つく、あなたは燃える。」なども話題の山元環監督がドラマ化。“楽曲が原案”ということで、望月さん、小川さんは演じる上で普段との違いなどを感じましたか?

望月「いつもは台本からその物語を知ることが多いですが、今回はThis is LASTさんの曲を聴いて“こういう世界なんだ”と感じることができました。最初の“1”があるのと無いのとではイメージできるものが違いますし、演じる上でも、より気が乗るなと思いました。演じる方向性が掴みやすいのは、こうしたドラマならではの感覚かもしれませんね」

小川「音楽は聴く人の中に、それぞれの景色や感情が生まれるものだと思いますが、その世界を可視化して “こういう物語です”とみなさんと共有できるのが面白いと感じました。演じる上では、曲が持つエッセンスを頼りにさせていただきました。音楽に心が寄っていく感覚で、芝居にも気持ちが入りやすかったです」

――菊池さんは、ご自身の楽曲の世界観が映像作品となり、それをご自身で見るというのは、どんな感覚ですか?

菊池「不思議な感覚ではありますね。僕の作風は120%実体験で、“個人情報の塊”のような曲を書き続けてきたのですが、それに共感するものがあって今回のお話ももらえたのかなと思うと、いろいろと辛い想いをしてきて良かったなと、報われた感じがしましたね(笑)」

望月「実体験だとはお聞きしていましたが、“実体験をベースに”されているのかと思ったら、120%実体験だったとは! いろんなキツイ思いをされていたんですね」

菊池「あったことを書いているだけで、盛ってないですから(笑)。上手くいかなかったことが別の形で昇華できているので、良かったのかなと思っています。でも、(歌詞として)書いたからといってスッキリするわけではないんですけどね。ドラマになったらより思い出してしまうかもしれないですね(笑)」

――実体験を、どういう形で歌詞にしていくんですか?

菊池「歌詞を書く時は、日記に近い感じで思い出したことを書いています。最近は、経験をもとにドラマ仕立てにしたり、フィクションとして描くことも増えてきたので、少しずつ自分の作風も広がってきているなと感じることはありますね」

記事画像「痛ぶる恋の、ようなもの」第1話より――今回のドラマ主題歌として書き下ろしの楽曲「アウトフォーカス」は、どのように作られたんですか?

菊池「今回は企画の段階から“カメラ”や“映像作品”というヒントがあったので、そういうものに対して自分がこれまでに描いてきた恋愛観などをどのように当てはめていくかという世界観の作り方、歌詞の書き方をしていきました。まずはカメラの勉強をして、撮る側の気持ち、撮られる側の気持ちを考えて、どういう気持ちでカメラに向き合うべきなのかというところを固めてから歌詞を描き始めました」

――そういうとことも体験されるんですね!

菊池「そうですね、やはり気持ちがわからないと書けないので。今回は、“その子”のことを観ていると言いつつも、ピントが合ってないぼやけた“アウトフォーカス”の部分が気になっている。でも、そこに気付かないふりをすることで一緒にいられる…という、ちょっと痛々しい部分に僕自身が“フォーカス”をあてて描きました」

望月「そうだったんですね! こういうお話、撮影に入る前に知りたかったなぁ」

小川「本当に! それを知っていたら、お芝居もまた違っていたかもしれないですね」

望月「そういうところまで勉強されたり体験されたりして曲を書かれているとは。菊池さんは曲で、僕達は演じるという表現の方法の違いはありますが、表現者として共通するものがあるんだなと感じました」

小川「菊池さんも曲を作られる上で、私たちが役の気持ちを作るのと同じ作業をしていらっしゃるんですね」

菊池「そうかもしれないですね。僕はいつも歌詞を先に書くタイプで、自分の頭の中で、起こっていることを情景として浮かべて、どこを切り取ったらどう伝わるのかを考えながら書いていくんです。なので、表現者としては共通するところがあるのかもしれないですね」

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望月「曲を聴きながら、部屋が何畳とかすごく描写がリアルなので“これって実体験なのかな?”と想像を膨らませていたのですが。お話を聞いて改めて“本当に個人情報の塊だ”と思いました」

