バンクシーがウクライナに描いた絵に込めたメッセージとは?上田晋也「反省の2時間半」

公開: 更新: テレ東プラス

記事画像
上田晋也アートスペシャル バンクシーから読み解く“分断の世界2023”」。神出鬼没の覆面アーティスト・バンクシーが作品に込めたメッセージを読み解きながら、2023年の世界をアートの視点で振り返ります。番組MCを務めるバンクシー好きの上田晋也さんにお話をうかがいました。

バンクシーの作品から考えさせられたこと


記事画像
――謎多きバンクシーが世界各地に残す作品は、描かれた内容と同時に描かれた場所やタイミングが深い意味を持っている…と興味深い内容でした。収録を終えていかがでしたか?

「改めてバンクシーは深いなと思わされました。気軽に『好き』と言うアーティストとは少し違う、それだけでは終わらせちゃいけないというような。専門家の視点からもいろいろなお話を聞いて、こうしたことをより深く感じました、自分も考えないといけないなという反省の2時間半でした。視聴者の皆さんも、この年の瀬になぜ反省させられなきゃいけないんだろうと思うかもしれないですが(笑)、考えるのは大事なことですからね」

――上田さんは、アートがお好きでバンクシーに深い興味をお持ちとのことですが、特に好きな作品はどれですか?

「“花束を投げる男”の絵や、ウクライナに描かれた絵などが一番考えるべき作品なんだろうなとは思いますね。能天気に見ていいんだったら、間男が窓からぶら下がっている絵が一番好きですけどね。あそこまでの修羅場はなかなかないでしょうけど、似たような経験だったら、ある程度の男性ならしているんじゃないかなって(笑)。何となく分かるなという気はしますね」

――番組では、アートの力で世界を変えようと世界中で創作活動を続けるバンクシーの作品は、人々の議論を呼ぶ狙いがあるという話も出てきましたが…

「議論というのは、“議論”で終わるならいいと思うんですよ。紛争とか、銃弾とか、火薬に頼らなければね。だから、まずは相手の意見、考え、哲学というものを受け入れることが大事だと思います。学校でも、まずはそこを教えてほしいですよね。“議論していいけど、自分の意見や哲学が必ずしも正しいわけではない。相手の意見も受け入れましょう”と。今後、そういう教育になっていけばいいのにと思います」

“言葉”で表現するということ


――バンクシーはアートで様々な表現をしていますが、上田さんは“言葉”で表現されています。人前で“表現”する上で、ご自身はどういう点に気をつけていらっしゃいますか?

「あくまで僕の考えですが、ツッコミの人間は“哲学の押し付け”みたいになってしまうところがあるんですよね。『バカヤロウ、何言ってるんだ』って、相手のことを完全に否定するわけじゃないですか。さっきの話からすると、本当は相手を受け入れることをしないといけないんですけど(笑)。

今は、例えば女性のボケの対して『お前が言うな』みたいなツッコミをすると『女性に対して“お前”って何だ』と言われてしまう。でも、『あなたが言うな』『君が言うな』じゃ面白くないんですよね。だから便宜上『お前』と言っているだけで、別に見下しているわけではないんですよ。他にも、どう考えてもイジってほしくておかしな格好をしている人にも“ルッキズム”が云々と言われることを考えて、イジることができなかったり…。ツッコミとしては生きづらいですね」

――やはり時代の変化とともにツッコミのあり方も変えないといけない、と?

「ということなんでしょうね。でも変えたくない部分に関しては、ずっと言い続けてやろうとは思っているんですけど。言い続けていれば、『あいつはああいう口の利き方だししょうがない』と受け入れてもらえるんじゃないかなって(笑)。それで方々から怒られたら、ごめんなさいって謝ります」

――そういう苦労をされつつも、バンクシーが路上で表現するように、やはりテレビで表現していきたいという気持ちは変わらないのでしょうか?

「そうですね。やっぱりテレビが好きで、テレビに出たいというのが昔から一番大きな目標だったので。自分にできることなんて微々たるものでしょうけど、表現の幅をこれ以上縮められないように、何とか頑張っていければなと考えています。そういう意味では今回のような真面目な番組は意外と表現の幅が広いのかなと思いますね。真面目に考えているからこそ、戦争のことも語れるし、逆に放送禁止的なこともできるかもしれないし。もし第二弾があればそういうことをやってみても面白いかもしれない」

記事画像
――もし次があるとしたら、どんな題材を取り上げたいですか? 今回は、内田也哉子さんがバンクシー作品が残る場所を訪ねていらっしゃいましたが、次はご自身が海外で現地取材をしたいとか、そういう希望があればお聞かせください。

「現地取材、いいですね。いいアイディアをいただきました。バンクシーの絵をいろいろ訪ねていって、そこで専門家の方に解説してもらったりしてね」

――もしかしてバンクシーが実際に絵を描いているところに遭遇するかもしれないですね。

「僕の予想では、バンクシーって人に見られないよう夜中に作業していますよね。申し訳ないけど、そんな時間までロケは出来ないです(笑)。僕は、夜は酒飲んで寝ます」

――(笑) では最後に、番組の見どころを改めてお願いします。

「バンクシーというアーティストの名前ぐらいしか知らないとか、シュレッダーに掛けられたことは知ってるけど…ぐらいの方はもちろん、バンクシーにすごく興味がおありだという方にも、幅広く見てもらえる番組だと思います。思ってみなかった作品にも、“実はこういう意味があるんじゃないか”と有識者の方々が解説してくれています。この番組が、世界で発生している様々な問題を我が事として考えるきっかけの一つになれば嬉しいです」

上田晋也アートスペシャル バンクシーから読み解く“分断の世界2023”」は、今夜12月30日(土)夜8時54分よりBSテレ東にて放送。

(取材・文/高瀬純)

PICK UP