小川「私も、歌詞を拝見して“本当にこういう気持ちを体験されたんだろうな”と感じていました。それくらい言葉がリアルで、景色や情景が浮かんできて、匂いが立ち込める歌詞で。気持ちを重ねながら歌詞を読み込んでしまいましたね」

菊池「なんか恥ずかしいっすね(照)」

望月・小川「ははは(笑)」

菊池「実体験を不特定多数に公開しているわけですから、友達からも『お前、大丈夫? 大変だったな』と電話をもらったりして…その度に恥ずかしくなるんですよ(笑)。で、我に返るというか」

小川「人に見られたくないところですもんね」

菊池「そうなんですよ! まさに今、この瞬間、我に返って恥ずかしくなってます(笑)」

望月・小川「ははは(笑)」

――役者としては、芝居の中に自分が出てしまって恥ずかしくなるような感覚はありますか?

望月「お芝居は物語に沿わせていく感覚なので、菊池さんの歌詞のように120%実体験を演じるという感覚とは少し違うのかもしれないですね。でも、笑い方とかには素の自分が出やすのかも。笑い声のトーンはコントロールできない部分でもあるので」

小川「あとは、セリフの後にアドリブで演技をすることがあるのですが、そういう瞬間には素がにじみ出ているかもしれませんね」

明日公開の【後編】では、“音楽”“芝居”違うシーンで活躍されている3人がこの機会に聞いてみたいことを質問!

記事画像「痛ぶる恋の、ようなもの」第1話より

今夜スタート、木ドラ24「痛ぶる恋の、ようなもの」(毎週木曜深夜24時30分放送)第1話は?

第1話
映像制作を学ぶ大学3年生の根津晴(望月歩)は初めて監督として作品制作を行うことにしたが、何を撮ったら良いのか分からず悩んでいる。そんな根津晴の様子を見に来た同期のカメラマン・吉川(櫻井健人)のスマホに、フィルターなしのリアルな投稿をするアプリ・モータスの通知が届く。モータスに興味のない根津晴だったが、後輩・臼井都(河村花)の投稿に根津晴の彼女・久我ユリ(小川未祐)の浮気現場が写っており…。
良くも悪くも恋愛後遺症を残した、痛くて、青くて、苦しみで浮き沈んだ恋の物語。

望月歩さん
ヘアメイク:服部さおり
スタイリスト:有本祐輔

小川未祐さん
ヘアメイク:日髙栞奈

(撮影:Marco Perboni/取材・文:武市尚子)

【プロフィール】
望月歩(もちづき・あゆむ)
2000年9月28日生まれ。長崎県出身。2014年、宮部みゆき原作の映画「ソロモンの偽証」で本格的にデビュー。ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)、「ホリデイ~江戸の休日~」(テレ東)、 「事件」(WOWOW)、映画「五億円のじんせい」(2019年公開)、舞台「鍵泥棒のメソッド→リブート」など出演作多数。映画「カムイの歌」公開中、映画「ゲバルトの杜 ~彼は早稲田で死んだ~」(2024年5月中旬公開予定)の公開が控える。
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小川未祐(おがわ・みゆ)
2001年3月25日生まれ。東京都出身。2018年、小川紗良監督の「最期の星」で映画デビュー。以降、映画「よこがお」(2019 年公開)、「脳天パラダイス」(2020 年公開)、Hulu オリジナル「息をひそめて」(2021 年公開)などに出演し、映画「海辺の金魚」(2021 年公開)で初主演。現在 U-NEXT にて独占配信中の「イカロス 片羽の街」“トイレのハナコ”でも主演を務めている。音楽活動としては、2023 年 4 月にシンガーソングライターとしてアルバム「sutwuanu」をリリース。映画の劇伴を手がける他、シンガーとして広告作品に参加するなど、幅広いジャンルで活動中。
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菊池陽報(きくち・あきつぐ)
2018年5月結成、千葉県柏市発のスリーピースロックバンドThis is LAST、ボーカル&ギター。赤裸々に実体験と思いを綴った歌詞とライブ・パフォーマンスがSNSやライブハウスを中心に多くのティーンから支持を集める。2024年3月27日(水)、約3年ぶりの2nd Full Album「HOME」リリース、9月からはZepp含む全国27公演ワンマンライブツアー「This is LAST one man live tour 2024 Autumn」を開催。
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